戦後短篇小説再発見 11 (講談社文芸文庫)

制作 : 講談社文芸文庫 
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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983342

作品紹介・あらすじ

事件の底に澱む暗い情念-殺人、自殺、失踪、誘拐、虐待へと引き寄せられる人間心理の葛藤を凝視する十篇。

感想・レビュー・書評

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  •  頼子が高村泰雄との交際から結婚にすすむ時,兄からちょっと故障があった。兄の貞一は泰雄に二三回会って彼の人物を知っている。貞一の苦情というのは泰雄の人柄ではなく,泰雄の戸籍謄本を見てからのことだった。
     その戸籍面には,母死亡,同胞のないのはいいとして,その父が失踪宣告を記されて名前が除籍されていた。
    「これはどうしたのだ。頼子は高村君からこのことで何か聞いたかい?」
     滅多にないことだから,貞一が気にかけたのであろう。頼子の家では父が亡くなってからは万事この兄が中心になっている。三十五歳,ある出版社勤め,すでに子供がいる。
    (本文p.32 松本清張「火の記憶」)

    ※ひとこと※
    殺人,自殺,失踪,誘拐,虐待など。犯罪そのものより,犯罪を犯す人間の姿とその心理が書かれています。重い。

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著者プロフィール

円地文子(1905.10.2~1986.11.14)小説家、劇作家。東京生まれ。国語学者の家に生まれ、幼時より古典に親しむ。「ひもじい月日」で女流文学者賞。著書に『妖』『女坂』(野間文芸賞)『なまみこ物語』(女流文学賞)『朱を奪う者』(谷崎潤一郎賞)『遊魂』(日本文学大賞)『円地文子訳 源氏物語』(全10巻)がある。
佐多稲子(1904.6.1~1998.10.12)小説家。長崎県生まれ。26年、同人誌「驢馬」の同人(中野重治、窪川鶴次郎、堀辰雄など)と出会う。28年、「キャラメル工場から」を発表。プロレタリア作家として出発する。著書に『くれなゐ』『女の宿』(女流文学賞)『樹影』(野間文芸賞)『時に佇つ』(川端康成文学賞)『夏の栞-中野重治をおくる-』(毎日芸術賞)など。
宇野千代(1897.11.28~1996.6.10) 小説家。1921年、『時事新報』の懸賞小説に「脂粉の顔」が当選。36年、ファッション雑誌「スタイル」創刊。着物デザイナーなど実業家としても活躍。著書に『おはん』、『色ざんげ』、『或る一人の女の話』、『幸福』(女流文学賞)、『雨の音』(菊池寛賞)など。

「2014年 『個人全集月報集 円地文子文庫・円地文子全集 佐多稲子全集 宇野千代全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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