福田恆存文芸論集 (講談社文芸文庫)

著者 :
制作 : 坪内 祐三 
  • 講談社
3.25
  • (1)
  • (0)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 32
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983687

作品紹介・あらすじ

日本近代の特殊性を反映した文学の諸潮流-私小説、左翼文学、さらには風俗小説等-が内包した歪みに対し、鋭い批判を展開した福田恒存。透徹した論理と卓抜なレトリックをもったその批評は、文学史の徹底した見直しを迫ってくる。戦前作から文壇文学を離脱するまでの代表的文芸批評十八篇を収録。昭和の論客・福田恒存の批評精神あふれる鮮やかな軌跡がいま甦る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本の保守を代表する論客と紹介さているのを、先日WEBで読んだことから、どれひとつ読んでみようとアマゾンで注文。
    なぜか知らないが、文芸論集を購入していた。
    読んでみるとまさに文学評論。評論家として頭に浮かぶは小林秀雄だが、作者は小林秀雄が後継者として指名してた人物だった。
    決して難しい言い回しではない、むしろ平易な文章だが、一言一言が作者の戦いであり、また読み手である私に挑んでくるような文章である。
    安易に読み進めては、やけどする。中身がわからなくなることしばしば。読書格闘技だ。
    作者は批評家・評論家であることの極限までの厳しい自己規律をもって自らの考えを書き綴っているのだ。おそるべし。
    そうした姿勢はまだまだ足元にも及ばない。大いに反省しなければならない。
    なんとか読み進めると文芸から政治へとやや範囲がひろがりを見せるが、本書は文芸論集だけに政治的テーマを入れていない。
    きっと、政治的なテーマを読めば、戦中戦後、そして高度成長期へ進んだ日本の論調を知る手がかりになるのだろう。

  • 屹立した個であるためには、知力と精神力のどちらをも欠かせないことを痛感させられる一冊。とにかくフェアで潔い。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

評論家,劇作家,演出家。東京大学英文科卒業。 1936年から同人誌『作家精神』に,横光利一,芥川龍之介に関する評論を発表。第2次世界大戦後すぐに文芸評論家として活動を始め,やがて批評対象を文化・社会分野全般へと広げた。劇作は 48年の『最後の切札』に次いで 50年『キティ颱風』を発表,文学座で初演され,以後文芸部に籍をおいた。 52年『竜を撫でた男』で読売文学賞受賞。 63年芥川比呂志らと文学座を脱退,現代演劇協会,劇団雲を結成して指導者となる。 70年『総統いまだ死せず』で日本文学大賞受賞。シェークスピアの翻訳・演出でも知られ,個人全訳『シェイクスピア全集』 (15巻,1959~67,補4巻,71~86) がある。著書はほかに『人間・この劇的なるもの』 (55~56) など。 81年日本芸術院会員。

「2020年 『私の人間論 福田恆存覚書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

福田恆存の作品

ツイートする
×