ザ・ダルマ・バムズ (講談社文芸文庫)

制作 : 中井 義幸 
  • 講談社
4.26
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本棚登録 : 63
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (497ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061984899

作品紹介・あらすじ

一九五〇年代のアメリカに擡頭した"ビート・ジェネレーション"の旗手ジャック・ケルアックとゲリー・スナイダー。二人を投影したレイ・スミスとジェフィ・ライダーの出会い、友情、禅的至福を求めた精神的放浪、そして離別までを描いた自伝的青春物語。「あらゆる個性が失われ、あらゆる驚異が死んでしまったこの現代社会を離れて、文明の源流に溯り、その暗黒の奥底にひそむ神秘を探り出さんがために」元祖ヒッピー達が行く。

感想・レビュー・書評

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  • オンザロードよりも興味深い。

  • オンザロードの弾丸男ディーンと好対照をなすジェフィ、彼の包み込むような不思議な雰囲気がこの小説に満ちていて、酔っ払いみたいなお喋りも(初読ではわかりづらいかもしれませんが)軽やかで味がある。
    それにつけても圧巻なのは山に登るシーンの美しさ。体験したような感覚になれるし、山に登りたくなる。

    ちなみにタイトルどおり仏教思想のようなものも出てくるが、かなり適当らしいので、詩人的ライフスタイルのひとつとして読みましょう。
    蛇足、「荒涼天使たち」はオンザロード、ダルマバムズと時系列的には続編だが、全二作のようにヒーローに焦点を当てているわけではないので、ケルアック節に惚れ込んだ人向け。

  • ファッションとしての仏教・オリエンタリズムというのは確実に僕ら日本人の中にあると思う。
    その感覚をビートニク世代のアメリカ作家も抱えており、共有していたというのは面白い。
    というのもビートニクはファッションとしての文学という側面がどこかにあるからだ。
    この作品はケルアックとゲーリー・スナイダーなる人物の友情物語なのだが、このゲーリー・スナイダーに関して全く知らなかった。
    彼は10数年日本に滞在しながら禅を学び、宮沢賢治の詩の翻訳をし、その後は『亀の島』という詩集でかのピューリッツァー賞を受賞しているそうだ。
    こんな奇人が登場する話が面白くないわけがない。
    特に1~2章はかなり物語にのめり込んだ。
    その後多少のトーンダウンするのだけど、禅思想を強く反映したストーリーは読んでいて飽きなかった。
    ファッションなんだけど精神的にダルマ・バム(仏法的浮浪者)でありたい。
    手始めに登山始めたいと思った。
    そして空を飛ぶように下山する。

    因みにゲーリー・スナイダーの詩集『亀の島』を図書館で手に取ったが正直自分には全く理解できそうにもない範疇のものだった。

  • 今日の通勤の行き帰り+家で30分程度であらかた読んでしまった。

    それほどに一気読み。大変面白かった。

    ケルアックの本によくある様に、
    ・前触れ無く、すごい勢いで登場人物が出てくる。
    ・情景と思考の記述がシームレス過ぎる。
    …という読みにくポイントもありつつ、
    (「地下街の人びと」(新潮文庫)は読みにくかった。)
    補って余りある、大変瑞々しい青春小説。個人的には「路上」より面白かった。
    自由って素晴らしい。

    仏教に傾倒するアメリカ人の出会いと別れ。
    これまたスゲエ設定だなと思っていたら、
    なんと自伝的小説ということで、ケルアックもスナイダーも、
    ガチで「ダルマ・バム」だったのだそう。

    50年代アメリカ。いい時代だったんだなあ。
    自由な発想。自由な空気のもと暮らした彼らが、ある種羨ましい。

    スナイダーの作品も追いかけてみたくなってきた。

    ===
    これは蛇足なのだが、こんな本を出版してくれていることは、
    それも文庫で読めることは講談社に感謝してもしきれない。
    が、1,900円。文庫に1,900円。

