市塵

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 18
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062044363

作品紹介・あらすじ

生類憐れみの令の廃止、朝鮮使節の待遇変更、通貨の改革、外国貿易の改善など、幕政改革に挺身した新井白石。清貧の生活に甘んじ、子女10人のうち6人もが早逝、自らも病身に鞭打ちながら職責を全うした新井白石。その不屈の生涯を描く長篇歴史小説。

感想・レビュー・書評

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  • ただの儒者ではない、政治の実践で真価を試されてこその学問だ。白石の自負と覚悟が伝わります。
    権力の中枢にいることへの畏れと愉悦をともに感じる、そういう側面をそのままに描いても、俗人と映らないのは藤沢周平の筆力だと思います。タイトルどおり市塵の人になったときに、白石とともに重い荷を下ろしたように感じました。
    藤沢作品の長編ならではの魅力だと思います。

  • 所謂時代小説の面白さとは異なるため、20年以上積読扱いだった。本と人の出会いには、やはり時期があるのだと思う。あたかも、吉村昭の記録文学を読むかのようであった。
    この作品は、時代小説家として世評の高い藤沢周平が、「折りたく柴の記」の著者新井白石を主人公に据えた、’90年「芸術選奨」受賞作。
    浪人から立身し、間部詮房とコンビを組み、六代将軍家宣の政治顧問として辣腕を振るった白石を、さまざまな文献を渉猟し、余すところなく描き出す。
    綱吉時代の悪制の撤廃、朝鮮使節の待遇変更、政敵荻原重秀が行った金銀改鋳への弾劾等々。
    幕政改革に挺身し、一時代を築いた白石も、将軍の死とともに、華やかな光彩に包まれた時代は終わり、やがては市塵の中へ・・・
    藤沢周平が描き出した新井白石の生涯。

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著者プロフィール

1927年山形県生まれ。山形師範学校卒業し教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て71年、「溟い海」でオール讀物新人賞を受賞し、73年「暗殺の年輪」で直木賞を受賞。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。作品は『蝉しぐれ』など多数。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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