カトリーヌとパパ

  • 講談社
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本棚登録 : 39
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062057684

作品紹介・あらすじ

ニューヨークでバレエ教室を開くカトリーヌはある雪の日、少女時代のことをふと思い出す。パリ10区の倉庫の上階でパパと暮らし、眼鏡を外すと柔らかな世界に浸れたあの頃。パパが営んでいた仕事、移民としてのアイデンティティ、若かりしパパとママとの出会い、そして……。
父娘をとりまいていたその時代ならではの人間模様は、少し哀しくて温かく、子ども心に染み込んでいた。そんな様々な人生の断片が、年月を経てくっきりとよみがえる。
哀愁と軽やかさを併せ持つカラー挿絵は、フランスを代表するイラストレーターのジャン=ジャック・サンペによるもの。「パリ・マッチ」誌の風刺漫画や「ニューヨーカー」誌の表紙絵などで活躍したサンペの絵は、街を舞台にした物語を得意とするモディアノの作風にぴったり寄り添い、人物造形もいきいきと描かれている。
何度も繰り返して読み味わいたくなる小さな物語。

感想・レビュー・書評

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  • モディアノは登場人物に関する事柄を事細かに語らないが、いつもスルッとその物語の中に入っていける。まるでその物語の中に自分も存在していたかのように。とてもノスタルジックな気持ちにさせてくれる大人のための絵本。

  • 児童書か、と言われると困る。子どもは文章としては読めるが、文章の間や裏にあるものを読み取るのは難しい。そしてそこがこの本の読みどころなのだ。
    だから多分、ストーリーを追うことを読書の歓びとしている大人にも向かない。
    モディアノのファンには物足りない作品かもしれないが、初心者にはどういう作品を書く作家なのかがわかるのでいいのではないか。私もこれが初モディアノだったが、好きだな、いいな、と思った。
    サンペの絵のせいもあるが、優しく、甘く、ほろ苦い。今はアメリカで幸せに暮らすカトリーヌ一家。もう若くないカトリーヌが回想するパリの少女時代。
    ロシア移民のパパ、フランスに馴染めなかったアメリカ人のママ、偽りの経歴を語るバレエ教師、詩人になれなかった経営者、一夜にして財産をなくす富豪。それぞれの人生の悲哀を、語りすぎず、さりげなく描き出す手腕は素晴らしい。
    ただ、「さあ、がんばろう」はもうちょっとましな言葉にしてほしい。この物語の大切な言葉なんだから。
    上手い翻訳家の新訳出版を希望します。

  • モディアノの短編。洒脱な物語と挿画で1950年代のパリの残像が浮かび上がります。それにしても、うまいですね。

  • 文章・イラスト共に、う~ん、シックなフランスの空気。

    絵本みたいだなあと思って手に取ったんだけど、さすがモディアノ!

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著者プロフィール

1968年、La place de l'étoile でデビュー。1978年、ゴンクール賞(Rue des boutiques obscures)、1996年、フランス文学大賞(全作品)等々。2014年、ノーベル文学賞。「その記憶の芸術で、彼は人間のもっとも捉え難い運命の全てを呼び起こし、またナチス占領期の世界を明るみに出した」と評価される。邦訳に『パリ環状通り』(講談社)、『暗いブティック通り』(講談社/白水社)、『ある青春』(白水社)、『カトリーヌとパパ』(講談社)、『イヴォンヌの香り』(集英社)、『サーカスが通る』(集英社)、『いやなことは後まわし』(パロル舎/キノブックス)、『1941 年。パリの尋ね人』(作品社)、『廃虚に咲く花』(パロル舎/キノブックス)、『八月の日曜日』(水声社)、『さびしい宝石』(作品社)、『失われた時のカフェで』(作品社)等。1945 年、オー‐ド‐セーヌ県、パリ西部に隣接するブローニュ‐ビヤンクール生まれ。

「2015年 『迷子たちの街』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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