- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061965645
作品紹介・あらすじ
鎌倉幕府が開かれてから130年、政治のひずみが到るところに噴出していた。正中ノ変はその典型的な例である。そして公武の亀裂はますます拡大し、乱世の徴候が顕然となった。「天皇御むほん」さえ囁かれるのである。当時は両統迭立の世、後醍醐天皇が英邁におわすほど、紛擾のもととなった。この間、足利高氏が権門の一翼として擡頭し、再度の叛乱に敗れた日野俊基とは明暗を大きく分ける。
感想・レビュー・書評
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置き文で北条氏を倒す決意を心に決めた高氏。日野俊基など朝廷派捕縛 帝位の両統ていりつ 打倒幕府 後醍醐天皇
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ついに楠木正成が現る。反政府の集団である悪党の成立や実質が分かる。南北朝の対立の発端となる持明院統と大覚寺統の説明もわかりやすかった。
兼好法師や世阿弥の親になりそうな人物(?)も現れ、この時代の文化面にも目を開かされた。 -
楠木正成登場。だが、彼は動かない。とか云ううちに内部告発から元弘の乱が勃発。戦略も戦術もなく、後醍醐天皇は笠置山に籠る。足利高氏(のちの尊氏)は元弘の乱初期に処刑された日野俊基との別れの場面に登場するのみ。大河ドラマと違い幕府内がほとんど描かれないので、登場が少ない
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登場人物が本当に魅力的。
本巻より楠木正成が登場。
後醍醐天皇、新田義貞、佐々木道誉、護良親王、足利直義、高師直、赤橋守時・・・挙げていくときりがないですね。 -
帝を立てての反乱に破れた日野俊基、日野資朝の悲劇とともに、楠木正成一族も描かれる。
正成の妹卯木、服部元成もその哀れな運命から目が離せない。将来の観阿弥と思われる子供の妊娠も推察される。
天皇の御謀反と言われる元弘の乱が勃発する。 -
[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
一巻から一気に時代が進み、最終的には後醍醐天皇の挙兵まで歴史が大きく進んでいることを感じる内容だった。特に一巻には登場しなかった楠木正成が登場したことも大きい。
この本を読んで分かったけど、後の南北朝時代で皇室が2つ存在した理由がこの時代の両統迭立に要因があったことは知らなかった。
太平記を読むと後醍醐天皇が積極的に行動していることが歴代天皇の中でも異質な存在であること強く実感する。 -
楠木正成登場。
それほどの勢力でもない土豪を恃むしかなかった朝廷の無謀さに呆れちゃう。もっともこの見方は俯瞰的に見ることができる後世の人間だからこそなんだけど。 -
(1991.03.01読了)(1991.01.07購入)
(「BOOK」データベースより)amazon
鎌倉幕府が開かれてから130年、政治のひずみが到るところに噴出していた。正中ノ変はその典型的な例である。そして公武の亀裂はますます拡大し、乱世の徴候が顕然となった。「天皇御むほん」さえ囁かれるのである。当時は両統迭立の世、後醍醐天皇が英邁におわすほど、紛擾のもととなった。この間、足利高氏が権門の一翼として擡頭し、再度の叛乱に敗れた日野俊基とは明暗を大きく分ける。
☆関連図書(既読)
「私本 太平記(一)」吉川英治著、講談社、1990.02.11 -
2週間に1巻ずつという読了目安を立てているが、どうやらそんなペースで進められそうである。今まで英検準一級第一次試験対策のためずっと小説を読むのを我慢していたこともあり、今回はその堰が切って落とされたように楽しんでいる。本巻ではまだ南北朝の争乱は始まらず、それぞれ準備期間といったところである。この作品の面白い点は、皇族、幕府、大名、武将のみならず、一般市民にも焦点を当ててスパイスを加えているところだろう。草心尼と覚一親子、服部治郎左衛門元成と卯木夫妻がその代表例。武力がない彼らを主要登場人物と絶妙に関連を持たせながらストーリーを膨らませていく手法は、読者を気軽にこの時代へ誘ってくれる。昨年読んだ「新・平家物語」における麻鳥のようなものだろう。
そして、本作品の面白い点は、以前登場した人物が名前を変えて再登場するところ。例えば、藤夜叉が草心尼・覚一親子のピンチを救ったり、高氏から勘当されたことになっている一色右馬介が柳斎という具足師として元成・卯木夫妻と関わったり…。これは映像を観てしまうドラマでは味わえない楽しさであり、小説ならではである。
当初はそれほど興味を示さなかった本作品であるが、楽しみになってきた! -
おもしろくなったきた…