国境の南、太陽の西

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1340
レビュー : 144
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062060813

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹らしい小説だと感じながら読みました。読み手の年齢によって受け取り方もまるで違っているだろうなぁと思います。ブクログのreviewもまさにそれが表れていますね♪ 作者40代前半の作品だから今から26年も以前のものです。
    男性たる生き物は多かれ少なかれ主人公のような心情を有するところがありますねぇ、女性はよく分かりませんけど。作品からさまざまに暗喩を受けられる人も居られるのでしょうね?!

  • 個人的には、村上春樹の長編作品の中では一番の作品だと思っています。

    ストーリー自体は、ありがちなものの気もします。
    現状に対しては不満を抱えていない「僕(ハジメ)」の前に、「島本さん」という少年期に好きだった女性が現れ、彼女への想いを捨てきれないハジメは、彼女の「側」へ行こうと決意するが、突然島本さんは消えてしまう。ざっくりだとこんな流れです。

    そんなありがちかもしれないストーリーですが、
    本編に登場する印象的なフレーズと、村上作品を支える「文体」、もしくはそこからもたらされる「独自の雰囲気」がもっともマッチした作品だと思います。

    男性は(女性はどうかわかりませんが)、なんとなくみんな「島本さん」のような存在を、どこかでひきずっているというか、秘めているような気がします。
    それが幸か不幸かはともかく、多くの人が抱えるものを、うまく、素敵に、この作品は「代弁」してくれているような気がします。

    都合がよすぎるかもしれませんが、島本さんに対する気持ちも、有紀子に対する気持ちも、全部が本音なんです。男の。

  • 「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった女性が現われて―。

  • 手を繋ぐf描写は今までで最高。宮部みゆきも青春ものに長けているが、男にしか共感できない微妙なところまで思い出させてくれる。かりそめの、性欲に幻惑された愛情と人格と肉体へのどうしようもなく勘違いした理解の描写も、これも男にしかわからないとも。そうして前半のほとんどは例のあのフワフワした自己の不定、病状を描く。かなりリアルに。「ノルウェーの森」以来、かつおそらく最後のラブストーリーと思われる。その意味で村上春樹作品としては異質。ファンタジー要素は特段無く、島本さんのバックボーンが謎めいている以外はリアリティに徹している。
    中年男共感は高いと思うが女性読者はどうなのだろう?

  • 再読
    不倫相手に心中を示唆されるもののセックスで頭が一杯でその気持ちを汲むことが出来ず結果不倫相手を失う話でじゃあではもし心中示唆を汲み取ることができたらこの主人公は一緒に死ねるのかな多分死ねるだろなじゃあ不倫相手が消えた今それってもう死んだも同然じゃん何を糧に生きてくの?

  • 空が永遠に青かったらきっと何も思わないのに

  • 島本さんやイズミのことが最後曖昧で終わっていると思う。どこかで主人公が不幸になれと思ってる自分がいた。若い頃とはいえ、女性を傷つけてるな~って思う。

  • 島本さんは過去への憧れの象徴、イズミは過去に傷つけたものの象徴、と考察しているブロガーさんがいて、なるほど、と感じた。
    人間は、(九のはずれがあっても)一の至高体験を求めることがある、だから満たされないっていうことなのかなぁ。
    過去に追いかけられて、逃げ切れない(=島本さんとの不倫?)ことが現実にはあり得るんだってことを言っている本なのではないかと思った途端、少し気持ちが冷めてしまった。
    p146 九の外れがあっても、一の至高体験を求めて人間は何かに向かっていくんだ。そして、それが世界を動かしていくんだ。それが芸術というものじゃないかと僕は思う

    でもこれはその通りだと思うんだなぁ〜。私生活で、芸術のような現実を求めることがとても危険で、でも惹かれてしまうけれど、そういう過ちが世界を動かしてるって思うことがたまにある。人間は感情があるぶん、生きていくことがすごく難しいような気分になった。

  • 初めてこの小説を読んだのは私が高校生のときで、当時は正直あまり好みではないと感じました。しかし大人になって再読してみると、意外とおもしろいと感じました。時間が経つと小説への感じ方がこんなにも変わるものなのだと驚きました。

    小説は、まず一人っ子の「始(はじめ)」が、小学校の六年間を通じて出会ったたったひとりの一人っ子、島本さんに異性としての好意を抱くところから始まります。しかし別の中学校に進んだことで、二人は会わなくなってしまいます。

    大人になった始は、島本さんではない女性と家庭を持ち、仕事もうまくやっていました。
    けれど長いあいだ、島本さんに対して“心の中の特別な部分(p23)”をあけていました。小学校卒業から二十年以上経って、島本さんに再会した始は、ぽっかりと欠けている部分を埋めることができるのは彼女だけだと気付きます。

    奥さんと二人の娘のことを愛していると言いながら、島本さんのことを愛している、どこにも行ってほしくない、と言う始は、人を傷付けてしまうことのできる、身勝手で残酷な人間です。始も自分でわかっているのだと思います。それでも“その力に打ち勝てるという自信がどうしても持てない(p287)”不完全なところが、人間らしさなのかもしれません。

    島本さんがいなくなったことで、“僕は君(妻有紀子)と別れたくない(p287)”という始は、やっぱり自分勝手だと思います。傷付けられたはずなのに、それでも“私はあなたのことが好きよ(p290)”と言ってくれる有紀子と出会えた始は、幸せ者だと思います。“明日からもう一度新しい生活を始めたい(p291)”と言う始の言葉を、信じたいです。

  • よくわからない。大人の本。何が言いたいんだろう。セックスの描写がリアル。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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