ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)

著者 :
制作 : 内田 樹 
  • 講談社
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本棚登録 : 562
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983656

作品紹介・あらすじ

住所はなく、消印は「葛飾」、そして差し出し人の名前は、「すばらしい日本の戦争」…名作『さようなら、ギャングたち』に先立つこと一年、闘争、拘置所体験、その後の失語した肉体労働の十年が沸騰点に達し、本書は生まれた。「言葉・革命・セックス」を描きフットワーク抜群、現代文学を牽引する高橋源一郎のラジカル&リリカルな原質がきらめく幻のデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • こちらも約30年ぶりの再読。タイトルからしてインパクト大。だいたい『○○対○○』系のタイトルは、その組み合わせの時点でどれだけ笑いを取れるか・・・もとい、興味を引けるかが勝負だと思うので、これはもうタイトルだけで勝ってると思う。まあジョンレノンも火星人も作中にはそもそも出てこないし戦わないし万一戦ったらどっちが強いのかはわからないけれど。

    (余談ながらこの手のタイトルのあほらしさの最高峰は『エイリアンvsヴァネッサ・パラディ』だと思う。最近だと『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』というのを本屋で見かけてとても気になった・笑)

    一応ストーリーらしきものはあり、盗作常套三流ポルノグラフィー作家の主人公のもとへある日突然『すばらしい日本の戦争』と名乗る人物から猟奇的な死体の描写ばかりを書き綴ったハガキが毎日届くようになる。のみならず、実は殺人犯である彼は出所してきて、主人公と恋人「パパゲーノ」(※どっちも男)の暮らす部屋に押しかけ同居。ナンバーワントルコ嬢の「テータム・オニール」の協力で、彼らは『すばらしい日本の戦争』の頭に住みついた死体を追い出すべく治療を開始する。

    無理やりタイトルの意味を解題しようとするならば、望まれない闖入者=火星人=『すばらしい日本の戦争』、彼を愛でもって更生させようとする主人公たち=ジョン・レノン、というこじつけも可能だし、解説を参考にするならば、暴力VS愛、というシンプルな意味にも解釈できる。まあ深読みせずとも面白いものは面白い。

    若い頃より今のほうが自分の知識が増えているので、単純に実在の人名などだけでも、理解できる部分が増えてより楽しめた気がする。元ネタを知らないと笑えないという意味では、髙橋源一郎実は衒学的な作家なのかもしれない。

  • さよならギャングの高橋源一郎の作品。ひさびさに触れたが文節では理解できるがトータルでは実験小説のよう。奇しくもビートルズのレボルーションNo.9のような小説。

  • 面白い。とても面白い。たまには脳の別の部分で読書したくなるときは特にお薦め。
    あらすじを求める作品ではない。

  • これもある意味不条理文学なのか。誰一人まともな登場人物がいない。その一人一人の個性がとても楽しい。特に好きなのは素晴らしい日本の戦争

  • 突発性小林秀雄地獄…ww

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=329778

  • 「性の深淵について君と語り合いたいのだが」
    「ええ。七十分で二万円頂くことになっているわ」
    「もちろん、語り合うだけではすまないかも知れない。それが深淵の深淵たるゆえんなのだが」
    「その場合には三万円頂きます」

    『「ねえ、ヘンゼル」
    グレーテルはお兄ちゃんのベンゼンの躰の上に乗っかって、フェラチオをしながら言いました。』

    『わたしのママは日本で一番古い私立女子校フェリス女学院を戦争中に卒業し、現在は「エホバの証人」のパンフレット販売人、つまり、例の「魂のヤクルトおばさん」なのだ。』

    『わたしたちの手の中で勃起した陰茎は、志村けんがずっこけ、わたしたちが吹きだす度にしぼんでしまうのだ。おそらく性交中の人間の表情が苦痛に充ちているのは性欲を減衰させないための生物学的配慮なのだろう。』

    『おれは思うんだよ、あらゆる獣は翼手竜の末裔なんだ。それは進化じゃなかったんだ、これが大切なところなんだ。
    羽根は退化して手になっちゃったのさ。
    哺乳類は飛ぶことを忘れて四つ足になっちゃったんだが例外が二匹だけいた。
    カンガルーと人間がそうだ。』

    『親愛なるエホバ様、
    「義」が「性交」でないのは確かなようです。
    報告、おわり。
    追伸、わたしはあなたがきらいです。』

  •  面白かった。
     面白かったのだが、大きな声で「面白かった」とは叫べない。
     なぜなら「何が書かれているのか」が理解できなかったからだ。
     遠慮がちに「面白かった」とつぶやく程度が関の山なのだ。
     たくさんの暴力にたくさんの死躰(死体ではない)で溢れている作品であり、たくさんの肉体的苦痛にたくさんの精神的苦痛に溢れている作品である。
     そして、たまらなく悲しい作品である。
     全共闘世代の人が読んだら、もっと理解できるのかもしれない。
     まぁ、理解できなくても、感じることはできる。
     だから「面白かった」とつぶやいても、許してもらえると思う。

  • 途中で挫折。
    なぞポルノ。

  • 大好きな著者なのに、これはダメだった。途中で挫折。

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著者プロフィール

1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞優秀作を受賞しデビュー。『優雅で感傷的な日本野球』で三島賞、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎賞を受賞。

「2018年 『作家と楽しむ古典 土左日記 堤中納言物語 枕草子 方丈記 徒然草』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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