彫刻家の娘

  • 講談社 (1991年11月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (238ページ) / ISBN・EAN: 9784062055840

作品紹介・あらすじ

ファンタジーの傑作『ムーミン』の作者の自伝的小説。
ほんとうに大切なものがあればほかのものすべてを無視していい。

するどい洞察力で周囲の世界を見つめ、自分の価値基準や真の芸術家としての姿勢を身につけてゆく幼ない少女――。自由・冒険・信頼・愛情、『ムーミン』世界の魂のルーツにせまる。

感想・レビュー・書評

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  • ムーミンシリーズがお守りがわりだった頃は著者がどんな人生を歩んできたか知ろうともしなかった。自由に真っ直ぐに芸術に生きる父と仕事に励みつつ自然を楽しむ母、かかわりあった大人子供達皆が幼い頃のヤンソンに冒険心と空想力を授けたのかも。

  •  子どもの目の高さで描かれた子ども時代のスケッチ。

     ファンタジー作家は子ども時代へ自由に行き来する黄金の梯子を持っているそうだ。私はトーベの梯子から落っこちた。
     空想と現実がバリアフリーな時期が、私にもあったはずなのだが。

  • 彫刻家の娘 - ムーミン公式サイト
    https://www.moomin.co.jp/books/2548

    『彫刻家の娘』(トーベ・ヤンソン,冨原 眞弓)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000175596

    ーーーーーーーーーーーーーーー
    香山彬子訳「彫刻家の娘」トウベ・ヤンソン(講談社文庫)は愛読書

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      111108さん
      > 「ミンネのかけら」
      岩波の図書に連載されてました。

      冨原眞弓さん「ミンネのかけら ムーミン谷へとつづく道」イ...
      111108さん
      > 「ミンネのかけら」
      岩波の図書に連載されてました。

      冨原眞弓さん「ミンネのかけら ムーミン谷へとつづく道」インタビュー 自分にうそつかず考える|好書好日
      https://book.asahi.com/article/13996510
      2022/07/04
    • 111108さん
      猫丸さん
      「ミンネのかけら」情報ありがとうございます!
      好書好日で冨原さんのインタビューちら読みしてきました。心の読みたいリストに入れました...
      猫丸さん
      「ミンネのかけら」情報ありがとうございます!
      好書好日で冨原さんのインタビューちら読みしてきました。心の読みたいリストに入れました。
      2022/07/04
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      111108さん
      にゃ~ん
      111108さん
      にゃ~ん
      2022/07/05
  • 『少女ソフィアの夏』がおもしろかったので、似た装幀の『彫刻家の娘』を借りてくる。"彫刻家"とは、トーベ・ヤンソンの父のヴィクトル・ヤンソンのこと。なので、自伝みたいなやつかなーと思ったら、『少女ソフィアの夏』みたいに、子ども時代の思い出を核にふくらませた「お話」になっていた。

    子ども時代に見た夢うつつの世界や、その中にひたっていたお話の世界の続きが書かれているようでもあった。とくに「チュールのペチコート」「雪」「飛ぶこと」がおもしろかった。心が飛びたつようだった。自分がすっかり忘れている何かをちらっと思い出すようだった。

    ヤンソンさんは、空想をふくらませてその世界で遊べる子どもだったのだろうなと思った。そういう子ども時代の根っこがあって、物語の世界をつくりだしていけるのだろう。

    「作家が物語を書くときにいちばん大切なことは、ああそうだ、こういうことがあったなあとか、自分もあたらしい発見をするためになにかをはじめようとか、そういった欲求を読者に与えることができるかどうかということです」(p.236)というヤンソンさんの言葉を訳者が紹介している。

    「あの子ども時代なしには、ムーミントロールの物語を書くことはなかったでしょう」(p.234)とヤンソンさんは語っているそうだ。未読の「ムーミン」シリーズも、いよいよ読んでみるかなーと思う。

    (6/5了)

  •  トーベ・ヤンソンの大きな魅力の一つは、見栄や虚栄心や嫉妬など人間の欠点と呼ばれるような部分を、とても暖かく魅力的に描くところにあると思います。

     この本の登場人物たちは、決して筋の通ったような実直な人間ではなく、誰もがインチキくささや煩わしい気質を持っています。
     それでも、そんな登場人物たちと関わる主人公の少女のふるまいを読み進めていくと、彼らの欠点がとても魅力的に見えていきます。ストレートに描かれる少女の心模様からは、胸の中の痒いところをついてくるような愛おしい人間味を感じることができるのです。

