照柿

著者 :
  • 講談社
3.63
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本棚登録 : 892
レビュー : 116
  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062069021

感想・レビュー・書評

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  • 合田雄一郎と野田達夫、幼馴染だった二人は異質だが似通った重暗い性格を背負って長じ、とある事故をきっかけに偶然出逢い物語は加速して走り出す! 1994年の作品だけどやはり迫力を持って読者に迫り来る力がありますねぇ。とても面白く読みました♪

  • 合田雄一郎シリーズ二作目
    レディジョーカーから遡って読んでいる。
    達夫の中のドロっとしたものが流れでる時にむけてなんとも言えない重たい空気のまま幼なじみだった雄一郎と達夫を行き来する。
    ラスト、だれしも何かしら罪を背負って生きているのかも。

    だいたいは明るい感じのものを好むのだけれど、この暗さ重たさであるのに読むのをやめられないハマる、さてまだ離婚に至っていない合田を見てみます。

  • 照柿・目次
    第一章 女
    第二章 帰郷
    第三章 転変
    第四章 燃える雨

  • 暑く、熱い人間ドラマ。
    合田も達夫も美保子もかなしい。
    NHKのドラマで三浦友和、野口五郎、田中裕子が演じて、ぴったりだった。特に野口五郎が狂気をうまく表現していて驚いた。もっと注目されてもいい役者だと思った。
    しかし、自分より年下の設定だがこんなに濃く生きられない。。
    高村さんの小説で二番目によく読み返している。

    • chirokuさん
      残念ながらNHKのドラマは見ておりません。見たいです。
      NHKのオンデマンドには収録されていませんでした。
      残念ながらNHKのドラマは見ておりません。見たいです。
      NHKのオンデマンドには収録されていませんでした。
      2014/06/22
  • 文庫と比較のため読了。文庫よりも生々しく勢いのある印象が残った。同じ話を二度立て続けに読んだ所為もあるけど、合田さんの人物像がよりわかった気がする。何故彼が本当に道を外れてしまうことができなかったのか。感情の煮え湯に浸かってじっとしている子供、壁から手だけを時々差し伸べるというのは彼は無意識に行ってきたのかもしれないけれどもそれが彼の性なんだなぁということが繰り返し描かれることによって読者の眼前にも削り出される感覚がした。また他人から注ぎ込まれるものに影響されるから必要以上に他人にシンクロしてしまうことも。断罪も赦しも。暗い森の中で出会ったことは浄化の始まりだったと思いたい。それから祐介は声をかける背中が見えてるけど声をかけられないのだと思うとやっぱり一番深い業を背負ってるように思えてならない。

  • ストーリーが濃厚すぎて、読むのにとんでもない力を使った。なにしろ、この炎天下に読むにはかなりつらい。暑苦しくて、ぎっどぎとに粘ついてて、やっぱり男くさい。読んでいるこっちが精神的におかしくなりそう。
    合田はこんなひとだったっけかーと思いながら読んだのだけど、今回は合田のどうしようもなく目もあてられない部分が明け透けに書かれてあって、じわじわとダメージを受けた。なんというか、合田がこれだけ不安定だから、どうしても読み手である自分まで不安定になってしまう。こんなにもがらがらと崩れ落ちていくものがあるんだなあ。精神がじりじりと焼け切れていくさまが目にありありと浮かんだ。
    合田はどこへ行くんだろうな。もうこれ以上ぼろぼろにならなくてもいいんじゃないのかな。でも合田はずっと引きずり続けちゃうんでしょうね。
    あと森くんもどうなってしまうんだろう。魅力的なキャラクター故に、気になって仕方がない。

    (498P)

  • 読了前に感想を書いてしまったが、一応読後の感想も書いておこうと思う。
    読了前のものは下に残しておく。

    高村薫の描く男がやっぱり好きだ。
    能力はあるのに魅力もあるのにどうしようもない、どこにも行けない、救いのない男達。
    どうしようもなくて堕ちていく男。
    堕ちていく一歩手前の男。
    そういう男を眺めわずかに救いの手を述べようとあがく男。
    みんな好きだ。

    結局、ダメ男が好きなのか。
    それは本の中だけにとどめておきたいと切実に思う。

    ーーーー

    まだ読み終わってないけれど、終盤まできて感じたことがあり、どうしても書き残したかったので。レビューではないけれど。

    ーーー
    人間社会というのは昔の歪な形の石で造られた石垣のようなものかもしれない。
    それぞれの形は違うけれど凹凸をなんとか合わせて組み上がっている石垣のようなもの。
    しかし、同じ形のモノは一つもなくて、中には異質なモノもあるのだろう。
    その異質なモノも突出した異質さでなければ石垣の中で上手く他の石を支えられるのだろうし、組み合わせが良ければ強固な土台になるかもしれない。

    けれど始めはなんとか他の石と混じって石垣となっていた異質なモノも、時間が経つにつれ他の石の重みにつぶされ、変形し、いつか崩れてしまうのかも知れない。
    他の石を押しつぶしてしまうかもしれない。
    周りを巻き込んで、あるいは石垣全体を巻き込んで崩壊するのかも知れない。

    そんなことをふと考えた。
    同時に自分はどれぐらい異質な石だろうかと思った。
    それだけ。
    読了後はまた違うことを感じるかもしれない。
    そのときは、また新たにレビューらしきものを書いてみる。

  • 内容
    野田達夫、35歳。17年働き続けてきた平凡な人生に、何が起ったのか。達夫と逢引する女、佐野美保子はほんとうに亭主を刺したのか。美保子と出会った瞬間、一目惚れの地獄に落ちた刑事合田雄一郎はあてもなく街へさまよい出る。照柿の色に染まった男二人と女一人の魂の炉。

  • 2019_10_10-107

  • どうして男たちはこうも不機嫌なのか?

    前作に続いて、イラつく男たちの日常が、炎天下の元描かれている。
    約500ページにわたって男たちは不機嫌である。

    作者の取材の産物なのだろうが、些末な描写が必要以上に濃密で重厚。
    工場機械の描写、そこまで必要なのか?と言いたくなる。
    賭場の描写もしかり。

    そこから醸し出される暑苦しさが本作に漂う猛暑の雰囲気を増長させているのだろう。

    正直、本作で主人公の合田に対してはガッカリしたといわざるをえない。
    「人間らしい」といえばそうかもしれないが、「ひとめぼれ」で片付けられてはちょっと・・・ねぇ。

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著者プロフィール

高村 薫(たかむら かおる)
1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。
1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年刊行の『土の記』では大佛次郎賞、野間文芸賞、毎日芸術賞をそれぞれ受賞し、新たな代表作となった。
『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。織田作之助賞選考委員を務める。

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