毒薬としての文学―倉橋由美子エッセイ選 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
3.64
  • (3)
  • (3)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 53
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061976726

作品紹介・あらすじ

学生時代、マスメディアに劇的に登場、常に現代文学に挑戦し続ける著者の『わたしのなかのかれへ』『迷路の旅人』『磁石のない旅』『最後から二番目の毒想』『夢幻の宴』の全エッセイ集から、(1)日常と文学の周辺、(2)作家・詩人関係に集約編集。「性と文学」「文学的人間を排す」他、坂口安吾、渋沢龍彦、三島、埴谷等、三十五篇。独創的世界を展開する著者の文学観、発想の源流を示す文芸文庫版エッセイ集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 文学

  • 著者の5つのエッセイ集からピックアップされた選集本。
    日常生活と文学の関わりや、偏愛する作家について綴られている。
    毒にも薬にもならぬという貶し言葉があるが、
    著者はそういう文学を嫌悪し、軽蔑していたのかもしれない。
    毒にも薬にもならない小説というのは、キャラクターが、延いては作者自身が、
    ぬるま湯に浸かって思考停止に陥っているものを指す気がする。
    ……だとしたら、憎むべき敵の、なんと数多いことか。

  • 吉田健一への追悼文が載っていて、これを読むと、著者が吉田の文体模倣を意識的にやっていたことがわかる。自ら模倣を認めてしまうのがこの著者の得意技で、食えないところ。模倣で収まらないところを承知しているから、堂々と開き直れるのであって、その意味で本質的な皮肉屋、嘘つきである。


  • 受賞のことば
    学生よ、驕るなかれ
    袋に封入された青春
    田舎暮し
    性と文学
    性は悪への鍵
    死後の世界
    土佐人について
    わたしの小説作法
    妄想のおとし穴
    毒薬としての文学
    育児日記
    文学的人間を排す
    神々の深謀遠慮
    アイオワの四季
    私の小説
    休業中
    アメリカ流個人主義
    わが町
    誕生日
    残酷な童話
    パリの憂鬱
    夜 その過去と現在


    「言葉のない世界」へおりていく---『田村隆一詩集』---
    坂口安吾論
    美少年と珊瑚
    澁澤龍彦の世界
    評伝的解説---島尾敏雄
    英雄の死
    「反埴谷雄高」論
    心に残る言葉
    吉田健一氏の文章
    『史記』と『論語』
    大脳の音楽 西脇詩集
    先生・評論家・小説家・中村光夫先生


    ■講談社文芸文庫 1999.7.10
     解説/「「反文学」という常識の毒」清水良典
     年譜/保昌正夫
     著書目録/保昌正夫

    *「土佐人について」収録
    「ふるさとの旅路12」 ほるぷ出版 1976.9
    「日本随筆紀行21 のどかなり段々畑の石地蔵 四国」 黒島伝治ほか 作品社 1989.2 p188-197
    「心にふるさとがある16(新編・日本随筆紀行-大きな活字で読みやすい本-)土地っ子かたぎ」 石川啄木ほか著 作品社 1998.4

    *「毒薬としての文学」収録
    「われらの文学21 高橋和巳・倉橋由美子・柴田翔集」  講談社 1966.13

    *「アイオワの四季」収録
    「新編世界の旅・北アメリカⅠ」1970.11

    *「残酷な童話」収録
    「グリム童話とメルヘン街道」 高橋健二監修 くもん出版 1985.4.25

    *「坂口安吾論」収録
    「底本坂口安吾全集2」 冬樹社 1968.4

    *「美少年と珊瑚」
    「澁澤龍彦集成 第Ⅳ巻」月報 1970.1

    *「澁澤龍彦の世界」収録
    「犬狼都市」所収「解説」 福武文庫 1986.7

    *「評伝的解説---島尾敏雄」収録
    「現代日本の文学42」所収「解説」 学習研究社 1971.1

    *「英雄の死」収録
    「近代作家追悼文集成42 三島由紀夫」 ゆまに書房 1999.2 p131-136

    *「「反埴谷雄高」論」収録
    「埴谷雄高作品集・第6集」 1972.2.20

    *「『史記』と『論語』」収録
    「貝塚茂樹著作集 第三巻」月報 1977.7

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1935年高知県生まれ。大学在学中に『パルタイ』でデビュー、翌年女流文学賞を受賞。62年田村俊子賞、78年に 『アマノン国往還記』で泉鏡花文学賞を受賞。2005年6月逝去。

「2012年 『完本 酔郷譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

倉橋由美子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×