対談・人間と文学 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983403

作品紹介・あらすじ

近代文学を代表する評論家中村光夫と作家三島由紀夫が小説・戯曲・評論の各分野に亘り対談。「近代的自我について」「小説を書くということ」「文学者の死について」等をテーマに拮抗させ、はぎれのよい対話を展開、文学の魅力を縦横に語る。死へと傾斜してゆく三島を静かに予感させる話が随所に埋め込まれた興味深い対談集。

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  • 三島由紀夫
    中村光夫 対談 人間と文学 

    対談というより 文学論の激論。極論の三島由紀夫と現実的な中村光夫


    中村氏が対談の秩序を守り、この本の面白さを高めている〜極論すぎる三島氏を諭したり、そのまま続ければ 三島氏を論破できたのに 寸止めしたり。

    死について、三島氏は 中村氏の反論を一切受け付けなかった。三島氏は 死を 文学的テーマとして取り上げ、人を破滅させ 虚無に導く文学を評価している。死の2年前の対談だが、戦争での死や葉隠に見られる犬死を美しい死と賛美している


    三島氏の文学論、小説観、芸術観を明確にしている。三島氏が小説を通して伝えたかったのは、作家としての行動と 物語の中のリアリティだと思う。


    他の作家に対しては 辛辣な言葉が多い。谷崎潤一郎のエロティックと川端康成の作家としての生き方から見られる自我崩壊を評価している


    三島の文学論
    *虚構を精細に表すほど それが現実になっていく
    *自分がアウトローになる〜感覚において、はじめて権力を否定できる
    *文学者は 体験と作品と行動を言葉でつないでいる






  • 2009/
    2009/

    三島由紀夫文学館に行ったときにちょっと読んだ。すごく読みたい一冊。中村光男と奥田健男とを比較して読むとまたいい。

  • 三島と中村が交わした貴重な文学論・人間論である。主に三島の話を中心に語られるため、三島文学の本質を垣間見ることができる。

    例えば、日本独特の精神主義について語るところ。それは、肉体からでてくるのは情念であり思想ではないという考えであり、思想は近代的自我形成にかかわるもので社会変革にも当然、かかわるという考えである。

    それを逆にとれば、三島独自の考えをみてとることができる。つまり、肉体と思想の関連性、思想の純粋性である。思想における肉体=エロスへの注目はバタイユらによって指摘されているように、また思想を思想として論じることにおいても、三島は正しい。だが、三島はあの事件で思想を社会変革に従属させてしまったと云えなくはないか。三島が「作品に匹敵する現実のプレザンスがあればそれでもいい」と云っていることに対応すれば、戦後における現実性の希薄さが、彼をしてそうたらしめたのかもしれない。

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