銀河鉄道の夜

著者 :
  • 講談社
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (43ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062003957

作品紹介・あらすじ

あの名作『銀河鉄道の夜』が、影絵に!
少年ジョバンニは、親友カンパネルラに誘われて《銀河のお祭り》へ。偶然、銀河鉄道に乗ることになった少年たちの行方は、運命は? 名作が美しい影絵に!

感想・レビュー・書評

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  • 恥ずかしなら銀河鉄道の夜、初めて読んだ。
    こんな話だったんだ。
    胸がギュッと掴まれて、切なくて悲しくて。

  • 宮沢賢治の作品が横書きになり、旧かなづかいが無くなって読みやすい。
    そこに、藤城清治さんの影絵が見事に共鳴している。
    子供の頃、この影絵の世界にどれほど憧れたことだろう。
    大人になってもそれは変わることはなく、何度も何度も
    繰り返しすべての場面を見つめては、その美しさに
    ため息が漏れる。

    主人公ジョバンニの抱える孤独と悲しみ、理想へと突き進む無垢な心と憧れ。
    それらが銀河鉄道から見える世界の反映となっている。
    でも、なぜその鉄道で銀河を旅するのかは、明らかにされていない。
    終盤になり、親友カンパネルラの死を知ることで、読み手ははじめてそれとなく察知する。
    ああ、あれは「死」への旅だったのか・・
    しかもカンパネルラは、日ごろ虐めっ子の側だったザネリのために、命を投げ出したのだ。
    ここに、とてつもない意味がある。

    夢の旅の中であれほどふたりで「こんな風に生きよう」と
    誓い合ったのに、目覚めたらその友は亡くなっている。
    そのラストの切なさに、子どもの頃読んだ時は号泣したはずだが、再読すると静かな幸福感に包まれる。
    こんな「生涯の宝物のような」旅は、誰にでも出来るものではないからだ。
    友情と、生と死、永遠とは何か、幸福とは?
    ひたすら高い精神性に、ただもう圧倒される。

    奥付を見ると、初版は1982年となっている。
    今から34年も前にこの作品は世に出ていたことになる。
    何十年経ても変わらない輝きを保ち続けるものが、良書ということなのだろう。

    ひとつだけ注意点を。これは原文に藤城清治さんが手を加えている。
    原作のエッセンスはもちろん損なわれていないが、
    出来れば原文の方もお読みあれ。

    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      すごいです!
      私の頭の中のグチャグチャしたものがスッキリした気がします。
      この作品というか宮沢賢治さんの...
      こんにちは(^-^)/

      すごいです!
      私の頭の中のグチャグチャしたものがスッキリした気がします。
      この作品というか宮沢賢治さんの作品は何を意味しているのかわからないことが多くていつも迷います。
      それはそれで楽しいのですが(笑)

      藤城清治さんの影絵素敵ですよね。
      私も何冊か画集を見ました。
      でも、藤城清治さんが手を加えているというのが気になります。
      いつかこの本を借りて確かめてみたいです。
      私は清川あさみさんの絵本で銀河鉄道の夜を読みました。
      キラキラして綺麗でした。

      絵本は夢があるものがいいですよね〜♪
      2016/07/22
    • nejidonさん
      けいたんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      このレビューで、頭の中でまとまってきたなら良かったです。
      私も、後でまた書...
      けいたんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      このレビューで、頭の中でまとまってきたなら良かったです。
      私も、後でまた書き換えるかもしれません。
      何度も読んで、読むたびに発見があります。
      宮沢賢治さんの作品は(特にこれは)奥が深いですよね。

      ああ、清川あさみさんですか!!あの方の作品も美しいですね。
      まるで映像の世界のようで。
      藤城清治さんは、原文を変えてしまっているわけではありませんのでご安心を。
      ところどころ省いているところがあり、また分かりやすくしてあるだけです。

      はい、私も夢のある作品が大好きです。
      「私ってこんな風に書けるのよ!」って辛辣な表現をする作家さんは苦手です。
      そういう人って、イジワルな気がします(笑)




      2016/07/23
  • 銀河鉄道の夜の絵本は、いっぱいありますが、
    藤城清治さんの影絵は、いちばんぴったりのような気がします^ ^

  • 大人になって読み返したら涙が止まりませんでした。

  • 私には宮沢賢治の見た世界を見ることができないけれど、藤城さんの目を通して宮沢賢治の世界を想像することができる。この世界を愛おしいと感じている人がつくる影絵は、銀河の果ての瞬きを私のもとにも届けてくれているように思う。
    この本を開くと藤城さんの展覧会へ訪れた日のことが思い出される。私はその前日に精神的に落ち込むことがあって、そんな気持ちを引きずったまま作品と向き合った。でも作品を一つ観終わるごとに、私の胸には蝋燭へちいさな灯りがともされるみたいに、色とりどりの光の花が咲いてくるのがわかった。最後の展示室へ足を運ぶころには涙が頬をつたっていた。
    《2013.09.30》

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00288199

    少年ジョバンニは、親友カンパネルラに誘われて《銀河のお祭り》へ。偶然、銀河鉄道に乗ることになった少年たちの行方は、運命は?(出版社HPより)

  • 賢治の原作に清治が影絵と文を創る。
    さまざまな宙の色。

  • 4歳。
    多分、まだ内容はほとんど分かっていないけれど何故か度々読んでと頼まれる本。
    途中で、分からないんじゃない?他の本にする?と聞いても、読んでと言われる。
    お父さんがいつ帰ってくるのか、というのが気になってる様子。

  • 悲しくて切ないけど、カンパネルラのように皆のために本当の幸せを探しに行くよ。幸せて自分のためにあると思ってたけど自分以外のために誰かに言葉や行動をすることで結果、それは自分の幸せになるんだよなー。幸せて複雑で幸せの概念もさまざまだよなー。はー幸せとは…なんぞえ?

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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