照柿

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著者 : 高村薫
  • 講談社 (1994年7月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062069021

照柿の感想・レビュー・書評

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  • 合田雄一郎シリーズ二作目
    レディジョーカーから遡って読んでいる。
    達夫の中のドロっとしたものが流れでる時にむけてなんとも言えない重たい空気のまま幼なじみだった雄一郎と達夫を行き来する。
    ラスト、だれしも何かしら罪を背負って生きているのかも。

    だいたいは明るい感じのものを好むのだけれど、この暗さ重たさであるのに読むのをやめられないハマる、さてまだ離婚に至っていない合田を見てみます。

  • 照柿・目次
    第一章 女
    第二章 帰郷
    第三章 転変
    第四章 燃える雨

  • 暑く、熱い人間ドラマ。
    合田も達夫も美保子もかなしい。
    NHKのドラマで三浦友和、野口五郎、田中裕子が演じて、ぴったりだった。特に野口五郎が狂気をうまく表現していて驚いた。もっと注目されてもいい役者だと思った。
    しかし、自分より年下の設定だがこんなに濃く生きられない。。
    高村さんの小説で二番目によく読み返している。

  • 文庫と比較のため読了。文庫よりも生々しく勢いのある印象が残った。同じ話を二度立て続けに読んだ所為もあるけど、合田さんの人物像がよりわかった気がする。何故彼が本当に道を外れてしまうことができなかったのか。感情の煮え湯に浸かってじっとしている子供、壁から手だけを時々差し伸べるというのは彼は無意識に行ってきたのかもしれないけれどもそれが彼の性なんだなぁということが繰り返し描かれることによって読者の眼前にも削り出される感覚がした。また他人から注ぎ込まれるものに影響されるから必要以上に他人にシンクロしてしまうことも。断罪も赦しも。暗い森の中で出会ったことは浄化の始まりだったと思いたい。それから祐介は声をかける背中が見えてるけど声をかけられないのだと思うとやっぱり一番深い業を背負ってるように思えてならない。

  • ストーリーが濃厚すぎて、読むのにとんでもない力を使った。なにしろ、この炎天下に読むにはかなりつらい。暑苦しくて、ぎっどぎとに粘ついてて、やっぱり男くさい。読んでいるこっちが精神的におかしくなりそう。
    合田はこんなひとだったっけかーと思いながら読んだのだけど、今回は合田のどうしようもなく目もあてられない部分が明け透けに書かれてあって、じわじわとダメージを受けた。なんというか、合田がこれだけ不安定だから、どうしても読み手である自分まで不安定になってしまう。こんなにもがらがらと崩れ落ちていくものがあるんだなあ。精神がじりじりと焼け切れていくさまが目にありありと浮かんだ。
    合田はどこへ行くんだろうな。もうこれ以上ぼろぼろにならなくてもいいんじゃないのかな。でも合田はずっと引きずり続けちゃうんでしょうね。
    あと森くんもどうなってしまうんだろう。魅力的なキャラクター故に、気になって仕方がない。

    (498P)

  • 読了前に感想を書いてしまったが、一応読後の感想も書いておこうと思う。
    読了前のものは下に残しておく。

    高村薫の描く男がやっぱり好きだ。
    能力はあるのに魅力もあるのにどうしようもない、どこにも行けない、救いのない男達。
    どうしようもなくて堕ちていく男。
    堕ちていく一歩手前の男。
    そういう男を眺めわずかに救いの手を述べようとあがく男。
    みんな好きだ。

    結局、ダメ男が好きなのか。
    それは本の中だけにとどめておきたいと切実に思う。

    ーーーー

    まだ読み終わってないけれど、終盤まできて感じたことがあり、どうしても書き残したかったので。レビューではないけれど。

    ーーー
    人間社会というのは昔の歪な形の石で造られた石垣のようなものかもしれない。
    それぞれの形は違うけれど凹凸をなんとか合わせて組み上がっている石垣のようなもの。
    しかし、同じ形のモノは一つもなくて、中には異質なモノもあるのだろう。
    その異質なモノも突出した異質さでなければ石垣の中で上手く他の石を支えられるのだろうし、組み合わせが良ければ強固な土台になるかもしれない。

    けれど始めはなんとか他の石と混じって石垣となっていた異質なモノも、時間が経つにつれ他の石の重みにつぶされ、変形し、いつか崩れてしまうのかも知れない。
    他の石を押しつぶしてしまうかもしれない。
    周りを巻き込んで、あるいは石垣全体を巻き込んで崩壊するのかも知れない。

    そんなことをふと考えた。
    同時に自分はどれぐらい異質な石だろうかと思った。
    それだけ。
    読了後はまた違うことを感じるかもしれない。
    そのときは、また新たにレビューらしきものを書いてみる。

  • 合田シリーズ二作目。何とか読めました。
    相変わらず重厚な内容でした。
    しかしインパクトのある大事件が起きるわけでもなく、専ら合田刑事とその幼馴染の一人の女性をめぐる思惑の交差という構造なので物語の躍動感は乏しいと思いました。

  • やはりラストに向ける感情の波や渦が好きです。
    最後まで読んで、ようやくすとんと落ちる感じ。
    冷血は純粋に面白くて、ぞくぞくしながらも愛しい作品でしたが、
    照柿は、また違った意味で愛しい感じ。

    こういった事を突き詰めていった先、高村薫さんには何が残るのだろう?
    出来れば、彼女が筆を折るまで追いたいが、
    その時まで気持ちは持続するのかな?どうでしょう。

  • 読み進まなくて辛かった。ところどころ斜め読み。工場の割レの原因はどうなったんだろう?

  • 私は「マークスの山」よりこちらが好みです
    行動や背景の描写が鮮明であるほど
    どうしてでしょう、登場人物の感覚に取りつかれる
    そんな気持ちにさせてもらえる一冊でした

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