槿 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 188
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983335

作品紹介・あらすじ

男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子。二十年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う国子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 杉尾いい男だなー
    女の妄想癖ほんとなんだろうね

  • 本日読了。

    重厚だがぬめぬめと蠢き
    仄暗くも鈍い光を放つ、
    男の、女の、記憶、妄念を、
    丹念に描きだす。
    薄霧、濡れ草のにおい、水の流れ、電話のベル、足音、
    そういった気配たちが、
    誰かの狂気をうつつ世に引き込む呼水としての、
    重要な役割を与えられている。

    500ページ超。
    読む持久力は必要かな・・。

  • あー……しんどかった……。
    こんなん中年じゃなきゃわからないでしょ!
    なんでそんなに物忘れ激しいのかとか、なんで関係を結ぶのをそんなにもかたくなに避けるのかとか……
    中年の危機をしらない若者からしたらファンタジーですよ。読むのが15年早かった。

    過去に夜這いのようなかたちで誰かに抱かれたという園子、
    よく男に付け回され怯える伊子、
    そして自宅マンションの真上で殺人が起こったバーのママさん、
    ある日を境に女たちが杉尾を中心として…近づいてくるわけでなし、かといって遠のくわけでもなく、ある一定の距離を保ちながら少しずつ…すがっているようにも見え、誘惑するようにも見え。

    女たちはそれぞれに恐怖と妄想を抱いている。杉尾は次第にその恐怖や妄想に絡め取られていくような感じで、ありもしない記憶を思い出したり、

    でもってあの時園子と寝たのは誰だったか、
    よくわかりませーん!

    いわゆる長篇小説のような、3分の1読んだら読書スピードがあがる、ということもない。物語が動き出すといったこともなく、はじめから最後まで同じ温度である。かえってよく書けたな、とも思う。

  • 1315夜

  • つやっぽいね

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著者プロフィール

ふるい・よしきち(1937・11・19~)小説家。東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。大学教員となりブロッホ、ムージル等を翻訳。文学同人誌「白描」に小説を発表。1970年、大学を退職。71年、「杳子」で芥川賞受賞。黒井千次、高井有一、坂上弘らと〈内向の世代〉と称される。77年、高井らと同人誌「文体」を創刊(80年、12号で終刊)。83年、『槿』で谷崎潤一郎賞、87年、「中山坂」で川端康成文学賞、90年、『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年、『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。その他の作品に『山躁賦』『野川』『辻』『白暗淵』『蜩の声』『雨の裾』『この道』等がある。

「2020年 『詩への小路 ドゥイノの悲歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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