    …そんなに売れねえのかなあ。

    同じ作者の作品を、河出書房や新潮社は手に入りやすい価格で
    文庫化してくれているのに。講談社…。
    「ザ・ダルマ・バムズ」は日本の読者にこそ読まれるべき米文学だと思うのに。

  • 路上より面白い。ビートの連中が東洋の神秘主義に憧れて、木の下で瞑想したり、禅問答したり登山したりする話です。雰囲気がいい。

  • 高校時代は路上を何度も読み、こちらは大学に入ってから友人に借りて読んで、路上よりも面白いのでは?と、再度自分で買い直しました。
    その後、禅に興味が出て、禅関係の書籍も買う事になりました。

  • 邦題 禅ヒッピー
    内容(「BOOK」データベースより)
    一九五〇年代のアメリカに擡頭した“ビート・ジェネレーション”の旗手ジャック・ケルアックとゲリー・スナイダー。二人を投影したレイ・スミスとジェフィ・ライダーの出会い、友情、禅的至福を求めた精神的放浪、そして離別までを描いた自伝的青春物語。「あらゆる個性が失われ、あらゆる驚異が死んでしまったこの現代社会を離れて、文明の源流に溯り、その暗黒の奥底にひそむ神秘を探り出さんがために」元祖ヒッピー達が行く。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    ケルアック,ジャック
    1922・3・12~69・10・21。アメリカの作家。マサチューセッツ州ロウエル生まれ。コロンビア大学中退。第二次世界大戦後、アメリカ全土を放浪する。物質文明を否定し、個性や人間性を回復しようとする“ビート・ジェネレーション”の運動にかかわり、スナイダーやギンスバーグらと知り合う。1957年『オン・ザ・ロード』を発表し、一躍文壇の寵児となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 2008/9/11読了
    on the roadよりも小説としての完成度は高いのではないか。

  • ケルアックは常に自分の体験を惜しげもなく書き下ろし、ニクソン政権の型にはまった生活からはずれたアウトサイドの人々を描きつづけてきた。それは、「地下街の人々」に限った話ではなく開拓時代のアメリカを想起させる鉄道員であったり、ロガーであり、良心を持った人々の姿だった。

    ケルアック自身の人生は、家でテレビを見て、パッケージ化された生活を理想的指標として生きる人々へのアンチテーゼにも見える。自分自身で体験し、自分の頭で考え、何が大切なのか常に考えるゆとり、自由さをひしひしと感じる。

    ケルアック達ビートニクは、常に自ら体験する事により、自身の生活スタイル、生きる事の意味を探し続けていた。「ダルマ・バムス」は、仏法に自身の生き方を見出したレイ・スミス(ケルアック)と禅に没頭し、深い仏教の知識を持ったジェフィ・ライダー(ゲイリー・スナイダー)が出会い、ライダーの導きにより山を登る魅力、そして自然の中で自らをコントロールするすべを体験的に学んでいく。

    といってもがちがちに硬い内容ではなく、ケルアックとその周辺の仲間との交流といった側面が強く、登場人物1人、1人のユニークさ、いいかげんさ、やさしさやはじけっぷりがかなり細やかに描写されたレイとジェフィの友情ドラマという側面もある。場面描写に文章を割きすぎた「路上」に比べ読みやすく、かなり文体が洗練された感がある。

    ビートの中でも一番人気が高いであろうケルアック。
    バロウズの様な特異さはないが、彼の感受性やいたわりは人々に共感を呼び続ける。素晴らしい生活とは何か求め続けたケルアックに人間らしさを見出すからだと思う。

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著者プロフィール

1922年マサチューセッツ生まれ。大学中退後、アメリカ大陸を縦横無尽に車で移動する旅を始める。著書に不滅の青春のバイブル『オン・ザ・ロード』や、『地下街の人びと』など。

「2013年 『トリステッサ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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