翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 70
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062053433

感想・レビュー・書評

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  • 2度目だからなんとなく覚えていたはずだったが、犯人だと思ってた人が全く違った(笑)。

    本格派と呼ばれる作品の苦手なところは、妙に冗長なところなわけだけども、今回のものは比較的そのあたりが気にならない。ただし宗教的知識とか西洋文化に精通していないと意味が分からない箇所がけっこうでてきちゃう。

    ただ、それはキャラクター設定でもあるのかもしれない。多くの探偵小説で探偵のキャラは往々にしてナルシスト。少なくとも脇に追いやられているモブをいれたら1人くらいはそういうやつがでてくる。今回も多分に漏れずそういう雰囲気を持つキャラがでてくるわけで、彼らの立ち振る舞いにはナルシストを彩る西洋知識がふんだんに使われるという(笑)

    そんなことはさておき。
    ミステリーとしてはかなりのレベルで作り込んであるんだと思う。犯人の動機も若干ナルシストだけども(笑)、トリックやら殺害の方法やらは本格にふさわしい。真犯人を暴くところも想定外だったし。伏線をしっかり回収できていただろうし、ダブルミーニングもあった。新本格によくある陰湿さが過剰じゃない点も好みかなー。

  • ブックオフにて108円で。ここではまだメルの表記が「銘」じゃなくて〈名探偵〉。こうやって再読してみると、警察や探偵含め誰一人次の殺人を防ごうとしてない気が。木更津に至っては無力を痛感して山ごもり。こもるなよwそりゃ最後のカタストロフィまで(実行犯の)思う壺ですわな。あまりにどんでん返しが過ぎるため、世界反転のカタルシスも薄まっている。怪作には違いないけど、次に待ち受ける驚異の傑作『夏と冬の奏鳴曲』の挨拶状といった感じでしょうか。それでは皆さんご一緒に、「愛あるかぎり戦いましょう。命、燃えつきるまで」

  • 語り手の香月と探偵の木更津が向かうのは、一代で財を成し、京都で名の知れた名家となった今鏡家が所有する蒼鴉城。
    しばしば警察に協力している、腕利きの探偵木更津が招かれる場所といったら、そこには特殊な殺人事件が開陳されているのである。
    蒼鴉城はまさしくその顕著な例で、木更津たちが到着した時、そこには奇妙な死体が……。だがそれは惨劇の幕開けに過ぎないのだった。

    なんて、導入をまとめてみたけれど、読み終わると、「ああ、そういえばそもそもはそういう話だったね」と思ってしまうくらい、からくり屋敷を探検した後みたいにぽかぁん、という感じになります。
    まず一部終了後、そんなことあっていいんかい!?と、逃げ出した彼に笑いを禁じ得ませんでした。
    そして二部のはじまり、タイトルにもなっている彼の登場に、わくわくとイライラを感じ……そして……うん、まあ、最後の事件というからにはそういう展開かな、とも思いましたけど。いやあまさか鳴り物入りで出てきてそんななるとは。まさかまさか。
    ミステリの『おきまり』を軽やかに塗り潰すような演出に、たびたび驚き、そしてほくそ笑みしてしまう、そんな話でした。
    どの推理も牽強附会ですよねぇ(笑)。結局真実を知ってる人にしか、真実を明かすことはできないじゃないですか。

    しかしたった一週間の話だったんですね。香月くん惚れっぽいんじゃないですか。プロポーズが一番びっくりしたよ。

  • イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387154648.html)
    「MESSIAH」を加筆改稿

  • 古き良き本格派の探偵物語に対して、
    この作家さんはあえて否定論を持ち込んでいるのか?
    と思いながら読み進め、エピローグで、こうくるのか、
    と驚きました。
    考えていた犯人像や人物像が見事に騙された。
    副題の、メルカトル鮎、って何もんなんだか、
    って感じではあるし、ロシア正教も、良く知らないから、
    なんとも分かり難い部分はあったとしても、
    面白かった。
    島田さんの薦に書かれてる事に、とても納得させられます。
    これがデビュー作ってすごいなあ。

    • ともさん
      高評価ありがとう♪
      デビュー作に「メルカトル鮎最後の事件」ってつけちゃう度胸と根性に脱帽でした。
      高評価ありがとう♪
      デビュー作に「メルカトル鮎最後の事件」ってつけちゃう度胸と根性に脱帽でした。
      2011/07/08
  • 大好きです。<br>
    コレを読んだらもう他は...

  • 7/7 凄く面白かったけど、凄くショッキングでした。

  • <font color="#666666"><table style="width:75%;border:0;" border="0"><tr><td style="border:0;" valign="top" align="center"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062053438/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://blog12.fc2.com/image/noimage.gif" border="0" alt="翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件"></a></td><td style="padding:0 0.4em;border:0;" valign="top"><a href="http://blog.fc2.com/goods/4062053438/yorimichikan-22" target="_blank"> 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件</a><br>麻耶 雄嵩 (1991/05)<br>講談社<br><br><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062053438/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"> この商品の詳細を見る</a></td></tr></table>
    <blockquote><p><strong>首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。

    魅力的な謎、破天荒なトリック、緻密な論理、奇矯な人物、衒学趣味、毒に満ちたユーモア、意外な解決…。およそ思い付く限りの本格ミステリのエッセンスが、この小説には濃密に詰め込まれている。</strong></p></blockquote>
    私立探偵・木更津が古城で起きる殺人事件の謎解きに馳せ参じる前半は、本格ミステリの王道をいく綾辻ワールドの踏襲か、と思いつつ読んだのだが、自らの推理に行き詰まりを感じた木更津が山に籠もるという唐突な展開の後、なんとメルカトル鮎の登場である。木更津に対抗するように自らの推理を披露したメルカトル鮎であり、真打登場か と思わせられたのだが、それも一瞬のこと。意外な展開が待っている。
    死体はどんどん増えていき、期待は面白いように何度も裏切られるのだが、最後の最後に思ってもいなかったサプライズが待っているのだった。
    読者も登場人物もミステリと信じて進んできたのに、ただひとりの人物にとってはこれはサスペンスだったのである。なんということだろう!</font>

  • デビュー作にして最後の事件。変な話だ。麻耶雄嵩ワールド。ちなみに僕のはサイン入り。

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著者プロフィール

ミステリ作家。1969年、三重県生まれ。1991年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』で講談社からデビュー。著作に『夏と冬の奏鳴曲』(講談社)、『メルカトルかく語りき』(講談社)、『貴族探偵』(集英社)など。

「2022年 『円居挽のミステリ塾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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