帰ってきた空飛び猫

  • 講談社 (1993年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062058810

みんなの感想まとめ

テーマは、愛するお母さんに会いたいという猫たちの心情とその冒険です。シリーズの続編として、前作から引き続き4匹の空飛び猫が描かれ、彼らが故郷の街に戻り、妹猫を救う姿が心温まります。猫たちの個性豊かな性...

感想・レビュー・書評

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  • 「空飛び猫」シリーズの2作目です。
    原著を読んだあとに、答え合わせのつもりで読みました。

    前作で4匹の空飛び猫は、信頼できる人間の子供たちと出会い、住み心地のよい農場の納屋で暮らしています。
    ある日、街に残してきたお母さんに会いたくなった2匹(ジェームズとハリエット)は、生まれた街に戻ってみましたが、様変わりした街の中でお母さんの居場所がわかりません。
    必死でお母さんを探す2匹は、1匹の子猫を見つけます。
    真っ黒で小さな子猫の背中には、彼らと同じように翼が生えていたのです…

    1作目同様、猫が身近にいた人だからこそ描ける彼らの姿がたまりません。
    猫が失敗したときにやる照れ隠しとか、よくうちの子もやっているなぁ…とくすっと笑ってしまいました。

    村上春樹氏の訳注とあとがきもとてもよかったです。
    特に原著を読んだあとだったので、訳注から翻訳のおもしろさや難しさを垣間見ることができました。

  • 冒頭の、納屋の屋根裏の壁の穴からシナモン色の鼻を出し
    ふわふわの翼で外へと飛び出してくる空飛び猫たちの、なんという可愛らしさ!
    もしも我が家に居ついてくれるなら、壁に穴の5こや6こ・・・
    いやいや、1ダースくらいは平気で開けてしまうのに♪

    猫好きの優しい兄妹、ハンクとスーザンに匿われた4ひきですが
    幸せながらも、やっぱりそこは子猫、お母さんが恋しくて
    お母さんに会いにいくか、がまんするかで兄弟会議するのが微笑ましくて。

    おっとりさんで甘えん坊のジェームズと、ちびでも行動力のあるハリエットが
    「お母さんに会いにいっちゃおう」派、
    現実的でしっかりもののセルマと、賢くて冷静なロジャーは
    「会いたいけどがまんしよう」派、というのには、なるほどね、と頷いてしまいます。

    都会に舞い戻ったジェームズとハリエットが巡り会った妹猫ジェーンが
    たったふた言しゃべれるのが「Me!」と「Hate!」で
    直訳すると「わたし!」と「イヤ!」というあたりがいかにも猫らしく、

    若くはなくなったタビー・ジェーンお母さんが、自由気儘な野良猫生活を捨て
    鍵のかかったペントハウスで人間に飼われる穏やかな生活を選ぶエピソードにも
    猫をこよなく愛するアーシュラ・K・ル=グウィンの温かいまなざしが感じられます。

    そして、あとがきで村上春樹さんが書いてくれた
    正しいか正しくないか、役にたつかたたないかなんてどうでもよくて
    「ファンタジーはあなた一人に向かって開いたり閉じたりする窓なのだ」
    という言葉が、なんだか涙ぐんでしまうくらいうれしくて

    空飛び猫たちが「丘の上農場」を帰る場所として選んだように、
    私にとっても、疲れたとき、さみしいときには
    ファンタジーという、やさしく温かい「帰る場所」があるんだ、と素直に思えたのでした。
    素敵な本です。

  • 空飛び猫の第2弾。
    要約すると「タビー兄弟のうち、ジェームズ(♂)とハリエット(♀)が母猫:ジェーン・タビーに会いに行き、妹猫(ジェーン)を連れて帰る物語」と言ったところでしょうか。その道中は冒険らしくもありましたが…この物語で何を伝えたいのかはよく分かりませんでした。母猫は翼持ちじゃないのに、雄猫が違っても翼持ちの猫を産む体質なのか?という疑問は残りましたが、母猫も安住の地を得られて(雄猫とは離れ離れになっちゃったのでしょうが)本作も丸く収まったのかなと。
    個人的には、あとがきのファンタジー論が印象に残りました。そのファンタジーが自分にとって強く「はたらいた」のであれば、それが自分のためのファンタジーか…なるほど。であるなら、本作は私にはあまり「はたらかなかった」かもしれません。

