今夜、すべてのバーで

  • 講談社 (1991年1月1日発売)
3.76
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Amazon.co.jp ・本 (270ページ) / ISBN・EAN: 9784062052597

みんなの感想まとめ

アルコール依存症をテーマにしたこの作品は、著者自身の経験を基にした私小説で、深い洞察と共感を呼び起こします。入院中の患者の視点から描かれるストーリーは、酒に溺れた男の苦悩や葛藤をリアルに伝え、読者を引...

感想・レビュー・書評

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  • H30.4.7 読了。

    ・アル中の話。しかも肝硬変疑いで病院に入院している患者。下手な医学書よりもアルコール依存についての話が分かりやすかった。中島らも氏の卓越なる文章力の賜物でしょう。とても興味深く、面白かった。
    ・「私のことをわかってくれという権利など、この世の誰にもないのだ。」
    ・「腐ったお上に捕まるなぞまっぴらごめんだ。」
    ・「コーヒー牛乳!。なつかしい味だ。いやらしいほど甘くて安物の味がする。アルコールにひたっていた17年間、一度も思い出したことのない味だ。」
    ・「人間なんて、殺そうと思ったらなかなか死なないけど、何かのはずみで死ぬっていったら、こんなにあっけないものはないんだからね。」
    ・酒をやめるためには飲んで得られる報酬よりも、もっと大きな何かを、「飲まない」ことによって与えなければならない。」

  • 酒に溺れた男の私小説。
    つきあい程度の酒しか飲まないわたしは著者の行動に呆れるばかりだし、こんな人が身近にいたら面倒くさいな、とすら思う。
    ストーリー自体も正直いまいち。
    ただ、文章表現がとんでもなく巧い。
    遺体安置室で赤川医師が怒りとやるせなさを著者に叩きつけるセリフがわたしの心を宇宙に放り投げた。
    文章に魂が宿っている。
    どんな酒を飲んだらこんな凄みのある文章が書けるのだろう。
    この一節に出会えただけでこの本を読む意義があった。

  • 途中しんどくてこれってどういう展開で終わるのとやめようかと思ったけど、最後まで聞けた。
    途中途中、日本は飲酒を国全体で推しているのがいけない!とか書いてあってたしかに20だ!お酒だという文化ではあるし。でもそんなに心から飲むのが好きではないなぁとおもうのだった。時々はいいけど。

  • 帯に惹かれて読むことも珍しくありません。例えばこの本。
     
         この魂が飲めるかい。
         水も氷もなしでさ。
     
    中島らもさんは、朝日新聞紙上の人生相談が面白かったのが出会いだったから、ものを見るスタンスが面白い人と言う印象でした。
    「人体模型の夜」を読んだら、「面白い」というだけじゃない味があって、もう少し読んでみたい気になりました。
    これも当たりだったら次は「カダラの豚」です。
     
     
    ■  2003/07/18:読了

  • アルコール依存

    最後の、家族を含めたネットワークアプローチの報告が印象的

    古代エジプトの小話

    なぜそんなに飲むのだ
    忘れるためさ
    なにを忘れたいのだ
    ーー。忘れたよ、そんなことは

  • 中島らも、と名前だけ聞くけど読んだこと無いなぁ、という引っ掛かりから代表作を読んでみました。
    自叙伝的な風味もあるアル中患者の入院記。全編を鬱屈した空気感が占めているのですが、その割に読みやすいのは文体の妙なのでしょうか。後半部の結末に至る場面は疾走感があって、結末は思いのほか爽やかでした。最初からこうするつもりだったのかしらと唐突感まで抱いたくらいで。

    とりあえず、おかげさまでビールを飲むペースが若干弱まりました(笑

    ちなみに、本筋ではないところで・・・結構売れた本だと思いますので多くの人が読んだのだと思うのですが、こういう本が「生活保護はダメだ」「ベーシックインカムはダメだ」という論調を作り出すような気もしなくもなく。
    本文中に「アル中の要因は、あり余る『時間』だ。国の保障が行き届いていることがかえって皮肉な結果をのたらしていることになる。」なんて表現もあったりして、物語としての著者の表現とは別のベクトルでの印象を読者が抱く可能性もありそうです。

    誰にどんな意図で薦める、という切り口では全く用途が思いつかないのですが、個人的に「前にこんな本読みまして…」的にネタにすることはできそうです。

    • naka0318さん
      これ、としきさんに借りて読んだよ!医者と主人公が病院で呑んでる場面が印象的だったなあ。
      これ、としきさんに借りて読んだよ!医者と主人公が病院で呑んでる場面が印象的だったなあ。
      2018/03/07
  • 業について考える

  • 実録アル中物語
    中島らもの中では最も好き
    4.5点

  • 作者自身の体験をもとにしたアル中小説.
    アルコール依存症治療の記録としては興味深く読める.
    小説としてはいまひとつ.

