さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

著者 :
制作 : 加藤 典洋 
  • 講談社
3.89
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本棚登録 : 1168
レビュー : 141
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061975620

作品紹介・あらすじ

詩人の「わたし」と恋人の「S・B」と猫の「ヘンリー4世」が営む超現実的な愛の生活を独創的な文体で描く。発表時、吉本隆明が「現在までのところポップ文学の最高の作品だと思う。村上春樹があり糸井重里があり、村上龍があり、それ以前には筒井康隆があり栗本薫がありというような優れた達成が無意識に踏まえられてはじめて出てきたものだ」と絶賛した高橋源一郎のデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 高橋源一郎、1981年のデビュー作。10代の頃に読んで以来超久々の再読。今読んでも古いと感じないのがすごい。そしてその間に高橋源一郎を越えるこのジャンルの作家が出ていないことも。

    「名前」にまつわる架空のヒストリーから始まり、自分でつけた名前と殺し合うという突拍子もない時代を超えて、恋人同志が互いに名づけあう時代。主人公は猫の「ヘンリー四世」を連れた恋人に「中島みゆきソング・ブック(通称S・B)」と名付け、彼女は主人公を「さようなら、ギャングたち」と呼ぶ。

    S・Bと出逢う前に一緒に暮らしていた女性、彼女との間に生まれた「キャラウェイ」という娘、ある日突然役所から届く死亡通知、幼児専用墓地までの道のり、詩の学校で詩を教える仕事、変な生徒たち、冷蔵庫に変身したヴェルギリウスなどを経て、S・Bとヘンリー四世との穏やかな生活を送る主人公のもとへ、しかし4人のギャングがやってくる。彼らはS・Bの元仲間だった。

    ・・・と、あらすじを書きだすことにあまり意味はないのだけれど自分の備忘録メモとして一応。整理してみるとこうして書き出すことのできる「あらすじ」があることに逆に驚くくらい、読書中は支離滅裂な細切れの断片を次々クリアしているだけの印象しかない。

    にもかかわらず、高橋源一郎の何が良いかというと、バカみたいなことばかり書き並べてあるにも関わらず、なぜかいつもちょっと切ない。物悲しい。こういうのなんて呼べばいいんだろう?センチメンタリズム?リリシズム? とにかく一抹の悲しみ、胸がギュッとなるような切なさが常にどこかに潜んでいて、表面的なポップさよりも、そっちに心をつかまれてしまう。そこが他の作家にはない魅力なんだよなあ。

  • 弟に勧められて読んだ。確か一年位前、熱海へ向かう東海道線の中一人黙々と読んでいたのだが、この本を読むのにその環境は異常にマッチしていた。

    私にとってははじめての高橋源一郎作品。もうちょっと小難しい文章を書く人だと勝手にイメージしていたのでこんなにとっつき易いと意外だった。しかし、内容は決してとっつき易いというものではない。難しい。
    斬新で奇妙な。
    斬新な小説なんて滅多にないからうれしい。
    今もう一度読みたいと思うし、何度読んでも分からないんだろうという気もする。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「何度読んでも分からないんだろう」
      私も雰囲気だけ愉しんでいます。莫迦馬鹿しく思いつつ高橋源一郎が操る言葉に溜息ついてください。。。
      次...
      「何度読んでも分からないんだろう」
      私も雰囲気だけ愉しんでいます。莫迦馬鹿しく思いつつ高橋源一郎が操る言葉に溜息ついてください。。。
      次のお薦めは、映画「ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け」
      パンフレット画像だけ載せておきます。
      http://nyankomaru.tumblr.com/post/68102132987/1986-8-1-parco
      2014/04/05
  • よくわからないけどキャッチーで読ませるなあ、とすらすら読んでいたが、ある時70年代だかの現代詩手帖とユリイカを見て、あ、高橋源一郎の文章ってきちんと時代を引き継いだ詩だったんだなと気がついた。中島みゆきソング・ブック。

  • 言葉で言い表すことが難しい作品。
    言葉を与えることで、何かに分類されてしまうのは、何かもったいない気がする。
    この作品がいいと思える人には、わかってもらえると思う。
    あえて言うなら、「チェストーッ!」くらいか。
    この作品が、チンプンカンプン、なんじゃこりゃ?という人も多いと思う。
    高橋源一郎が言葉の裏側に見えるよい作品と思う。

  • 高橋源一郎唯一の傑作。もう彼がこれ以上の作品を書くことはない。単なるドナルド・バーセルミの継承ではないことを、自身の目で確認して欲しい。

  • 初めて読んだ高橋源一郎さんの本。

  • 固有名詞と引用の羅列は物語を紡ぐという行為を否定し組み立てない文章の強みを信じる著者の即効性と感性のみで時代と物語を語り、さらにポエティックな情緒と繊細さをも内包する。ポストモダン的といえばあまりに短絡的批評だが1つ言えるとすれば時代が生みし傑作だ!

  • 2019年度第6回新歓ビブリオバトル

  • 映像的でしばらく眼窩に留まっていて、一度読んだら癖になってしまいました。もう何度も読んでいます。唯一無二の小説。

  • p.246「私たちは、ギャングであることは相対的なものだと考えました。」

    耳にすることがある題名だけど、全くどんなジャンルの本なのかわからなくて読んでみた。読んだけれども内容はわからなかった(笑)

    チョムスキーではないけれども、文法も文のつながりも規則に従っているのに、今までこんな言葉の組み合わせはなかっただろうというか脈絡がわからないというか。

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著者プロフィール

高橋源一郎(たかはし げんいちろう)
1951年、広島県生まれの作家、評論家。明治学院大学国際学部教授。1981年『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞優秀作を受賞しデビュー。『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞、『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞、『さよならクリストファー・ロビン』で第48回谷崎潤一郎賞を受賞。

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