捨て童子・松平忠輝 3

著者 :
  • 講談社
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062047838

感想・レビュー・書評

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  • なんて面白いんだ…!! 大・満・足! 幸せな読書の時間を与えてくれてありがとうっ!

    あらすじ:
    産まれた時から父・徳川家康に疎まれた「鬼子」松平忠輝。しかしその為人は魅力的で、豊臣秀頼や多くの大名、忍、そしてキリシタンなど多くの人間が彼を慕った。しかし一種の異能であるすぐれた身体能力、差別とは無縁な自由闊達な性格、豊富な知識、理性的な頭脳故、忠輝はさまざまな思惑に巻き込まれていく。

    江戸幕府成立前後の駆け引きが活発に行われた時代。その頭脳戦をなんてダイナミックに描くんだろう! したり顔の家康などの面々が思い浮かんで、なんとも楽しい気分になる。これが隆慶一郎だ!
    疎まれた忠輝だが、雨宮次郎右衛門や才兵衛を筆頭に、いろんな人々に好かれていく。その魅力的な為人の説得力のあること! 読んでいるこっちが忠輝に惹かれていくんだもの。彼の行動にワクワクドキドキしてしまう次郎右衛門や才兵衛の気持ちが伝わるし、実際同じ気持ちになる。もう本当に面白い。忠輝の天真爛漫で裏表なくそして頭脳が切れるところに引きつけられ、家康の狸っぷりはあっぱれで強さを感じるし、秀忠の陰鬱とした愚かなところも「あーこういう奴いるよなあ。懲りないよなあ」と思いながら叩かれていくのが痛快だ。
    秀頼にあいにく忠輝のシーンは感動的。
    エンターテイメントとして一級で、それ以上の何か魅力に満ちているんだよなあ。
    ああ、面白い面白い。お腹いっぱい胸いっぱいになりつつ、同時に常に隆慶一郎作品に飢餓を感じてしまう。さて、次は何を読もう。

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