- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061983687
作品紹介・あらすじ
日本近代の特殊性を反映した文学の諸潮流-私小説、左翼文学、さらには風俗小説等-が内包した歪みに対し、鋭い批判を展開した福田恒存。透徹した論理と卓抜なレトリックをもったその批評は、文学史の徹底した見直しを迫ってくる。戦前作から文壇文学を離脱するまでの代表的文芸批評十八篇を収録。昭和の論客・福田恒存の批評精神あふれる鮮やかな軌跡がいま甦る。
感想・レビュー・書評
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日本の保守を代表する論客と紹介さているのを、先日WEBで読んだことから、どれひとつ読んでみようとアマゾンで注文。
なぜか知らないが、文芸論集を購入していた。
読んでみるとまさに文学評論。評論家として頭に浮かぶは小林秀雄だが、作者は小林秀雄が後継者として指名してた人物だった。
決して難しい言い回しではない、むしろ平易な文章だが、一言一言が作者の戦いであり、また読み手である私に挑んでくるような文章である。
安易に読み進めては、やけどする。中身がわからなくなることしばしば。読書格闘技だ。
作者は批評家・評論家であることの極限までの厳しい自己規律をもって自らの考えを書き綴っているのだ。おそるべし。
そうした姿勢はまだまだ足元にも及ばない。大いに反省しなければならない。
なんとか読み進めると文芸から政治へとやや範囲がひろがりを見せるが、本書は文芸論集だけに政治的テーマを入れていない。
きっと、政治的なテーマを読めば、戦中戦後、そして高度成長期へ進んだ日本の論調を知る手がかりになるのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
屹立した個であるためには、知力と精神力のどちらをも欠かせないことを痛感させられる一冊。とにかくフェアで潔い。
著者プロフィール
福田恆存の作品





