アブサロム、アブサロム!(上) (講談社文芸文庫)

  • 講談社
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本棚登録 : 151
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061976214

感想・レビュー・書評

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  • 一文一文がとても長く、そして、回想が入り乱れるように撒き散らされる。読みにくい、と感じる方が圧倒的に多いかもしれないが、ミルフィーユみたいに重層的に積みあがっていく想いに、人間の本質をみるような気がします。山ほどのことが静かに降り積もってきた結果こそが、現在である、というような。生きていくことは、理路整然とした連続性のある出来事ではなく、形になりかけたのかどうなのか不確かな塵らしきものが、山のように積みあがった結果として形を成す、といったような。

    そんなイメージはさておき、話自体は後半に加速しだして、俄然面白くなります。

  • 圧巻。
    伝聞の事実の断片から登場人物たちが
    推測で勝手に語りまくって物語を補完していき、
    実際どうだったかは一切明かされない。
    こうする事で、単に事実を語るだけでは不可能な
    複雑に絡み合った全体像が。。
    まじですげえ。こんなんやられたら後続の作家は、、

    2011-09-24 18:12:50 Twitterより


    岩波からフォークナー「アブサロム」の新訳が出ていたので立ち読み。
    こりゃ酷ぇ。
    この作品の特色である、修飾語だらけのいつまでも閉じない長い文章を、
    複数の文章に分け、間に句読点を挟むことで、
    さも一文であるかの様に改悪処理してしまっている。
    藤平育子、ナンセンス。
    文学なめんじゃねえぞ。

    2011-10-20 14:08:35 Twitterより


    「アブサロム」は難解と言われるが、実際はとても読みやすい。
    一つ一つの文章が異常に長いのが特徴のひとつだが、
    破綻していないので、読んでいて意味がわからない箇所はない。
    特に中盤、ローザがクライティと向かい合うシーンでは、
    この「実験」が功を奏し、もの凄いスピード感と迫力で引き込まれる

    2011-10-21 01:25:54 Twitterより

  • 今まで読んだフォークナー作品の中で一番難解かも。クエンティン・コンプソンが出て来るので「響きと怒り」の続きみたいに読める。

  • 2/9

  • はじまりも終わりもなく、といえば『アブサロム、アブサロム!』も。
    暗くて長くて誰が話したり思ったりしてるのか段々分からなくなって
    でも本の中身がざわざわ動いているみたいに感じるときがある不思議な小説だった。
    英語で読んだら気が狂いそう。
    そして素晴らしい。

  • 読み応えばっちり。名作と言われるだけの重厚さがあります。トマス・サトペン家の「血の物語」、気合入れて読むにはもってこいです。

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著者プロフィール

1897年アメリカ生まれ。南部の架空の町を舞台にした作品を多く生み出す。著書に『八月の光』『響きと怒り』『アブサロム、アブサロム!』など多数。1950年ノーベル文学賞受賞。1962年没。

「2022年 『ポータブル・フォークナー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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