白鯨 モービィ・ディック 上 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061982116

作品紹介・あらすじ

灯油の原料を求めて大海に出た捕鯨船の船長エイハブの壮絶な白鯨との死闘。それを物語る唯一の生き残りの乗員イシュメールの魅力的な語り口。苛酷な宿命の下での自然と神、卑俗と聖性、博愛と弱肉強食等の混沌とした人間的葛藤の奥に、男だけの世界の濃密な関係が息づく。近代の文明の行き詰った危機に改めて注目される古典を朗唱にふさわしい平明な新訳とした文庫版。全二冊。

感想・レビュー・書評

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  • 「イシュメール、これをおれの名としておこう」(Call me Ishmael)

    この有名な一文で始まる本作。

    この始まりに至るまでに、「鯨という語の語源」と「鯨という語を含む名文抄」という、序章というには相当に長くて奇妙なセクションが設けられています。よって、この時点ですでに――すなわち本文に至るまでに――本書を閉じた読者も少なくないでしょう。

    そのように哀れな(あるいは、ある意味、賢明な)読者でなくとも、モービィ・ディックという怪物をめぐるこの長篇自体こそが、読み切ることの難しさをめぐる怪物なのかもしれない――上巻を読み終わるころには、そう痛感するでしょう。

  • 世界十大文学と呼ばれている白鯨。

    読んでみたいけど、知人がストーリーはかなり薄くてクジラに対する愛がすごい作品らしいと聞いて二の足を踏んでる。

  • 昔の作品だと聞いていたが、ジャパンがまだ
    閉門中の時代に書かれたほど古いとは知らなかった。
    なので、作中には鯨が哺乳類とは分類されて
    おらず、大きな魚か否か議論中だったらしい。
    昔の時代の作品は宗教の影響が強く感じられる。
    この作品も宗教からの引用が多く含まれてた。
    いまのところ、エイハブ船長の身勝手さに
    イラついている。

  • まさかの書き出し。そしてなかなか斬新であったろう構成。時に興味深く、時に苦痛。

  • 海に関連する小説といえば、こちらも有名どころですね。

    所蔵情報:
    上巻:品川図書館 933/Me37/1
    下巻:品川図書館 933/Me37/2
    ※品川図書館、越中島図書館ともに別の版も所蔵しています。

  • 『白鯨』を英語で読んで自分で訳を作ろうとしてみるとわかるが、いちいち文が長くて文法的にも迷う箇所が多い。岩波や新潮で出ている他訳も参照し比較したが、結局千石訳が一文一文が短く、きちんと意味を取って真摯に訳しているので好感が持てたし、訳文の正確さという点においても優れていると感じた。長くて晦渋な文章こそが白鯨の魅力であるとかいう人でない限り、この訳をおすすめする。(「白鯨 柴田元幸」とかでググるとゼミで読んでみて千石訳がいちばんよかった、とおすすめしてる文章があるので、権威ある英文学者が言うことに従っておくというのも学問的な信頼という面でよいのだろう)

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA46565736

  • かのコーヒーショップの店名の由来であるキャラクターが登場するときいて、一度読んでみようとやっと重い腰をあげてよんでみた。

    後半に続く。

  • 東大京大教授が薦めるリスト100選抜

    No.66

  • 平戸などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1819年-1891年。ニューヨークに生まれる。13歳の時に父親を亡くして学校を辞め、様々な職を経験。22歳の時に捕鯨船に乗り、4年ほど海を放浪。その間、マルケサス諸島でタイピー族に捕らわれるなど、その後の作品に影響を及ぼす体験をする。27歳で処女作『タイピー』を発表。以降、精力的に作品を発表するものの、生存中には評価を受けず、ニューヨークの税関で職を得ていた。享年72歳。生誕100年を期して再評価されるようになり、遺作『ビリー・バッド』を含む『メルヴィル著作集全16巻』が刊行され、アメリカ文学の巨匠として知られる存在となった。

「2012年 『タイピー 南海の愛すべき食人族たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ハーマン・メルヴィルの作品

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