銀河鉄道の夜

著者 :
制作 : 藤城 清治 
  • 講談社
3.99
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本棚登録 : 389
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (43ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062003957

感想・レビュー・書評

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  • 宮沢賢治の作品が横書きになり、旧かなづかいが無くなって読みやすい。
    そこに、藤城清治さんの影絵が見事に共鳴している。
    子供の頃、この影絵の世界にどれほど憧れたことだろう。
    大人になってもそれは変わることはなく、何度も何度も繰り返しすべての
    場面を見つめては、その美しさにため息が漏れる。

    主人公ジョバンニの抱える孤独と悲しみ、理想へと突き進む無垢な心と憧れ。
    それらが銀河鉄道から見える世界の反映となっている。
    でも、なぜその鉄道で銀河を旅するのかは、明らかにされていない。
    終盤になり、親友カンパネルラの死を知ることで、読み手ははじめてそれとなく察知する。
    ああ、あれは「死」への旅だったのか・・
    しかもカンパネルラは、日ごろ虐めっ子の側だったザネリのために、命を投げ出したのだ。
    ここに、とてつもない意味がある。

    夢の旅の中であれほどふたりで「こんな風に生きよう」と誓い合ったのに、目覚めたら
    その友は亡くなっている。
    そのラストの切なさに、子どもの頃読んだ時は号泣したはずなのに、今再び読むと静かな幸福感に包まれる。
    こんな「生涯の宝物のような」旅は、誰にでも出来るものではないからだ。
    友情と、生と死、永遠とは何か、幸福とは?ひたすら高い精神性に、ただもう圧倒される。

    奥付を見ると、初版は1982年となっている。
    今から34年も前にこの作品は世に出ていたことになる。
    何十年経ても変わらない輝きを保ち続けるものが、良書ということなのだろう。

    ひとつだけ注意点を。これは原文に藤城清治さんが手を加えている。
    原作のエッセンスはもちろん損なわれていないが、出来れば原文の方もお読みあれ。

    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      すごいです!
      私の頭の中のグチャグチャしたものがスッキリした気がします。
      この作品というか宮沢賢治さんの...
      こんにちは(^-^)/

      すごいです!
      私の頭の中のグチャグチャしたものがスッキリした気がします。
      この作品というか宮沢賢治さんの作品は何を意味しているのかわからないことが多くていつも迷います。
      それはそれで楽しいのですが(笑)

      藤城清治さんの影絵素敵ですよね。
      私も何冊か画集を見ました。
      でも、藤城清治さんが手を加えているというのが気になります。
      いつかこの本を借りて確かめてみたいです。
      私は清川あさみさんの絵本で銀河鉄道の夜を読みました。
      キラキラして綺麗でした。

      絵本は夢があるものがいいですよね〜♪
      2016/07/22
    • nejidonさん
      けいたんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      このレビューで、頭の中でまとまってきたなら良かったです。
      私も、後でまた書...
      けいたんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      このレビューで、頭の中でまとまってきたなら良かったです。
      私も、後でまた書き換えるかもしれません。
      何度も読んで、読むたびに発見があります。
      宮沢賢治さんの作品は(特にこれは)奥が深いですよね。

      ああ、清川あさみさんですか!!あの方の作品も美しいですね。
      まるで映像の世界のようで。
      藤城清治さんは、原文を変えてしまっているわけではありませんのでご安心を。
      ところどころ省いているところがあり、また分かりやすくしてあるだけです。

      はい、私も夢のある作品が大好きです。
      「私ってこんな風に書けるのよ!」って辛辣な表現をする作家さんは苦手です。
      そういう人って、イジワルな気がします(笑)




      2016/07/23
  • 「銀河鉄道の父」を読んでから「銀河鉄道の夜」を初めて読んでみました。幻想的な世界観が藤城清治さんの影絵で表現されています。ジョバンニをはやしたザネリを助けて、カンパネルラは鉄道に乗ってやってきた。きっと行ってしまう前にジョバンニを励ましてくれたのだと思う。カンパネルラにとってのジョバンニも同様に。

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    Box 1

  • 大人になって読み返したら涙が止まりませんでした。

  • 藤城清治さんの展覧会を観に行って記念に買って帰った一冊

  • 人の為に命を捧げる事ができるか❓

  • 美しい。幻想的な世界観は、童話を超越し、思考的非現実の世界へ誘う。

    この世界を思い描く宮沢賢治の想像力にはただただ驚嘆させられるが、人間の本質に関わる哲学的要素も多分に含まれている。例えば鉄道のなかでジョバンニが女の子と楽しそうにはしゃぐカンパネルラに嫉妬する姿は、いじらしいとともに人間心理の蘞味も巧みに描き出している。

    そして、最後でカンパルネラの死を想起させられたときに気付くのだが、「銀河鉄道」は死者を運ぶ列車であり、宮沢賢治の宗教観を感じさせる。

    宮沢賢治の作品は表面上持つ性質から童話として教科書に取り上げられることが多いが、むしろ大人になったが味わい深く楽しめるかもしれない。

  • 私には宮沢賢治の見た世界を見ることができないけれど、藤城さんの目を通して宮沢賢治の世界を想像することができる。この世界を愛おしいと感じている人がつくる影絵は、銀河の果ての瞬きを私のもとにも届けてくれているように思う。
    この本を開くと藤城さんの展覧会へ訪れた日のことが思い出される。私はその前日に精神的に落ち込むことがあって、そんな気持ちを引きずったまま作品と向き合った。でも作品を一つ観終わるごとに、私の胸には蝋燭へちいさな灯りがともされるみたいに、色とりどりの光の花が咲いてくるのがわかった。最後の展示室へ足を運ぶころには涙が頬をつたっていた。
    《2013.09.30》

  • 幻想的な「銀河鉄道の夜」にとても合う藤城清治さんの影絵が美しく、読者の想像力をふくらませてくれます。いつまでも、一緒に旅することが出来ると思っていた友との突然の別れ、何とも言えない悲しさと切なさを感じさせられます。幸せとは何か考えさせられる絵本です。

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著者プロフィール

1896年、岩手県花巻生れ。盛岡高等農林学校卒。富商の長男。日蓮宗徒。1921年から5年間、花巻農学校教諭。中 学時代からの山野跋渉が、彼の文学の礎となった。教え子との交流を通じ岩手県農民の現実を知り、羅須地人協会を設立、農業技術指導、レコードコンサートの 開催など、農民の生活向上をめざし粉骨砕身するが、理想かなわぬまま過労で肺結核が悪化、最後の5年は病床で、作品の創作や改稿を行った。1933年没。

「2019年 『風の又三郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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