金色の盃〈上〉 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (562ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061982758

作品紹介・あらすじ

アメリカの大富豪ヴァーヴァー氏は、ロンドンで美術品の収集に余念がない。一人娘のマギーはアシンガム夫人の仲介でイタリアの貴族アメリーゴ公爵と結婚する。そしてヴァーヴァー氏は娘の友人のシャーロットを妻に迎える。シャーロットとアメリーゴはかつて愛し合っていたが、貧乏ゆえに結婚できなかったという過去がある。図らずも義母と娘婿の関係になった二人を待ちうけるものは-。

感想・レビュー・書評

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  • 2人の遠足(笑)はどうやら一度きりらしい。金で自分たちを買った父娘に小さな復讐をすることが目的だから。
    別れた恋人同士が、ある資産家父娘のそれぞれの配偶者として再会する。ところがこの父娘、結婚(父親は前妻を亡くしており、再婚)してからも今まで通り親子でべったりで、まったく結婚した意味がない。まるで父と娘がカップルであるかのように。必然的に取り残された形の元恋人同士は、この複雑な状況下でどうしたか?
    『鳩の翼』もそうだが、ヘンリー・ジェイムズの作品には貧しくて結婚できない男女が登場する。この2人シャーロットとアメリーゴも、かつで愛し合いながらこの壁ゆえに別れた過去がある。階級が高い、あるいはそれなりの家柄で教養もあるが後ろ盾がなく貧しい、となると労働で生計をたてることができない。∴資産家と結婚するしかない、というややこしい当時の社会事情である。
    この物語では、億万長者父娘の行動規範?において、読んでいて非常に居心地悪いことがしばしば起きる。例えば「私が結婚したら、パパが一人ぼっちになってしまうわ」と心配する娘のためだけに父親が、娘の友人であるシャーロットと再婚することを決める。相手が誰でもいいなら、もっと年齢相応の相手とすれば? というか娘のために誰でもいいから自分も再婚するとは、どういう了見なのか。こういう薄気味悪さを本人は全く疑問に感じていないということを、ジェイムズは微に入り細を穿ち、長ーーい一文に息継ぎもいれず描きつくす。
    シャーロットが「あの人たち(父娘)は仲良くやってるんだから、私たちも楽しみましょうよ」とアメリーゴと遠足(笑)に行く算段をつけるあたりは、官能的になるのかと思いきや、意外とあっさり事務的な感じもして、そして遠足(笑)はどうやら一度きりらしい。金で自分たちを買った父娘に小さな復讐をすることが目的だから。

  • どこの昼ドラだよっ!

  • 読めばおもしろいに決まっているんだけど、読み出すまでの心の準備に時間がかかっています。

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著者プロフィール

Henry James.1843-1916
19世紀後半~20世紀の英米文学を代表する小説家。
主要作品に『デイジー・ミラー』、『ある婦人の肖像』、
『ねじの回転』、『鳩の翼』等。
映画化作品が多いが、難解なテクストで知られる。

「2016年 『ヨーロッパ人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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