愛撫・静物 庄野潤三初期作品集 (講談社文芸文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061984837

作品紹介・あらすじ

妻の小さな過去の秘密を執拗に問い質す夫と、夫の影の如き存在になってしまった自分を心許なく思う妻。結婚三年目の若い夫婦の心理の翳りを瑞々しく鮮烈に描いた「愛撫」。幼い子供達との牧歌的な生活のディテールを繊細な手付きで切り取りつつ、人生の光陰を一幅の絵に定着させた「静物」。実質的な文壇へのデビュー作「愛撫」から、出世作「静物」まで、庄野文学の静かなる成熟の道程を明かす秀作七篇。

感想・レビュー・書評

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  • 島田潤一郎「古くて新しい仕事」を読んだら、なにか庄野潤三を一冊読んでみたくなり。短編集の中から、結婚生活も人生も光り輝く素晴らしい世界では決してないと思い始めてきた妻が語る「愛撫」。妻を亡くした夫が子供たちと何気ない日常に自分の父や妻の思い出にかられながら対話を重ねていく「静物」。このふたつだけ読了。何気なく見える会話の積み重ねの先にぼんやりと見えるものを味わい。

  • 「愛撫」はああいう嫉妬もあるんだと思った

  • 晩年の作品に慣れ親しんでいたので、同じ作者かと戸惑う。ページが進むにつれ、ようやく後のシリーズに通じるものを感じた。

  • 庄野潤三さんの短編集。大きな物語のなかの一部をきりとったような作品が多いと感じた。
    有名な作品「静物」は、ある家族の生活の一ページをきりとってつなげたような作品。とりたててめずらしいことが起こるわけではないが、全体を通して、登場人物たちの人物像がくっきりとうかびあがってくるような印象。

  • 最近の著作も好きですが、初期の創作は良かった。また、こういうのも書いてほしいけど、もうお歳かな。

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著者プロフィール

(しょうの・じゅんぞう)
1921年(大正10)大阪府生まれ。九州大学東洋史学科卒業。1955年(昭和30)『プールサイド小景』により芥川賞受賞。61年(昭和36)『静物』により新潮社文学賞受賞。65年(昭和40)『夕べの雲』により読売文学賞受賞。日本芸術院会員。2009年歿。

「2022年 『小沼丹 小さな手袋/珈琲挽き【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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