  • 空飛び猫の続編。翼の生えた猫たちは生まれ故郷のスラム街に帰ってきて、妹を救います。
    村上春樹の訳注、あとがきは一読の価値あり。

  • 2013年8月22日

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    帰ってきた空飛び猫

    1993年11月26日 第1刷発行
    著者:アーシュラ・K・ル=グウィン
    画家:S.D.シンドラー
    訳者:村上春樹
    発行所:株式会社講談社
    -------------------
    ファンタジーのゲド戦記の作者さんの作品

    空を飛ぶ翼を持った猫のお話でこの作品の前にも同じ猫達の作品があるみたいです。
    -------------------
    27ページにその黒い短いしっぽは大きく膨らんでいました・・・。という描写がある。全くの自分の好みは真っ黒でしっぽは長く曲がっていないほうが好きなので、短い尻尾はとても残念だった。でも、26ページや39ページのイラストのチビ黒猫は普通の長さがあるように見える。好みには合うけど記述には合わないww

    作者さんはアメリカ生まれのアメリカ人。
    黒チビ猫たちが母猫のもとを旅立つ描写が無い。
    チビ猫たちも母猫も自分のこれからの生き方をそれぞれ自分で決める。癒着しないのが当たり前。
    日本人の作者さんなら、そのシーンを描くのだろうけれど、別れのシーンは無く、どうやって黒チビ猫を連れて帰ったかという描写があるだけ。
    文化の違いと言うか、考え方の違いなのかな。


    ---------------
    ある雨模様の朝早くのことです。ハンクとスーザンは「丘の上農場」の丘を超えて、干し草を作るための古い納屋にやってきました。

    この文章で始まる物語

    ハンク  人間の子ども
    スーザン 人間の子ども
    セルマ  翼を持った猫
    ロジャー 翼を持った猫
    ハリエット  翼を持った猫 チビ
    ジェームス  翼を持った猫 フクロウに羽を傷つけられている

    猫達は大きな都会の横丁のゴミ捨て場で生まれた。
    (街角にある大きなゴミ箱 箱の下にコロがついている)

    チビ猫のハリエットと羽を傷めたジェームズが生まれ故郷を見たいと言い始め4匹のうちの2匹が街を目指して空をゆく。
    元住んでいたところは廃墟になって、取り壊し作業が順番にされていた。ゴミ箱も撤去されていた。
    その一角の建物で小さな猫の鳴き声がした
    ハリエットとジェームズはそのチビ猫が真っ黒な猫でやはり翼を持っていた。数日をそこに居たが、ある日、解体の鉄球が直撃、3匹は命からがら脱出し、近所を聞いて回る。ムクドリから母猫のいるところを知る。
    すると、建物の一角に鉢植えのたくさんある庭があり、そこに母猫がいた。3匹を見ると母猫は翼が無いためチビ猫を助けに行けず心配していたこと。チビ猫の父親はトム・ジョーンズでチビ黒猫は父親に似ていること。チビ黒猫を農場へ連れて行ってほしい事。自分は野良猫を止めて、この庭の主のおばあさんと暮らしたいと思っていることを話す。
    チビ黒猫は農場まで自力では飛べず、ハリエットとジェームズが背中に載せて連れて行った。
    チビ黒猫は 農場で子どもらにジェーンという名前をもらって兄弟たちと暮らすことになった。

    ------------------------------

  • 話以上に、村上春樹さんのあとがきが心に残った(笑)
    この人の言葉は、私の心に届くなあ。

    私は、もう子供のような純真な心でこのお話に没頭することはできないけれど、猫たちのやわらかい心の動きが感じられるところもあった。
    最後の、ミルクを飲んでいるジェーンがたまらなくかわいい。

