国境の南、太陽の西

著者 :
  • 講談社
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感想 : 158
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062060813

作品紹介・あらすじ

村上春樹の4年ぶりの長篇書下ろし小説。一人っ子として、ある欠落感をもっていた始に、小学校時代、同じ一人っ子の女の子の友達が出来る。25年後、37才の時、2人は再会し、激しい恋におちる――。

感想・レビュー・書評

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  • ひとりっ子と兄弟がいるのでは、やはり違った性格になりそう。
    長男長女は生まれながらに長男長女なのか。
    私は、本人の持って生まれた資質より、育ってきた環境がそうさせる方が大きいと思う。
    長男長女らしくない長男長女もいるが、やはり立場が人を作るという気がする。

  • 好きなところだけ覚えていて、
    苦手なところはすっぽり忘れていたけど、
    すごいな、こんな現代の太宰みたいな男のことを、
    どうしようもなく
    読ませるなぁ。

    表紙のイラストにあるように、とにかく島本さんとのレコードの思い出が好きだった。

    このお話し、実はとても奇妙で、
    島本さんや、イズミ、有紀子、といった女たちの誰かに、思い入れちゃいけないんじゃないかな。
    すべてハジメの中から派生してきた人物なんだから。

    _みんなどんどん消えていってしまうんだ、と僕は思った。あるものは断ち切られたようにふっと消え去り、あるものは時間をかけて霞んできえていく。そしてあとには砂漠だけがのこるんだ。_

  • 村上春樹らしい小説だと感じながら読みました。読み手の年齢によって受け取り方もまるで違っているだろうなぁと思います。ブクログのreviewもまさにそれが表れていますね♪ 作者40代前半の作品だから今から26年も以前のものです。
    男性たる生き物は多かれ少なかれ主人公のような心情を有するところがありますねぇ、女性はよく分かりませんけど。作品からさまざまに暗喩を受けられる人も居られるのでしょうね?!

  • 村上春樹のなかではいちばん感銘しました。一週間ぐらい取り憑かれていました。素晴らしい。

  • 読みやすかったです。最後まで読んで印象がぐっと良くなりました。色々考えさせられる作品でした。1番思ったのは「現実を生きる」って事についてです。それなりに若い頃からいろいろ経験して今50代の自分ですが、もっと早く読みたかったかも…。
    島本さんとの別荘での出来事あたりでは、ひょっとして、すべてハジメの見ている幻覚なんじゃ?疑ってしまいました。それ程幻想の世界に行っちゃってたハジメだけど、今度こそ奥さんと現実の世界で本当の幸せを手に入れてほしいが、ラストの一文を見る限り、揺らぎながらも前進していくって感じかな?
    まだあまり村上春樹作品読んだことがないので、他の作品もチャレンジしてみたいと思います!!

  • 出版順から読んでますが、
    今までの中で1番スルスルと読めたし、言い回しが本当に素敵だと改めて感じた

    順風満帆な主人公が過去を追い求めてすがる話
    ただの不倫話じゃん!
    と片付けるのは早計で
    幻想と現実の行き来が凄い組み合わさって、とっても考えさせられる

  • 心がしんとします。余韻が。

  • 手を繋ぐf描写は今までで最高。宮部みゆきも青春ものに長けているが、男にしか共感できない微妙なところまで思い出させてくれる。かりそめの、性欲に幻惑された愛情と人格と肉体へのどうしようもなく勘違いした理解の描写も、これも男にしかわからないとも。そうして前半のほとんどは例のあのフワフワした自己の不定、病状を描く。かなりリアルに。「ノルウェーの森」以来、かつおそらく最後のラブストーリーと思われる。その意味で村上春樹作品としては異質。ファンタジー要素は特段無く、島本さんのバックボーンが謎めいている以外はリアリティに徹している。
    中年男共感は高いと思うが女性読者はどうなのだろう?

  • 空が永遠に青かったらきっと何も思わないのに

  • 島本さんは過去への憧れの象徴、イズミは過去に傷つけたものの象徴、と考察しているブロガーさんがいて、なるほど、と感じた。
    人間は、(九のはずれがあっても)一の至高体験を求めることがある、だから満たされないっていうことなのかなぁ。
    過去に追いかけられて、逃げ切れない(=島本さんとの不倫?)ことが現実にはあり得るんだってことを言っている本なのではないかと思った途端、少し気持ちが冷めてしまった。
    p146 九の外れがあっても、一の至高体験を求めて人間は何かに向かっていくんだ。そして、それが世界を動かしていくんだ。それが芸術というものじゃないかと僕は思う

    でもこれはその通りだと思うんだなぁ〜。私生活で、芸術のような現実を求めることがとても危険で、でも惹かれてしまうけれど、そういう過ちが世界を動かしてるって思うことがたまにある。人間は感情があるぶん、生きていくことがすごく難しいような気分になった。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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