- Amazon.co.jp ・本 (60ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062058810
作品紹介・あらすじ
ひとまわり大きくなった空飛び猫たちの新たな冒険。ちっちゃなもうひとりの仲間を加えて。
感想・レビュー・書評
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「空飛び猫」シリーズの2作目です。
原著を読んだあとに、答え合わせのつもりで読みました。
前作で4匹の空飛び猫は、信頼できる人間の子供たちと出会い、住み心地のよい農場の納屋で暮らしています。
ある日、街に残してきたお母さんに会いたくなった2匹(ジェームズとハリエット)は、生まれた街に戻ってみましたが、様変わりした街の中でお母さんの居場所がわかりません。
必死でお母さんを探す2匹は、1匹の子猫を見つけます。
真っ黒で小さな子猫の背中には、彼らと同じように翼が生えていたのです…
1作目同様、猫が身近にいた人だからこそ描ける彼らの姿がたまりません。
猫が失敗したときにやる照れ隠しとか、よくうちの子もやっているなぁ…とくすっと笑ってしまいました。
村上春樹氏の訳注とあとがきもとてもよかったです。
特に原著を読んだあとだったので、訳注から翻訳のおもしろさや難しさを垣間見ることができました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
冒頭の、納屋の屋根裏の壁の穴からシナモン色の鼻を出し
ふわふわの翼で外へと飛び出してくる空飛び猫たちの、なんという可愛らしさ!
もしも我が家に居ついてくれるなら、壁に穴の5こや6こ・・・
いやいや、1ダースくらいは平気で開けてしまうのに♪
猫好きの優しい兄妹、ハンクとスーザンに匿われた4ひきですが
幸せながらも、やっぱりそこは子猫、お母さんが恋しくて
お母さんに会いにいくか、がまんするかで兄弟会議するのが微笑ましくて。
おっとりさんで甘えん坊のジェームズと、ちびでも行動力のあるハリエットが
「お母さんに会いにいっちゃおう」派、
現実的でしっかりもののセルマと、賢くて冷静なロジャーは
「会いたいけどがまんしよう」派、というのには、なるほどね、と頷いてしまいます。
都会に舞い戻ったジェームズとハリエットが巡り会った妹猫ジェーンが
たったふた言しゃべれるのが「Me!」と「Hate!」で
直訳すると「わたし!」と「イヤ!」というあたりがいかにも猫らしく、
若くはなくなったタビー・ジェーンお母さんが、自由気儘な野良猫生活を捨て
鍵のかかったペントハウスで人間に飼われる穏やかな生活を選ぶエピソードにも
猫をこよなく愛するアーシュラ・K・ル=グウィンの温かいまなざしが感じられます。
そして、あとがきで村上春樹さんが書いてくれた
正しいか正しくないか、役にたつかたたないかなんてどうでもよくて
「ファンタジーはあなた一人に向かって開いたり閉じたりする窓なのだ」
という言葉が、なんだか涙ぐんでしまうくらいうれしくて
空飛び猫たちが「丘の上農場」を帰る場所として選んだように、
私にとっても、疲れたとき、さみしいときには
ファンタジーという、やさしく温かい「帰る場所」があるんだ、と素直に思えたのでした。
素敵な本です。 -
2013年8月22日
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空飛び猫の続編。翼の生えた猫たちは生まれ故郷のスラム街に帰ってきて、妹を救います。
村上春樹の訳注、あとがきは一読の価値あり。 -
話以上に、村上春樹さんのあとがきが心に残った(笑)
この人の言葉は、私の心に届くなあ。
私は、もう子供のような純真な心でこのお話に没頭することはできないけれど、猫たちのやわらかい心の動きが感じられるところもあった。
最後の、ミルクを飲んでいるジェーンがたまらなくかわいい。 -
羽のある猫の話。ル・グウィンの本で、村上春樹訳というので借りてきた。
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帰ってきた空飛び猫
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前作の続きで、母猫に再会、母猫が生んだ羽の生えた子猫を引き取ってくるという話。絵はすばらしいが、内容が微妙に”ルグウィン”。シュール
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異父兄弟?の黒猫ちゃんにもやっぱり羽が生えていた! かわいい。。