  • 「アル中小説」というジャンルがあるなら、間違いなく代表的な本でしょう。彼らにとって、「飲まずにやっていられない」というのは、言い訳のようで、本音なのでしょう。

  • 言わずと知れた代表作。その割にレビューが少ないわ。昔の本じゃしょうがないか。なんか再読な気がする。だいぶ昔に読んだ感じ。それにしてはよく覚えてるよな。やっぱり依存の話は好きだ。ほんと、日本がなぜ酒をこんなに売っているのかと思いつつ、酒の名産地で生まれ育っているわけで、昨今の日本酒離れははなはだ寂しいとも思う。いろんな専門書のつぎはぎの部分と作者の持論が入り交じった感じ。小説っぽくないと言えば、小説っぽくない。実話がベースだものね。

  • 学生時代に古書店で購入。
    当時はアルコールを「うまい」と思って飲んだことがなかったので、酒飲みの存在自体が私にとっては空想上の生き物であった。

    あれから20年が経ち、365日飲まない日がなくなった今、本書のあれやこれやがグッと身近に感じられる。

    洋の東西を問わず、酒が文化・芸術に関与した例は枚挙に暇がないけれども、そこに絶えず付き纏う頽廃的な影?っていうの?だとか、ゲージュツしなくたって酩酊を欲する心理だとか、欲し続けた末にたどり着く奈落の暗さだとか、「薄ら寒いけど覗いてみたい世界」をチラ見させてもらったような。

    結局は、自分の人生とどう対峙するか、なんだよねえ。
    無頼ならも兄に憧れる反面、自分には無理だなという諦めも。

    作中に登場する「薄紫色の液体」、超飲みたい。

  • 無人島に持っていく

  • ・17年間毎日ウイスキー1本飲み続けたアル中男が入院して退院するまでの話。おそらく中島らも自身の体験を元にしたセミ・ノンフィクション。色々なアルコール依存に関する研究やデータが挿話として登場していて、単なるアル中入院記に留まらない内容。全体的に軽妙なおかしみがあって、苛烈な描写があるのに楽しく読めた。
    ・読みながら、「俺もアル中予備軍には入るかもだけど、主人公より100倍マシだわー」とか考えてた。この主人公にも「こいつより俺のほうが100倍マシだわー」って思える対象が登場するんだけど、この「自分はまだ大丈夫」ってのがアル中の一要素だわなと気づいて苦笑い。
    ・「飲むことと飲まないことは、抽象と具象との闘いになるのだ。」って凄いわかる。俺も何度もその具象=飲んで得られる報酬に負けて飲酒再開してるから。。。
    ・飲酒が習慣だと、断酒しても日常のあちこちで「あーここで飲めたらなあ」って思っちゃうんだよね。「そういう回路ができてる」って描写もすげえ頷きながら読んだ。「外の世界はアルコールの海」ってのもよく分かるなあ。酒断ってると飲み屋の看板やら酒屋やらばっかり目に入るもんな。
    ・一瞬アルコールとの付き合い方を真剣に考えそうになった。結局自分はこれ読んでも「俺はまだマシだなーこのペースで飲んでるなら」って思っている。。。
    ・VIPまとめかなんかでアル中関係のスレッド読んでた時に知って読みたくなって、マーケットプレイスで1円で見つけたから購入。

  • らもさん本の中では一番ふつうな小説

    読みやすいし勧めやすい

  • ちょっと前に亡くなられたときのニュースは衝撃でした。この方の鬱病の話と小説を読んだことがあります。確か表題作だったよなあ~と思い読んでみました。

    多分フィクションを交えた実体験なんだろうなあ、と思いつつ読みました。自分も酒は好きですが幸運にも酒を飲みたいがために他の食べ物を一切とらないで飲むほど酒におぼれている飲み方をする人は知り合いにいないので良かったな、と。確かに今の日本で一番確実に、安価に手に入る合法ドラッグなのだとは思います。そして中毒性が高い。

    意思が弱いとか強いとか他人は評価しますけれどもそれも当の本人にはどうしようもない事なのかもしれないなあ、例えば本人の意思に関わらず病弱な体質なのと同じで。飲むことと飲まないこと。自分で自分の体を痛めることと自分の意思とはまったく関わりなく病気に苦しめられること。相反する中で揺れ動くからこそ人間なのかも知れない。

    多分、ものすごく優しくて、誠実な方だったんだろうなあ、と思いました。

  • 中島らもの代表作。
    アル中の男が入院し退院していくなかで起こる
    心のうごきや事件をまとめている自伝的アル中闘病小説。
    アルコールや薬に対する描写がリアルで、
    読んでいて苦しくなるのに、読まずにはいられない、
    まるでこの本自体が中毒性を持っているような作品だった。
    筆者本人もアル中だったそうだから、
    かなり実体験に基づいて描かれているのだろうけど、
    この主人公の独特な考え方は、
    アル中だからなのか、この主人公だからなのかが気になるところ。
    アル中になりやすい人の傾向がたくさんあげられているけれど、
    その特徴ならば、私だってアル中だ。
    文中では、「教養」=「ひとりで時間を過ごす技術」を持たない人間がなるという。
    私は大丈夫かな。
    きっかけさえあれば、そちらに転がってしまうような、
    ちょっと背筋がスーッとするような部分も多かった。

  • リアルにすべるように頭を通過していくような物語だった。
    最後の霊安室の場面は涙なしではよめない。
    何を大事に生きていくのか。
    これは別に依存症ではなくても考えてしまうことだなあ。
    尊厳なのか快楽なのか人間性なのか、ごくありふれた家庭なのか。

    幸せの形は実に様々な形をしてるのが、時に厄介だ…。

  • 二度目
    らもさん好きだ

  • 王道ってゆわれても仕方無いけれどやっぱり大好きな一冊。ちょっと気恥ずかしいけれど、「らもさんのほんとう」と「きぼう」の一冊。何回も何回も読んだ。所有しているのはハードカバーのほうです

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著者プロフィール

1952年兵庫県生まれ。大阪芸術大学放送学科を卒業。ミュージシャン。作家。92年『今夜、すべてのバーで』で第13回吉川英治文学新人賞を、94年『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した。2004年、転落事故による脳挫傷などのため逝去。享年52。

「2021年 『中島らも曼荼羅コレクション#1 白いメリーさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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