わが手に拳銃を

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  • 講談社
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レビュー : 114
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062057486

感想・レビュー・書評

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  • 大陸の人間であるリ・オウと日本人の一彰の二人の長い年月をこえた絆の話です。日本で拳銃を削る一彰と、大陸で壮大な夢を抱くリ・オウ。
    「心配するな。あんたが餓死する前に、俺が会いにいく。俺が右でも左でもない人間である証拠を、見せに行くさ」とか、リ・オウかっこよすぎだ…。おお、リ・オウ。このやろう。という感じです。全体的に名場面、名台詞だらけで読んでいて楽しいです。
    『李歐』も好きですが、私はこちらのリ・オウと一彰の方が好きです。こちらの方が、二人の関係が男同士の対等な関係という感じがしました。終わり方もとても好き。

  • 幼い頃に母親を銃事件で亡くした青年と
    闇社会を暗躍する美貌の殺し屋リ・オウ
    四十丁の密輸銃をきっかけに絡み出した
    二つの人生についての物語


    「李歐」の原型になった作品とあったので
    こっちを先に読んでみました

    マフィアだゲリラだ国家スパイだ人民軍だシンジケートだCIAだ暴力団だ公安だ
    大阪の街工場を舞台にして描かれるのは
    赤い国と青い国を中心としたアジア全域のドス黒い闇社会についての話で
    もちろん高村さん特有の硬筆と胃もたれするような緻密な描写でもって物語はずしりと重く血生臭いのですが
    合間合間に差し込まれる杜甫の中国詩や桜吹雪の美しさ
    台詞回しのカラリとした晴朗さ
    そして何を置いてもリ・オウというキャラクターの突き抜けた存在感が他のどの作品にもない不思議な幸福感を全体に与えていて
    難解と評される高村作品の中では読みやすい一冊だと思います

    身に纏わりつく全てをこそぎ捨てて能動的に自分を破滅させようとする主人公

    世渡り用の上等な皮を着込みながら世界に中指を立てている他者
    決して混ざり合うことはないのにどこか根底では同じ闇を共有している
    そんな背中合わせのつがいのような独特の人間関係が高村さんの本には一貫して描かれているように感じます
    初期の作品なので文章は若干生硬く体温が高めですが
    題材ごとに専門家を驚かせるあの偏執的な取材力は変わらずです
    黄金~が爆弾の手引き書だとしたら
    こちらはさながら銃改造の手引き書のようなマニアックさ
    また女性は刺身のツマ扱いが常な高村作品には珍しく女性キャラが魅力的に描かれていたのも印象的でした


    目の奥に妖しい炎を抱え
    美しい中国の舞いを踊り
    仙人と芸術家と商人とギャングを全部足して割ったような飄々さで自由を求める男リ・オウ

    「Hey」「純度は4ナインよ」「……十割にしろよ」

    などなど 四方八方オッサン祭りが鉄則の高村ワールドでは
    彼の挙動の全てが風のように軽やかで
    なんだか青年誌に一人ぶち込まれた少年漫画のキャラクターのような浮き世離れ感さえありました
    海賊映画みたいなエピローグの美しさも酷く印象的だった一冊

  • 一気に読めて、ドキドキします。
    背景とか拳銃や機械の描写の細かすぎるところは頭に入ってこない部分も多いが、理解できなくてもそういうところがハードボイルドな感じでいい。
    読み終わるころにはリ・オウは頭の中で姿形声質まで出来上がっています(笑)
    一彰、歪みながらもすごく理解できます。
    よかった

    色々と意見のある「李歐」も読んでみます。

  • 全体の大まかな流れは『李歐』と同じ。ただ違うエピソードが盛り込まれていたり、ディテールに関してはかなり異なる部分もある。特に終盤からエンディングにかけては全く違うストーリーになっているので、『李歐』とは違う作品として十分楽しめる内容になっている。
    比較してみてみるとメインキャラクターである李歐の描き方がやはり見劣りするなあという印象が強い。『李歐』ではもっと艶のある描写になっていて、ミステリアスな計り知れない感じに惹かれたのだけれど。ストーリー展開が李歐その人を引き立てているような側面もあったので、今作はその点で劣ってる気がする。あとは大陸が十分に描かれていない。これは李歐のルーツでもあるし、大陸の熱みたいなのもが作品を引き立てている節があったので、その辺りも物足りない。
    李歐自体が好きなので、新しいエピソードを知るという意味では楽しめたけど、作品全体の完成度という点では断然『李歐』という結論。

  •  書くためには物すごく専門知識のいる小説だと思う。きっと沢山文献を読んだり、綿密な取材をしたんだと思う。髙村薫が寡作な理由は、こんな小説ばかり書いているからなんだろうな。すげえよ。
     この小説には拳銃に絡んだ様々な組織が登場する。暴力団もいれば、政治的な組織もある。組織の論理は冷酷に人間を握りつぶす。この小説の登場人物たちは、拳銃を手に、そんな組織の理論に精一杯、血を流しながら抵抗する。その姿が何とも美しい。

  • 『李歐』の原作? どちらもおもしろいです

  • ★★★☆☆

  • 『李歐』よりこちらの方が好きでした。
    自分がどストレートな男子だと自覚できて良かった読書体験。

    映画『カリートの道』をもっと素直にスカッとさせたようなラストが大好きです。

  • 好きな系統の本だったが、周辺描写が細かく、主人公の心情などを感じる妨げになっていた。もう少しスムーズに読めると良かったのだけれど。

  • 李歐が好きすぎて文庫になった時と内容が大分変ってるという話を聞き、ネットで探して購入しました。ハードカバーで二段組みという恐ろしい!と思ったのですがスラスラ読めました。李歐よりも全体的にサラっとした感じで、分かりやすいのですが、李歐の方が魅力的に感じました。

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著者プロフィール

高村 薫(たかむら かおる)
1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。
1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年刊行の『土の記』では大佛次郎賞、野間文芸賞、毎日芸術賞をそれぞれ受賞し、新たな代表作となった。
『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。織田作之助賞選考委員を務める。

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