槿 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 249
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983335

作品紹介・あらすじ

男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子。二十年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う国子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 本日読了。

    重厚だがぬめぬめと蠢き
    仄暗くも鈍い光を放つ、
    男の、女の、記憶、妄念を、
    丹念に描きだす。
    薄霧、濡れ草のにおい、水の流れ、電話のベル、足音、
    そういった気配たちが、
    誰かの狂気をうつつ世に引き込む呼水としての、
    重要な役割を与えられている。

    500ページ超。
    読む持久力は必要かな・・。

  • 40になったらこんなべろべろの性関係が待ってるの?まじで?

    むくげと書いてあさがお、これを確認する為だけに読んだ544頁。
    私は槿(伊坂幸太郎氏/グラスホッパー)がだいすき。美しいひと。
    伊坂さんの世界に生きる、植物の名がついた御仁にときめく

  • ふつうの物語としてめちゃめちゃおもしろい、ほとんどの人間が神経症にかかっている、それから解説にもあるけれどホテルのエレベーターをおりてから國子の部屋に向かうまでのながれはぞっとするほどすばらしい。ただ妻子持ちの四十代でこんなんなのか、という所感は否めない。

  • ただただ退屈だった。

    本作に込められた手法について,松浦寿輝による解説に詳しいが,果たしてこれを長編でやる意味はあるのか疑問。一種のリアリティについては同意するけれども,やはり簡潔にまとめないと輪郭が薄れてしまうと思う。むしろ「輪郭のボヤけ」こそ本質なのかもしれない,それにしても退屈なのは変わらない。

  • あー……しんどかった……。
    こんなん中年じゃなきゃわからないでしょ!
    なんでそんなに物忘れ激しいのかとか、なんで関係を結ぶのをそんなにもかたくなに避けるのかとか……
    中年の危機をしらない若者からしたらファンタジーですよ。読むのが15年早かった。

    過去に夜這いのようなかたちで誰かに抱かれたという園子、
    よく男に付け回され怯える伊子、
    そして自宅マンションの真上で殺人が起こったバーのママさん、
    ある日を境に女たちが杉尾を中心として…近づいてくるわけでなし、かといって遠のくわけでもなく、ある一定の距離を保ちながら少しずつ…すがっているようにも見え、誘惑するようにも見え。

    女たちはそれぞれに恐怖と妄想を抱いている。杉尾は次第にその恐怖や妄想に絡め取られていくような感じで、ありもしない記憶を思い出したり、

    でもってあの時園子と寝たのは誰だったか、
    よくわかりませーん!

    いわゆる長篇小説のような、3分の1読んだら読書スピードがあがる、ということもない。物語が動き出すといったこともなく、はじめから最後まで同じ温度である。かえってよく書けたな、とも思う。

  • 1315夜

  • つやっぽいね

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著者プロフィール

古井 由吉(ふるい・よしきち)
1937年東京生まれ。68年処女作「木曜日に」発表。71年「杳子」で芥川賞、80年『栖』で日本文学大賞、83年『槿』で谷崎潤一郎賞、87年「中山坂」で川端康成文学賞、90年『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。2012年『古井由吉自撰作品』(全八巻)を刊行。ほかに『われもまた天に』『書く、読む、生きる』『こんな日もある 競馬徒然草』など著書多数。2020年2月死去。

「2022年 『連れ連れに文学を語る 古井由吉対談集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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