新・平家物語(一) (吉川英治歴史時代文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061965478

感想・レビュー・書評

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  • 新平家物語を再読。
    武士が貴族の犬として存在した時代。時代が混とんとする中、平家の忠盛、清盛や源氏の為義、義朝らが力を付けていく。人が生きると言う事はきれいごとではないと改めて感じました。

    いつの時代であっても権力闘争と言うのは尽きない悩みの様です。
    鳥羽上皇と崇徳天皇の親子間の確執。悪左府頼長と道長の兄弟間の確執が混乱や権謀渦巻き、争いの火種となる。

    悪左府頼長の政治への態度は敵も多いと思いますが、実は政治に対して最も真剣だったのではないか。そして、妻子を捨て、仏の道を選択した西行こと佐藤義清もまた、人生に対して正直だったのだと再読して感じました。

    奢れるものも久しからずと言いますが、人間ほどほどに奢るのが一番だと思います。

  • 吉川英治さんの本を始めて読みました。
    平家物語は、時代背景が分かりにくく、しかも長いので、
    今まで躊躇していたのですが、吉川さんの文章は非常に分かりやすいですね。すっきりとしています。
    気長に読んでゆこうと思います。

  • 貴族社会ややこしい
    その中で平清盛の武士的な潔さは気持ちがいい
    これからどうなっていくのか、気になる

  • 清盛が神輿に向かって弓矢を放ったシーンが面白かった!権力と結びつき、本来の役割から離れ保身と栄誉に走った腐れ坊主に一矢報いるいい場面だった。
    何よりよかったのが、坊主こそが力のなさを一番わかっていること。力のない者ほどよく吠える。ダメなやつはダメと言わなければならない。

  • いきなり引き込まれてしまった。
    この時代に疎い私でも面白いと感じる話の展開。

    1巻からこれほどのドラマが繰り広げられるとは、続きが非常に楽しみである。

    いつの世も、人間の浅はかさは同じだなと、つくづく思う。
    それと同時に、世に悪評高い平清盛も、普通の愛すべき男児であったことを嬉しくも思う。(笑)

  • 大河は見ていないけれど、前から平家物語を通読してみたいと考えていて、手に取った。
    私の持っている岩波文庫は字が詰まりすぎていて非常に読みづらくて。ただ、内容というか文体としてはもう少し古典に近いものが読みたかったので、
    その点で言えばちょっと選択を誤ってしまったが、これはこれとして面白い。
    16巻まで読み終わるのにどのぐらいかかるのだろうか。

  • こちらも吉川英治の長編。これが一番好きかもしれない。

    三国志よりも一人ひとりの人生が深く描かれています。

    武士がまだ貴族にバカにされていたころの清盛の下積み若造時代から始まり、清盛の栄達、その清盛に平治の乱で夫を殺され、子の義経を助けるために清盛の妾になった常盤御前の話、生き延びた源氏の子が東国で勢力を盛り返し平氏を滅ぼすまで、源平の栄枯盛衰を余すところなく書ききった大作。

    まあ、時代が古いだけに後の学術的見地から見ると不正確なところもあるようですが、これは本当に面白い。

    当時は平時忠が好きでしたが、今読むとどうかな。源三位頼政とか好きになるかもしれないな。

  • こんなに長いなら知章がいっぱい出てくるかも…!と思って読んだらそんなことはなかった。けどおもしろかった!もう一回読もう…

  • 清盛観の変わる一冊です。

    平家一門を束ねる、故白河天皇のご落胤でセレブな清盛のイメージは払拭されるはず。

    読むべきポイントは、優れた平氏は清盛よりも父忠盛であったこと。
    この人の忍従する姿や周囲に添った生き方に感銘を受けます。

    この世の無常が各々の短い話からも感じられる名文。

    吉川氏の文章は、ことばもわかりやすく何よりも人の「心」を描いているところが他の作家と一線を画していると思います。

  • 2009年7月8日読了。

    昔からぜひとも読みたかった平家物語。
    ついに思い切って読み始めてみました。
    やっぱりここは、吉川先生で。

    面白いです。1巻にしてすでに引き込まれました。
    平清盛が10代後半。生活感あふれる書き出しから、だんだん歴史の渦の中。
    あの時代の事は、授業でならったくらいしか覚えてないんだけど、『保元の乱』ってこれか!とやっと判った。
    授業で習うのとやっぱ全然違う臨場感です。
    早く続き読みたい。

著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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