猿のこしかけ (講談社文芸文庫)

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本棚登録 : 49
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061976771

感想・レビュー・書評

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  • 16/05/04、神保町・愛書館中川書房で購入(古本)。

  • 幸田文のエッセイ集。再読すると、冒頭からおかしくて笑ってしまいます。
    幸田文が父の幸田露伴に頼まれる道場破り。
    そして、「猿のこしかけ」というタイトル。ふとしたことで材木屋さんから、猿のこしかけがついている木は使い物にならないという話を聞く。そんな悪い奴だったのか、それを作文の題にしてしまうなんてと思うのです。
    山で迷う話の「晩夏」も面白かったー。
    詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120310/1331343810

  • 読んでいて、心地よくて仕方ない。使われることば、文の調子。。。「はなし」の文というか、話芸を感じさせる、声に出して読みたい気持ちの良さがある。
    対象との距離が「冷たい」というほどあるでなしに、しかし程よい突き放し感を覚える。自分自身さえも軽く突き放してみせる。その観察眼からの描写がたまらず、知らぬはずの、だがどこか懐かしくもあるような時代・習俗そのものに興味があるのでなくとも、引き込まれる。たまらない。
    観察眼鋭い描写、というのは多くの作家にあれど、恋だの愛だのいわないところが、私が幸田文を好きな理由かもしれない。植木屋のじいさんや近所の浮浪者、そういった市井の人びとへ注がれる眼がいい。「人物」の魅力が、活写される。じいさんやばあさんが好きになる。
    少しの湿っ気というか温度の違いを感じるのは、やはり父、そして母に関してのことだろうか。ちらっとそういうところが伺えるのもいい。ははぁ、ここで心が強く動くのだな、と。そういう人なのだな、と。

  • この方の作品を何作か読んだことがあるのでこれも借りてみました。

    読んでいてこわい人だなあと思いました。恐ろしいとかそういう意味の怖いではなく、情のこわい、と言うか強い、と言うか。なかなか側にいたら大変そうな人だなあと思いましたが書いている文章で思うのとご本人が正面に居て受ける印象は違うかもしれません。

    今は消え失せていく言葉や習慣をさみしいと思いつつ、今には今の可愛さ、良さがあるのだと言う一文はやけに沁みました。

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著者プロフィール

1904年東京向島生まれ。文豪幸田露伴の次女。女子学院卒。’28年結婚。10年間の結婚生活の後、娘玉を連れて離婚、幸田家に戻る。’47年父との思い出の記「雑記」「終焉」「葬送の記」を執筆。’56年『黒い裾』で読売文学賞、’57年『流れる』で日本藝術院賞、新潮社文学賞を受賞。他の作品に『おとうと』『闘』(女流文学賞)、没後刊行された『崩れ』『木』『台所のおと』(本書)『きもの』『季節のかたみ』等多数。1990年、86歳で逝去。


「2021年 『台所のおと 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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