家族会議 (講談社文芸文庫 よE 8)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061982376

作品紹介・あらすじ

東京の兜町で株式売買をする重住高之は、大阪の北浜の株のやり手仁礼文七の娘泰子に心惹かれている。だが、-文七はあくまで高之に熾烈な仕手戦をしかけて止まない。金の絡みと高揚する恋愛の最中、悲劇は連続して起こる。資本が人を動かし個人が脅かされる現代に人間の危機を見、「純粋小説論」を提唱実践した横光利一が、その人間崩壊を東と西の両家の息づまる対立を軸に描いた家庭小説の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 新感覚派の旗手である著者の本は「旅愁」を学生時代に読んだことがあるのみです。1930年代の東京と大阪の2都の株式の相場師の対決を軸に、主人公たち若い男女の恋愛模様が重なり、凝縮された密度の濃い小説の世界です。経済小説ともいうべき通俗小説野世界ながら、若い男女の生活ぶりは細雪を思い出させる当時のハイソサエティの芦屋・六甲山など神戸周辺の世界を描いてくれています。しかし、株式の世界は今も変わらないと思いました。

  • 株の買占めの話 1人男性と多くの女性が関わる 上下2巻

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著者プロフィール

よこみつ・りいち
1898〜1947年、小説家。
福島県生まれ。早稲田大学中退。
菊池寛を知り、『文芸春秋』創刊に際し同人となり、
『日輪』『蠅』を発表、新進作家として知られ、
のちに川端康成らと『文芸時代』を創刊。
伝統的私小説とプロレタリア文学に対抗し、
新しい感覚的表現を主張、
〈新感覚派〉の代表的作家として活躍。
昭和22年(1947)歿、49才。
代表作に「日輪」「上海」「機械」「旅愁」など。



「2018年 『セレナード 横光利一 モダニズム幻想集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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