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- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061976016
作品紹介・あらすじ
戦争後遺症のラグーナ・プエブロ族の混血の青年テイヨの身心は軍の病院でも治療できない。頼みは部族伝統の儀式。メディシン・マンのベトニー老人は治癒への"新しい儀式"と砂絵を示す。自然の知恵、愛、自己の認識。口承文学の香り高き寓話と詩を自在にとり入れつつ、第二次世界大戦後の"アメリカ・インディアン"の若者達の厳しい現実を描出。
感想・レビュー・書評
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ラグーナ・プエブロ族のシルコウが、征服者と被害者という単純な構図をひっくりかえす。土地と結び付かない、欺瞞に満ちた生き方はいずれ自滅する。ごくわずかの人間しか、嘘がインディアンを破壊するよりずっと速く白人を破壊していることを知らない。
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何年か前に友人からおススメされたものの、ずっと積読リストに積まれていた一冊。ネイティヴ・アメリカン(文中では単にインディアンと呼ばれる)が、白人社会に組み込まれていく中で、欧化される人々、狭間で苦しむ人々、逆に西欧文化を飲み込もうとする人々らの姿を、一種呪術的とも言えるような雰囲気の中で描く。
戦争や環境破壊など、西欧文化の負の側面を刻まれた主人公が、ネイティヴ・アメリカン式の『儀式』によって癒されていく、と書くととたんに陳腐だが、物語は重層的で、様々な苦悩や矛盾を抱え込みながら穏やかなラストへと突き進む。
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