妣たちの国 (講談社文芸文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061983779

作品紹介・あらすじ

「苦海浄土」三部作を完結させた石牟礼道子の、詩と散文による《魂の文学》60年の軌跡!

不治疾のゆふやけ抱けば母たちの海ねむることなくしづけし天草に生まれ不知火海に抱かれて生い立つ。実直な生活を歌う病弱な詩人は、近代の業苦と言うべき水俣の悲劇に遭い、声を奪われた人たち、動物植物等あらゆる生類、山河にざわめく祖霊と交感、怒りと祈りと幻想に満ちた「独創的な巫女文学」(鶴見和子)を結晶させる。60年に亘る石牟礼道子の軌跡を、短歌・詩・随筆で辿る精選集。

感想・レビュー・書評

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  • やはりこの度も、女史の世界に惹きこまれてしまいました。彼岸と此岸、夢と現のあいだをゆったりと揺蕩う様がなんとも不思議な気持ちにさせられます。ところで、見る夢すべてが天然色だと仰る女史には、水銀に毒された不知火海はどのような色で夢に現れたのでしょうか。そして、ときどき触れられる水俣のことや狂女であった祖母のはなしが切ないのです。だから、きっと私は『苦海浄土』を繰り返し読むのでしょう。

  • ほんの少し考えてみてもわたしどもは、無目的のように振る舞うものたちに、哀しみの部分を受け持たせ、捨てさって来たようにおもいます。


    感性の源のようなものが確かにくずれてきている。

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著者プロフィール

1927年、熊本県天草郡(現天草市)生まれ。
1969年、『苦海浄土―わが水俣病』(講談社)の刊行により注目される。
1973年、季刊誌「暗河」を渡辺京二、松浦豊敏らと創刊。マグサイサイ賞受賞。
1993年、『十六夜橋』(径書房)で紫式部賞受賞。
1996年、第一回水俣・東京展で、緒方正人が回航した打瀬船日月丸を舞台とした「出魂儀」が感動を呼んだ。
2001年、朝日賞受賞。2003年、『はにかみの国 石牟礼道子全詩集』(石風社)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2014年、『石牟礼道子全集』全十七巻・別巻一(藤原書店)が完結。2018年二月、死去。

「2023年 『新装版 ヤポネシアの海辺から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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