何処へ・入江のほとり (講談社文芸文庫)

著者 : 正宗白鳥
制作 : 千石 英世 
  • 講談社 (1998年1月9日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061975996

作品紹介

栄達出世を夢みつつ、人生への懐疑にゆれる悩める青年健次の魂の行方を追う「何処へ」。瀬戸内海沿いの旧家に集まる兄弟姉妹らの心の翳と哀感を描く「入江のほとり」。父の死を綴る「今年の春」、母の死を書く「今年の初夏」。生涯基督教の神を求めながら棄教し、晩年に回心した"懐疑しつつ信仰を求めた求道者"正宗白鳥の代表作八篇。

何処へ・入江のほとり (講談社文芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  冷静で温度の低い物語が淡々と語られていて読みやすいが、話としての面白さや派手さは少ない。
     この文庫の中の話には主人公の行く先が不明で、明確なエンドがない話、『その後はどうなったんだよ……?』と不安しか覚えない話が幾つかあった。
     ただ、主人公の憂鬱や不安感、行き場のなさなどの鬱屈した感情の書き方は巧み。読んでいて、あーーーーと視線が遠くへ行って、己の半生を振り返ったり色々と考えたりしたくなる。

  • 近代人なるものの理想的なありかたとは
    モラトリアムにほかならない
    その退屈に負けて人は、現代社会の野蛮人となりゆく
    つまり成熟は二つの道だ
    無為の人となるか
    みずからの意思で死を選び取るか?

    明治40年から、昭和30年代にかけて書かれた短編を集めたものだが
    その思想性はまったく古さを感じさせない
    悩みにこそ真実がある

  • なにも為し得ない話

    しかし、冒頭の料亭へと
    健次が再び向かうラストは
    冒頭への帰結を果たし、
    ひとつの物語の終わり方として
    美しいと思う。

  • 出口が無いことにはうすうす感づいてるんだけど、わざと見ないようにしている。冷たくて切ない青春小説。

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