長春五馬路 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 29
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061984370

作品紹介・あらすじ

長春で敗戦を迎えた木川正介は、毎日五馬路に出掛ける。知り合いの朝鮮人の配下となり、大道ボロ屋を開業して生きのびている。飄々として掴みどころなく生きながら、強靭な怒りにささえられた庶民の反骨の心情は揺るがない。深い悲しみも恨みもすべて日常の底に沈めて、さりげなく悠然と生きる。想像を絶する圧倒的現実を形象化した木山文学の真骨頂。著者最後の傑作中篇小説。

感想・レビュー・書評

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  • 木山捷平の小説は色んな意味でしょうもない。
    それは日常生活をリアルに感じさせるからだと思う。
    日常生活は基本的にはしょうもない。
    充実した日常生活を送っている人間はおそらく小説などまあ読まなくてもいいのだ。
    だからしょうもない日常を過ごす自分にとってはしょうもない小説を読むことで平衡感覚を養わなければならないのだ。

    短編が多い木山小説にしては珍しくこの作品は中編となっている。
    満州でボロ屋(よく言えば古着屋)をやって生計を立てていた時代の私小説。
    中編だからと言ってテイストが変わっているわけでもなく、淡々とし綴られている。
    ただ最後まで読むと単にヤリ自慢したかっただけではなかろうかと感想を持った。
    まあちょいちょいヤリ自慢めいたエピソードを挿める作家ではあるのだけど。

  • これは傑作。マイベストオブ木山捷平

  • 長春で敗戦を迎えた木川正介は、毎日五馬路に出掛ける。知り合いの朝鮮人の配下となり、大道ボロ屋を開業して生きのびている。飄々として掴みどころなく生きながら、強靱な怒りに支えられた庶民の反骨の心情は揺るがない。深い悲しみも恨みもすべて日常の底に沈めて、さりげなく悠然と生きる。想像を絶する圧倒的現実を形象化した木山文学真骨頂。著者最後の傑作中篇小説。

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著者プロフィール

木山捷平(1904.3.26~1968.8.23) 小説家。岡山県生まれ。1929年、詩集『野』を自費出版。33年、太宰治等と「海豹」創刊。34年、「青い花」同人。39年、最初の作品集『抑制の日』を刊行。44年、満州国農地開発公社嘱託として長春に赴き、45年8月、現地で応召。敗戦後長春で難民となる。この間の経緯は『耳学問』『大陸の細道』(芸術選奨)『長春五馬路』等に書かれる。96年、木山捷平文学賞創設。著書は他に『苦いお茶』『茶の木』『去年今年』『木山捷平全集』全8巻(講談社)など。

「2016年 『酔いざめ日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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