    そんなトーベ・ヤンソンの魅力がつまった、良い本でした。

  • 自伝的小説。全てが本当に起こったことではないと書かれていましたが、少女トーベにとっては全て本当に起こったことだったのではないでしょうか。子供のときのこと、そのときの感情をこんなに鮮やかに覚えていられるなんて、過去が束縛してくるようで恐怖も感じますし、自分がその過去の上に立脚しているという安心感も感じます。

  • ムーミンの作者トーベ・ヤンソンが子供時代のことを書いた自伝的作品。
    父は著名な彫刻家、母は挿絵画家。
    母方の祖父は牧師で王様に説教したとか。
    エデンの園のような祖父の庭で、従姉妹とイスラエルの民ごっこをしたり。
    夏は8分で一回りできる島で、漁師小屋を借りて暮らしていたという。
    想像力豊かで、やんちゃで、好奇心溢れる女の子。
    豊かな自然の中で、魔法に満ちた暮らし。
    地元の少年と釣りに行ったり。
    氷山の一つを自分の物と決めて、ついてくると感じたり。
    泊まりに来たおばさんのちょっと変な物作りを見物したり。
    火事が起きると皆を起こして見に行く父。
    やたらにペットを飼う父の、猿や鴉に呼びかける甘ったるい声に怒りを感じたりする女の子。
    猿のポポリーノはいたずらだけど父の親友なので仕方ないが、父のことを何とも思っていない羊にはうんざりとか。
    カナリアが増えすぎたので、誰にでもあげると広告を出したところ、前に死んだりいなくなったりしたカナリアの話をして泣くのを一人一人聞かされる羽目になったとか。
    クリスマスの準備の思い出は素晴らしく、父と天井まで届く樅の木を選び、母はジンジャークッキーを作り、部屋中にキャンドルを灯す。
    母は聖ルチアに扮して白い服を着る、など。
    1958年に父がなくなり、10年たって発表した作品。
    母はスウェーデンで初めてガールスカウトを組織したとか。
    1970年に母が亡くなった後はムーミン谷のシリーズはやめたんですね。
    創作の源が家族にあったことをうかがわせます。

  • トーベ・ヤンソンの自伝的な作品。(自伝ではない)
    ムーミンの原点の登場人物が出てきたり、彫刻家のお父さんの芸術家ぶり、アルベルトの生き物の対する姿勢、島での嵐の様子などなど。
    ムーミンというとてつもない作品を残す人は、やはり子どもの頃から違う感性だということが、平凡に生きてきた私からは感心するしかない。

  • ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンの少女時代の思い出をファンタジックに回想した自伝的小説です。彫刻家の父と画家の母という特殊な家庭で育つ少女の成長譚として、また、ムーミンの諸作品理解の一助として興味深い本です。

  •  
    ── トーベ・ヤンソン/冨原 眞弓・訳《彫刻家の娘 19911112 講談社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4062055848
     
    ── トーベ・ヤンソン/香山 彬子・訳《彫刻家の娘 1973‥‥ 講談社》
     
    ♀Jansson, Tove Marika 19140809 Finland 20010627 86 /
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20100505 眠れぬ森の男たち ~ Raptus at Laputa ~
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20090502 吟遊詩人 ~ 地の果ての訪問者たち ~
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20010627 眠れる村の少女 ~ ヤンソン家の人々 ~
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%E0%A1%BC%A5%DF%A5%F3
     
    …… 大学入試センター試験の地理Bで人気キャラクターのムーミンを
    取り上げた問題について、大阪大大学院のスウェーデン語研究室は2018
    0115日、「原作ではムーミンの舞台はフィンランドとは断定できない」
    と疑問視する見解を明らかにした。
     試験問題では「ノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション」
    としてムーミンと「小さなバイキングビッケ」を挙げ、例示した両国の
    言語との正しい組み合わせを選ぶよう求めた。
     古谷 大輔准教授(北欧史)は「スウェーデン語系フィンランド人作家
    が、スウェーデン語で書いた一連の物語の舞台は、架空の場所のムーミン
    谷とされる。フィンランドが舞台だと明示されていない」と指摘。
    「ビッケもノルウェーが舞台とは断言できない」とし、研究室として、
    舞台の国を特定した根拠の説明を求める意見書を、近く同センターに提出
    する。
     古谷准教授は「センター試験の社会的信用を維持するためにも根拠を
    示してほしい」と話す。
     同センターの担当者は取材に「意見書の内容を見て対応を検討する」
    としている。在日フィンランド大使館の広報担当者は「ムーミンが注目
    されることはうれしい。ムーミン谷は物語を愛する皆さんの心の中にある」
    とコメントしている。
    (配信 20180115 17:28 スポニチ)
    http://www.sponichi.co.jp/society/news/2018/01/15/kiji/20180115s00042000169000c.html
    https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1516005882/
     
