白鯨 モービィ・ディック 下 (講談社文芸文庫)

制作 : 千石 英世 
  • 講談社 (2000年6月9日発売)
4.00
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  • 本棚登録 :68
  • レビュー :5
  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061982178

作品紹介

燃え立つ太陽と薄明の月影、輝く天空と無限の深海の闇、苛酷な人間の運命を暗示するかのような大海原の真っ只中で起った捕鯨船ピークオッド号乗員らの惨劇。巨鯨モービィ・ディックに敗れゆく片脚の老船長エイハブ。禍々しくも、また神々しい巨大な一頭の白鯨をめぐって展開される雄大な海洋冒険小説の趣ある古典的名作を新たな読みやすい訳にしたオリジナル文庫。全二冊。

白鯨 モービィ・ディック 下 (講談社文芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 劇は終わった。
    ーエピローグより

    芝居掛かった厳粛な語りがよく似合う、予言と勇気と恐怖に満ちた壮絶な一大長編。
    ピークオッド号を巻き込んで、ほぼ全ての乗組員が海の底に沈んでいく、あっけなく恐ろしい幕切れに、寂しさの残る読後感だった。
    「蝋燭」の章、ジャパン近郊名物タイフーンに翻弄されるピークオッド号の三本マストに聖エルモの火がともる場面が印象的で、鳥肌がたった。

    一級航海士のスターバックがスタバの由来と聞いたけど、スターバックさんにこれといったコーヒー要素が見当たらず、なぜ由来になったのか分からなかった笑

    目次で「棺の中のクイークェグ」を見て、死んじゃうんだ…いい人ほど死んじゃう法則…とか思ったのに、まさか気合いで生き返るとは。でも結局船と一緒に死んじゃうとは。いい人もそうでない人も、死んでしまう時は死んでしまうんでしょうな。

    気取った文章が大好きなので、以下よかったものを抜粋。

    捕鯨ボートの乗務構成員六人は、いわばエドワード王の前に出たカレー市民六人のごときものだろうか、首に絞首刑の索を巻きつけられながら、死の顎へ向けて漕ぎつづけるのである。
    ー60銛索より

    この劇のすべては、変更を許さぬ命によって、はや定められているのだ。この海原がうねり波巻き始める十億年前におれとおまえとで下稽古を積んだ芝居なのだ。
    ー134追跡ー二日目より

  • 前半はクラシックな別訳で読んでちんぷんかんぷんだったので、後半は評判の良い千石訳で。意味が分かるようになったらイシュメールやエイハブの異様さがはっきり伝わってきて、へんてこな小説だな!とあきれながら読んだ。

    ときおりはさまる意味深な文章のおかげで、海も船も鯨も何か別のことをさしていそうで無心に読めない。好みとしては読み終わった後ぼんやり何か頭に浮かぶくらいがいいのだけれど。それでも読み続けてしまったのは、だんだんエイハブが気の毒になってきて、見届けなくては!という気持ちになったから。彼は白鯨に否応もなく憑りつかれてしまったひとで、もう自分ではどうしようもなかったんだと思った。そしてエイハブのオブセッションに殉じた船員たち。あの絆の強さってなんなんだろう。最後、追跡の三章は別人が書いてるみたいに文章がタイトで面白かった。

    イシュメールの視点やフェデラー、ピップの存在など、どういう意味があるのか気になる箇所がいくつかある。この隙間の多さが本作を古典の名作にしているのだろう。長すぎて振り返れないのが残念。

  • じつに様々なことが書かれている。鯨に関する事と捕鯨に関する事。個々の事柄に向けられた強固な眼差しは、時に普遍性を帯びるとおもう。この本の中で描かれる膨大な細部と比喩に圧倒され、一見してとても大きなものに向き合ってる気にさせられるけど、例え話のようなものではなく読みたい。

  • 平戸などを舞台とした作品です。

  • わたしが読んだのは河出書房の全集シリーズだったのですが、この最新版の訳はなかなか評判がいいようなので、また読んでみたいです。(河出の訳は…)(…)

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