  • 羽のある猫の話。ル・グウィンの本で、村上春樹訳というので借りてきた。

  • 帰ってきた空飛び猫

  • 前作の続きで、母猫に再会、母猫が生んだ羽の生えた子猫を引き取ってくるという話。絵はすばらしいが、内容が微妙に”ルグウィン”。シュール

  • 異父兄弟?の黒猫ちゃんにもやっぱり羽が生えていた! かわいい。。

  • 羽根の付いた縞猫ちゃんたち、安全な場所を見つけたのにやっぱりお母さんが恋しくなってまた街へと旅に出てしまいます。

    そしてやはり羽根のある小さな妹に会うことに。

    このお母さん猫の子供を思うがゆえの突き放し、子離れぶりに感心。
    そしてやっぱり絵がいいですね~。

  • シリーズ二作目。
    可愛いよぅ…
    しかもいい話。

  • 声に出すとしあわせな気分になる、空飛び猫シリーズの第二弾。

    ファンタジーって、そうであってほしい現実の姿だと思っていた。ひとりひとりが違うように、それぞれが望む現実の姿も違う。だから、好きなファンタジーと、そうでないファンタジーがあるのか。

    作業員たちの会話がやけによかった。明日の朝ご飯は、ハムのサンドイッチとピクルスにしよう。

  • 相変わらずかわいい。村上春樹の訳注とあとがきがおもしろい。

  • きっとネコ好きな人はこんな想像(ネコに翼があったら??)をするんだろうな。と思いながら読んだら微笑ましかった。

  • 前作「空飛び猫」に続く第二弾。

    母猫のもとを離れた兄弟猫が、
    母のいる都会の裏町のゴミ捨て場へ里帰りする話。

    街へ帰ってみると、様子が変わっていて、母がどこにいるかわからない。母をさがして…という設定だと、湿っぽい感じになりそうだが、
    猫たちの飛ぶ姿がちょっとした冒険をしている感じで楽しそう。
    冷たい都会の中でも生き生きとして空飛び猫は自由なのだ。

    驚いたことに母親を探しているうちにまだ幼い妹を見つけ、
    さらに驚いたことにその妹は父親違い。
    前作で、翼があるのは父親の遺伝子かもしれないと
    母猫が言っていたのに違った。
    この作でも父親は登場しないし、
    父親はあまり重要でないのかもしれない。

    小さな妹は母親のもとを離れ、
    兄弟たちの暮らす田舎へ行くことになる。

    別れなのに湿っぽい感じにならないのは、
    猫たちが楽しそうに飛び、
    成長していく猫たちの様子が描かれているからだろう。

    母、子どもたちそれぞれが「やさしい手」を見つけ、
    安心安心の一作。

    空飛び猫は4匹。妹猫が加わり兄弟5匹になった。
    兄弟っていいな。

  • 空飛び猫シリーズ第2作目。
    2匹の猫が母のもとへ帰る話。
    新しい猫が加わる。

  • 黒ねこが…かわいい…!警戒してる様子が見えるよう。
    異父きょうだいなのになんなく「わたしたちの妹」と受け入れられることに少しびっくり。ねこの世界だからかなぁ。

  • 村上春樹が翻訳したル=グウィンの原作の、翼を持った猫のお話。「空飛び猫」の続編。「空飛び猫」を読んでいない人でも楽しめる。猫に翼がある、というびっくりな設定もものすごいけど、行動は普通の猫と同じだし、猫の好きな人にはかなり受ける内容だと思います。お母さん猫(翼がない。これは「空飛び猫」を読まないと)に会いに行くハリエットとジェームズが、やはり翼を持った子猫を見つけ、更にお母さん猫にも再会します。ちょっとうるっと来ました。【2007年3月8日読了】

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。『風の歌を聴け』(1979年)で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。『羊をめぐる冒険』(1982年)で野間文芸新人賞受賞。『ノルウェイの森』(1987年)がベストセラーとなる。海外でも高く評価され、2006年フランツ・カフカ賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞を受賞。その他受賞多数。

「2016年 『村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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