流離譚 上 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061982000

作品紹介・あらすじ

父親を主題に名作「海辺の光景」を書いた安岡章太郎が、土佐の安岡一族のルーツを遡つて、幕末の藩士達に辿り着く。その一人安岡嘉助は文久二年、藩の参政吉田東洋を刺殺、脱藩、天誅組に入って京に上るが、志半ばにして刑死する。日記や書簡を手掛かりに、自分の実感を大切にしながら臨場感あふれるスリリングな語り口で、歴史のうねりに光を当てる長篇歴史小説。日本文学大賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 土佐の郷士であった安岡家の家系から枝分かれして、東北に根を張った一家がある。東北弁を話す遠い縁戚の人物が語る「やすおか」のイントネーションが土佐弁であった。

    残された日記や書簡を丹念に、執念深くひたすら追っていく小説。書簡の行間を想像で補いながら、安岡家の近代史を追っていく作業に読者は付き合わされるのだが、なにゆえかそこに中毒性がある。

    上巻は土佐藩内の勤王派弾圧に巻き込まれる安岡家の物語。
    下巻へ続く、これは楽しい。

  • 著者の一族で東北に住む「安岡氏」との出会い。氏が東北弁を話すにも関わらず、安岡という自らの姓を名乗る際のみ土佐弁が残っているという感動的な場面。そして氏の先祖が土佐藩の時代に志士として戊辰戦争で活躍した記録を詳細に語り、江戸時代は決して遠い時代ではなく、つい2~3代前の出来事であったことを再び痛感します。小説ではなく、記録ともいうべき内容であり、重厚な、素晴らしい作品です。

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著者プロフィール

安岡章太郎

一九二〇(大正九)年、高知市生まれ。慶應義塾大学在学中に入営、結核を患う。五三年「陰気な愉しみ」「悪い仲間」で芥川賞受賞。吉行淳之介、遠藤周作らとともに「第三の新人」と目された。六〇年『海辺の光景』で芸術選奨文部大臣賞・野間文芸賞、八二年『流離譚』で日本文学大賞、九一年「伯父の墓地」で川端康成文学賞を受賞。二〇一三(平成二十五)年没。

「2020年 『利根川・隅田川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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