- Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062033633
作品紹介・あらすじ
ある朝目が覚めて、ふと耳を澄ませると、何処か遠くから太鼓の音が聞こえてきたのだ。ずっと遠くの場所から、ずっと遠くの時間から、その太鼓の音は響いてきた。とても微かに。そしてその音を聞いているうちに、僕はどうしても長い旅に出たくなったのだ。書下ろし長篇エッセイ。
感想・レビュー・書評
-
何遍読んだかわからない大のお気に入り。「ラオスにいったい何があるというんですか」を読んだら無性に読み返したくなり、久々に通読。やっぱりいい。好きだなあ。
「村上朝日堂」シリーズも大好きなのだが、あの軽さとは違い、結構暗く内省的な独白も登場する。そこに著者の若さを感じる。「人気作家となりつつある自分」とうまく折り合いをつけられない葛藤が、全編を通じて見え隠れしている。読む側も知らず知らずそこに気持ちを寄りそわせてしまう、そういう書き方ができるのが村上春樹のすごさなんだろう。
今回読み返して気づいたのは、いくつかの国や街について自分が抱いているイメージは、いまだにこの本が出所なのだということだ。ローマはやかましく泥棒だらけ、パレルモやシシリーは醜悪な街だけど食べものはおいしい、ギリシャ人は夏の間我慢して働き年金暮らしを楽しみにしているなどなど。特に「真面目な」日本人からすると、どうなのこの人たちは?というイタリア人についての描写が読ませる。イタリア車と同じく「当てにはできないけど魅力的」なのだよね。
ヘルシンキのコンサートホールで、ガラス窓の外に広がる湖(あるいは入り江)を眺めている場面など、なんでもないところだが忘れがたい。
「白鳥が湖面を横切り、紅葉した森に夕暮れの細い雨が音もなく降りつづける」まさに「シベリウスのメロディが聞こえてきそう」だ。この本を読んでから、「北欧」と聞くと必ずここを思い浮かべてしまう。
一箇所だけ、これほんと?ここだけは村上さんの作り話にかつがれてるんじゃないの?とかねてから疑っているところがある。メータ村のくだりだ。たった200メートル離れた村同士で、歩き方も世界観も違う?まさかあ。小さな村で「地図にも載ってない」というのが怪しいなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ノーベル文学賞発表を待ちながら再読。
もしも村上春樹が受賞したら嬉しいけど複雑。きっとうんざりな出来事が巻き起こる。
でも世界のどこかできっとヴァンゲリスが喜ぶだろう。
ヴァンゲリスと受賞を待つ。-
2012/12/30
-
「しかし号外は絶対手に入れたいです」
確かに!思いっ切りミーハーしちゃいそうです。←ウンザリの片棒担ぎそうなは私自身か、、、「しかし号外は絶対手に入れたいです」
確かに!思いっ切りミーハーしちゃいそうです。←ウンザリの片棒担ぎそうなは私自身か、、、2013/01/07 -
もちろん私だって片棒担ぎまくりです。
ただ村上さんはやれやれの日々なんだろうなと思うと、、、。このままで良い気がしますね。もちろん私だって片棒担ぎまくりです。
ただ村上さんはやれやれの日々なんだろうなと思うと、、、。このままで良い気がしますね。2013/01/10
-
-
村上春樹夫妻の3年間に渡る、ギリシャ、イタリア旅行滞在記。
時期が1986年からなので旅情報としては古いが、この時期に
『ノルウェイの森』が書かれており、執筆の背景もちらほら窺う
ことができ、興味深い。
それぞれの滞在地で起こった出来事がシニカルに書かれていて、
結構笑える。
同じところに行ってみたいとはあまり思わなかったけど、こんな旅が
できたらなあと思える一冊。 -
最高である
-
村上春樹によるヨーロッパ旅行記。
読んでるとワインが飲みたくなる。
おいしいものが食べたくなる。
ギリシャ、イタリアという国がどういった国か、
どういった人が住んでるのかといったことがそれとなく分かる。
読んでいると自分も旅をした気分になれた。
なんだか最近固い本(?)ばかり読んでいた気がするので、
読書でこんなにリラックスできるのかと思えた。 -
ヨーロッパでの暮らしの中で起こる出来事を皮肉やユーモアたっぷりに紹介されていてとても面白かった。
実際住んでみなければ分からないことって沢山あるよなぁ、いや、それにしてもイタリアのお国柄凄すぎて自分は一生住めないだろうなと思った。 -
「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」を書いた期間過ごしたローマ、ギリシャでの日々。
いま、ザ・デルズの音楽が頭の中に鳴り響いている。 -
久々に読んだけれどやっぱり何処も魅力的に感じるし、やっぱり自分が海外に行くのは向いてないだろうなとも思う。
-
WBSアナウンサー
-
通常の配架場所: 2階開架
請求記号: 915.6//Mu43