- Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061975897
作品紹介・あらすじ
デンシャーを慕ってイギリスに渡った大富豪のミリーは、ラウダー夫人の手引きで社交界に華々しくデビューする。「人よりはやく生きる」ために、病身のミリーはヴェニスの由緒ある宮殿を借り切って住みはじめる。ロンドンからデンシャーと恋人のケイト、ラウダー夫人たちがやってきて、物語はミリーの死とともに結末をむかえる。
感想・レビュー・書評
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下巻に入ってからは、どういう展開になるのか予測不能。面白かったけど、何ともやるせない。
純粋で健気なミリーと対照的にケイトは計算高く冷たいのだけど、彼女は彼女で必死に生きているので憎みきれない。ケイトもラウリー夫人も根っからの悪人ではない。しかしやはりズル賢い。
それにしても女達に翻弄されっぱなしのマートンは何とも気の毒。彼の最後の決断には拍手をおくりたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3人の思惑が交差するのがとても面白い。先が長くないミリー、自分たちの愛のためにミリーを利用しようとする2人。下巻は話がぐいぐい進んでいくので、読みにくさを忘れさせてくれる。残酷で切ない結末だと思う。
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2010/3/11購入
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”エミリー”という名の主人公は、気のせいか神秘系キャラが多い気が。
”鳩の翼”のエミリー、絵本のエミリー、 Joanna Newsomのエミリー、、 -
下巻では、三人は互いの本心を押し隠したままヴェニスに向かう。美と頽廃の都で、死をみつめざるを得ないミリーと、激しく愛し合いながら、無垢な魂の前に罪の意識をかんじずにはおれなくなる恋人たち。二十世紀初頭のヴェニスは、この壮麗な心理描写の伽藍の舞台にふさわしい。