大岡越前 (吉川英治歴史時代文庫 吉川英治歴史時代文庫 45)

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  • 講談社 (1989年8月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (482ページ) / ISBN・EAN: 9784061965454

作品紹介・あらすじ

名奉行といえば、第1に名前をあげられる大岡越前。だが、彼の前半生は決して人に誇れるものではなかった。元禄の悪風に染まり、水茶屋の女お袖との間に一女までなしたが、一緒にはなれない。やがて、江戸町奉行へ抜擢された時、お紬の復讐が彼を待っていた。――みずから蒔いた種をみずから裁く人間大岡越前の苦悩。戦後の混乱した世相に、探い想いを託して描いた意欲作。

みんなの感想まとめ

人間の堕落と再生をテーマにした物語は、名奉行として知られる大岡越前の苦悩を描いています。彼の若き日は、悪友に影響されて堕落し、過ちを犯すという暗い背景があり、その後、奉行として自らの過去を裁く姿が印象...

感想・レビュー・書評

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  • 友人より借り。吉川英治、初。
    若き日の大岡越前がいろいろ酷いが、なんとなくハッピーエンド?

  • ドラマでしか触れたことのなかった大岡越前という人間に、別角度から切り込んで知ったような気持ちになった。
    人間くさい若かりし頃の越前守の危うさが絶妙に描かれている。
    現代日本では考えられない、江戸は情で出来た世界だなと思った。

  • 蔭間:男娼のこと


    2015.10.01 千年読書会の課題図書
    2015.10.17 読書開始
    2015.10.26 読了

  • 大岡越前が様々な苦難を経て、江戸南町奉行にとりたてられた大岡越前守の話。越前は、過去の自分が犯した罪を自分自身で裁きつつも、今の江戸の乱れは、過去の徳川綱吉の制定した生類憐れみの令が原因であると命を賭して将軍(この時は八代吉宗だが)に詰め寄った。

    大岡越前は、奉行になる前は、大岡市十郎のち忠相といい、親戚の犯した罪で閉門させられるなど、決して出世コースをひた走っていたわけではなく、本書では、浮浪者のようなことまでして、夜の街をさ迷い歩いていたとも書かれている。

    同族の忠真の娘お縫と結婚したあとは、伊勢の山田奉行となり、法を護持し、管理下の民を愛することにおいては、治領の境を接しあっている紀州家を相手に屈しなかったことすらある。山田奉行として忠相の名は、剛毅と厳正と果断で鳴った。公事に敗れた紀州家の内部でさえ称える者があったという。その後、江戸町奉行に転進した。

    江戸では、悪党狩りの方では検挙率は悪かったが、市政方面では着々と成果を挙げていった。悪党以上に、防火の面で力を発揮し、消防組を組織させた。江戸のいろは48組のことだ。法の要らない世間、囚人のいない牢屋が良く、獄舎に罪人を溢れさせる、北町奉行とはそのやり方において、一線を画した。細かな罪人までをびしびし牢屋に入れては、今に、世間が牢屋か、牢屋が世間か分からなくなる。彼の民事裁判は、判決ではなく、仲裁の形をとることが多かったと言う。まずは、罪悪の病床からその素因を除いてゆかなければならない。そのためには、市政、とりわけ社会政策に心を砕いていく必要があるといった。

    来世なんてない。あったとしても、人間の来世も来来世もこんなもんだ。とすれば、今生の根かぎり、楽しむしか手はない。人間の肉体には、今でも尻尾のあった時代の跡がある。人間の遠祖は紛れもなく動物だった。その動物が、人間らしい社会を持ち、文化を持ち、道徳や宗教や文化や美術や音楽を誇る人間となるまでには何千年もの時と、そして全体の努力がかかってきている。けれど、数千年の進歩も、実はまだ尻尾の跡のある人間だけに、大きな社会的堕落をきたすと、一足飛びに元の原始人へ還元してしまう可能性は十分ある。悪政の社会のどん底をのぞけばわかる。そこにうようよしている群れは、今日の人間から原始の人間に逆戻りした本来の生態に過ぎない。あれを見て一般人が他人事と思うなら間違いである。自分にも尻尾の跡があることを考えて見なければならない。

  • 名奉行の大岡裁きの数々を期待したのだが。若い時分に犯した過ちを、奉行になってから自ら裁く、という何とも暗いストーリー。悪友に引きずられてずるずると落ちていく市十郎と、立ち直って自らを厳しく律する名奉行となった越前守のギャップの大きいこと。作者は、真っ当な人間もふとしたきっかけで簡単に堕落してしまうものだ、ということを強調したかったのかもしれない。

  • 全1巻。

    ああ。
    こういう人だったんだ。
    って感じ。
    後半が残念。
    やっぱり短い。

  • 大岡越前の若かりし頃より、晩期までを描く。

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著者プロフィール

吉川 英治
1892年〈明治25年〉 - 1962年〈昭和37年〉。本名:吉川 英次。
様々な職についたのち作家活動に入り、『鳴門秘帖』などで人気作家となる。
代表作に『宮本武蔵』や『新・平家物語』がある。

「2026年 『吉川英治 大活字本シリーズ 新書太閤記 第3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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