    (20180115)
     

  • 良いパパだね~

  • トーベ・ヤンソンさんの子供のころ、家族について知ることができる貴重な一冊でした。

  • トーベ・ヤンソンをご存知ない方でも『ムーミン』の作者といえば誰もがご存知でしょう。
    今年は生誕100年の年。本書はヤンソンの子供時代を綴った自伝的小説。父は彫刻家、母は画家という家庭で育った彼女の日常はムーミンの世界と重なるところが多い。彼女の自由な発想と冒険心は、とてもスリリングで引き込まれます。

  •  考えの唐突な中断、言い切りによる早急な結論、一文が短く切れ、その隙間だらけの言葉の連なりが、けれどそれで完結している。視線はまだそれほど多くを捉えきる事はできないけれど、確実にイデー(本質)を見て取る。ラフなスケッチのような、とてもおかしな小説なのだけど、ただその視線を追いたくて、一気に読み進めてしまいました。ヤンソンの小説によくある、時に冷酷だと思われるほどに追い詰められていく登場人物はここにはいないし、そもそも筋のようなものすら殆どないのだけど、これまで読んだ中でも一番に挙げたいぐらい素敵な一冊でした。

  • 図書館。

  • ムーミンが大好きです。ヤンソンさんの心理の根底にある鮮やかな孤独を知ることが出来ました。

  • 普段活用している図書室は公民館の中にある小さなモノなのであまり蔵書がありません。
    とは言えつぶさに見ていると結構面白い本が揃っていたりします。
    この間あ、トーベヤンソンの本だ!と棚から発見し、借りてみました。

    私はムーミンシリーズが好きで特に「この世の終わりにおびえるフィリフィヨンカ」というお話が本当に好きなのですがあの自然に対する大いなる畏敬の念と恐怖は彼女の育った環境に大きく感化されているのだなあ~ということがよくわかりました。

    この頃は本気で腹を立てたり、お腹が痛くなるほどの恐怖などという強い感情を持たないようになるべく平穏に生きておりますが子供の頃は違ったよなあ。涙が出るぐらい悔しいことや怖いこと、震えるほど欲しいモノがあったこと。そういう感情をどうやったら忘れずにいられるんだろうか。彼女の簡潔な文章を読みながらそんな子供の頃の想いを彷彿させる文章が書けるってすごいなあと羨ましく思いました。面白かったです。

    それにしてもサルのペットは大変そうだ。そして猿に与えるついでに子供にも同じ飴をあげるお父さんか…(笑)

  • 子供の頃いつもいつも空想していた。

    空想の世界と現実の世界の境目はあってなきもの、
    毎日毎日幾種類もの世界に囲まれて、傍目には
    変な子供、自分的にはわくわくどきどきの毎日を
    過ごしていた。

    空想力さえあれば、どこへでも行かれて何者にもなれるのだ。
    独りきりでも大丈夫。
    しゃべり相手は無数に周りにいつもいたから。

    そんな子供のころの私を思い出させて感じさせてくれた
    嬉しい本。
    笑みが止まらない。

    かの、ムーミンシリーズの著者の自伝的小説。


    lovefigaro様
    ヤンソン著作達を読む素敵なきっかけを下さって
    ありがとうございました☆
    短編集を探している時に出会ってしまいました。
    これが出会いの一冊になりました。

    • lovefigaroさん
      よかったです、よい出逢いで。
      私は未読です。
      手にしてみます。
      よかったです、よい出逢いで。
      私は未読です。
      手にしてみます。
      2009/06/10
    • Michiruさん
      素晴らしい感性の方で。
      本当にありがとうございました。

      購入のご予定がなく私のものでよければ、お持ちします。
      遠慮なく仰ってくださ...
      素晴らしい感性の方で。
      本当にありがとうございました。

      購入のご予定がなく私のものでよければ、お持ちします。
      遠慮なく仰ってくださいませ☆
      2009/06/11
  • 著者の幼い頃を描いたもの。私が借りたのは文庫版

    なんだか不思議な雰囲気の本だった。ただの自伝というだけでもなく、童話のようでもあり。

  • 一部が中学の国語教科書に載っていて、それが好きすぎて買った本

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著者プロフィール

1914年、ヘルシンキ生まれ。画家・作家。父が彫刻家、母が画家という芸術家一家に育つ。1948年に出版した『たのしいムーミン一家』が世界中で評判に。66年、国際アンデルセン賞作家賞、84年にフィンランド国民文学賞を受賞。主な作品に、「ムーミン童話」シリーズ(全9巻)、『彫刻家の娘』『少女ソフィアの夏』(以上講談社)など。

「2023年 『MOOMIN ポストカードブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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