親和力 (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (1997年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (474ページ) / ISBN・EAN: 9784061975934

作品紹介・あらすじ

富裕な男爵エードゥアルト、エードゥアルトの友人の大尉、エードゥアルトの妻シャルロッテ、シャルロッテの姪のオッティーリエ、この4人の男女の織りなす恋愛図式。それは人倫を越えた、物質が化学反応を示して互いに牽きあう親和力に等しい。夫婦や家族の制度を破り出て人を愛するのも自然の力である。しかし、人間は自覚的な強い意志をもってそれに対抗しようとする。

みんなの感想まとめ

人間の欲望と愛の複雑な関係を描いた作品で、登場人物たちの心の葛藤が鮮やかに表現されています。富裕な男爵エードゥアルトと妻シャルロッテ、友人の大尉、そしてシャルロッテの姪オッティーリエが織りなす恋愛模様...

感想・レビュー・書評

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  • 自分の情欲に素直な方が幸せになるのかも知れない。しかし、欲は留まるところを知らぬゆえ、身を滅ぼすまで止まらない。足るを知る者が平穏を享受する事ができるが、足るを知るためには不幸を知る必要があった。4人の中で、大尉が特異なのは過去の水辺の不幸を経験したからなのかもしれない。

  • 好きあって結ばれた男爵エードゥアルトと妻シャルロッテ。
    二人の住む館に男爵の友人の大尉と妻の姪オッティーリエが滞在し始める。
    やがて、エードゥアルトはオッティーリエと、
    シャルロッテは大尉と、それぞれ惹かれあう。
    それはあたかも、化学反応の結合のように・・・。
    といった流れの作品。

    刊行は1908年。
    いま読むと、登場人物の会話が不自然(基本的に長くてセリフ風)だったり、
    地の文に作者が顔を出すところなど、古めかしいところはありますが、
    抗いがたい愛の力に翻弄される人間の心理を描いた古典名作ではあります。

    なお、
    エードゥアルトはクズ
    オッティーリエは(聖女のように描かれているが)ちょっとクズ
    シャルロッテと大尉はまとも
    です。

  • お互いに好き合って結婚して、お互いに夫として妻として特別不満があるわけでも大きな喧嘩をしたわけでもないのに、新しく好きな人ができたから離婚したいって、エードゥアルト身勝手すぎないか?これはシャルロッテが気の毒。そんなに簡単にくっついたり別れたりするのなら、結婚なんていう制度はいっそ無くしてしまえばよいと思う。この間読んだ本に「結婚を民営化する」という案が出てきたけれど、実現できるかどうかはともかく斬新で興味深くはある。
    オッティ―リエは貞淑で控えめで清楚な感じで男の人から見たら庇護欲をそそるのだろう。しかしシャルロッテにはほとんど非がないことを思うと、やっぱりオッティ―リエはもっと前に身を引く決断をするべきだったのではと思う。シャルロッテの娘ルチアーネはいかにもわがままお嬢様だけど、オッティ―リエに嫉妬する気持ちはなんとなくわかる。心の狭い人間にとっては、非の打ちどころのない人間がかえって癪に障ることってあるんだよね…。オッティ―リエの日記の格言が、ルチアーネのこと間接的に非難しているようで、それがまた…。口には出さないだけでルチアーネのこと嫌いだよね、これ。
    それにしても二組のカップルがパートナーを交換するという話、どこかで聞いたことあるなと思ったら「ママレード・ボーイ」だ…。懐かしい。

  • 「恋愛小説とやらを読んでみたい」という動機で手にして、読んで、「これ以上恋愛小説は読まなくていいや」と思った。古いお話だなぁ、という印象。そいでゲーテがそんなに得意じゃないことを思い出した。

  • ゲーテによる本格小説。未だかつてない衝撃を受けた。この小説の主題は法、倫理、自然の関係であろう。内なる自然を抑えきれずに破滅していくエードゥアルトとオッティーリエの姿は、単純に道徳を遵守すべきとの考えから非難するにはあまりに美しい。

  • コピーライティングの稀有な才能。

  • ゲーテがいなければ、今の私はないと言っても過言ではないと思います。なので、やはり簡単にコメントできませんが、たとえば「親和力」という概念も訳もすごいなあと感服します。「親和力」という言葉は、科学用語ですが、博物学的というか、科学もまた人の思索をそだて、果てに文学も育てます。

  • なかなか手に入らないゲーテの一冊。お取り寄せすべき。
    親和力とは化学用語。二種類の化合物を1つのフラスコに入れたとき、より結びつきやすいもの同士が結びつき、別の物質に変わってしまう。
    人間もまた然り。

  • 初めてのゲーテ。僕が重視する世界観や描写というよりは会話-人物像中心の小説。だが会話そのものから見えてくる人物像のズレがいい軋轢を産んでると思う。読みやすいと言う点で、お薦め。

  • 小説史上最高の小説

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著者プロフィール

作家、ドイツ文学研究者。
1935(昭和10)年1月 東京生まれ。
武蔵高校から東京大学へ進学、工学部から転じて独文科卒。
1960(昭和35)年 東京大学大学院独文科修士修了、同大文学部助手。
1961(昭和36)年「親和力研究」で日本ゲーテ協会ゲーテ賞。
 翌年より2年間、西ドイツ・フランクフルト大より奨学金を得て、留学。
1964(昭和39)年『されどわれらが日々─』で第51回芥川賞。
 東大助手を辞し、西ベルリンなどに滞在。帰国後、都立大講師、助教授を経て
1969(昭和44)年4月 東京大学文学部助教授、のち教授。文学部長を務める。
1994(平成6)年3月 定年退官、名誉教授。4月、共立女子大学文芸学部教授。
2004(平成16)年3月 同上定年退職。

「2019年 『〈改訂増補版〉詩に映るゲーテの生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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