わが母の記 (講談社文芸文庫)

著者 :
制作 : 松原 新一 
  • 講談社
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本棚登録 : 44
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061975750

感想・レビュー・書評

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  • 「わが母の記」には、著者が老耄の母への思いを記した「花の下」「月の光」「雪の面」の3編を収録しています。

    著者には、『しろばんば』『夏草冬濤』『北の海』という自伝的小説があり、それらでは著者の母は七重という名前で登場しています。おぬい婆さんと激しくやり合っていた気丈な著者の母が、若い頃へ向かって記憶を抹消していき、やがて著者の妹のもとで死を迎えるまでの叙述に、母に対する著者の静かな愛情が染み渡っているように感じました。

    「墓地とえび芋」は、著者の作品の中で個人的にもっとも好きなものの一つです。京都の骨董屋に田黄の古印を買いに行った著者が、図らずも骨董屋の主人の葬式に参列することになり、田黄を買うはずの金で墓とえび芋を購入することになったいきさつが語られるエッセイ形式の佳品で、清澄な読後感のある短編です。

  • 151113再認識→記録
    平板も記憶に刻み

  • とにかく切ない。家族の老いと死について、考えずにはいられなくなる。
    老いていく母親を見つめる作者もすでにこの世の人ではないんだと思うと、不思議な感慨があります。

  • 介護の段階で誰もが感じる気持ちの移り変わりを描いた作品。最初の話で推測したことが、後になって、こうだったんじゃないか、という分かったり。別の次元で生きていたのかな、お母様は。

  • 少しずつ衰えていく93歳の母の世話をしています。今までは 同じ事を聞く母にいらだっていましたが、この本を読んで 優しく接することができるようになった自分を感じています。老いて死んでいくって こういう過程を経るのが 幸せかも・・・と思うようになりました。

  • osanpo_tantamさん

  • 2012年、初読みですw 今春、映画が公開されるので、原作をと思って読んでみました。本題の三部作は澄明な私小説ですが、ほかに収録されていた短編「墓地とえび芋」が、なかなかよかったです。今までに読んだことあったかな・・・?「氷壁」は読んだかも。今年は、現代小説でないものも、読めるといいなぁ。

  • 未読

  • 作者の母が老いで弱っていく様子をつづった作品.「老い」はどのように人を変えていくのか,その一端を見ることができる.いつかは自分にも迫ってくるものだし,身内にも迫ってきているものだし・・・考えさせられます!

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プロフィール

北海道旭川で生まれた井上靖(1907~1991)は、天城湯ヶ島、三島・沼津で18歳まで過ごしました。伊豆の地が『しろばんば』『夏草冬濤(なつぐさふゆなみ)』、洪作少年を誕生させました。沼津中学(現・沼津東高校)時代には、文学へ目覚めるきっかけとなる友人たちと出会い、金沢の四高(しこう)で詩作を始め、京都帝国大学を卒業後大阪毎日新聞社に入社。小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。現代小説、歴史小説、エッセイ、自伝的小説、シルクロード西域関連の作品、詩集など創作、その軌跡は「山脈」と讃えられます。人間の本質を優しくとらえた井上文学、時を超えて愛されつづけています。

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