知的複眼思考法

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感想 : 96
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062072281

感想・レビュー・書評

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  • 刈谷先生が、東大助教授だったときに書かれた「思考法」についての本。東大の授業で行ったことをベースに著している。クリティカルシンキングと重なる領域を扱っているが、独自のとらえ方も多い。

    いろいろと読者の常識をくつがえすための仕掛けが工夫されていて、思いがけない認識にいたるところがこの本の面白いところ。

    その一つが下記の「自分が決断したときを考える」という演習。
    自分の場合、留学や試験や就職や転職、といった場面が、決断したときであったが、書いているうちに、あとから振り返ると志してきた世界に向かう「見えない階段」を上ってきたことがわかり、根底にある欲求にしたがうという意味で、正しい選択だったということがわかった。

    それはさておき、複眼的思考力を鍛えるには、

    読むこと。思考力を鍛える基盤となる方法は、創造的読書である
    ・著者の立場と読者の立場を意識
    ・知識の受容から「知識の創造」へ移行するための批判的読書(触発的読書というのもありそう)

    書くこと。「考えるための作文技法」がある
    ・論理的に文章を書く。批判的読書から批判的議論へ
    ・煩労を書く。違う前提に立って批判する

    問の立て方と展開の仕方。考える筋道としての問い
    ・どうなっているの
    ・なぜ。因果関係、疑似相関
    概念・定義・ケース。問いの一般化と抽象化

    結局、複眼思考とは、
    ・関係論的見方
    ・逆説の発見
    ・問題を問うことを問う
    ということと理解した。

  • ある物事を、様々な視点に立ち分析する複眼思考の重要さを説く良書
    論文を書く前に読みたかったなー

    比較的冗長な文章で眠くなります。

    大学の先生らしい一冊

    良い本です

  • 複眼思考とは、複数の視点を自由に行き来することで、一つの視点にとらわれない相対化の思考。情報を正確に読み取る力。ものごとの論理の筋道を追う力。受け取った情報をもとに、自分の論理をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にしてこそ、「常識」にとらわれずに、自分の頭で考えていくこと――つまり、知的複眼思考ができると考えるのです。

    【メモ】
    序章
    ・著者の考えを抜き出したり、自分の感想を書いたりするのではNG。自分なりのオリジナリティを考えなければならない。
    ・わからないものに対して「よく勉強していないからわからない」と答えがちなのは、知識が足りないのではなく自分の考える力が足りないから。

    第1章
    複眼的に考えるための本の読み方
    ・著者と対等の立場に立つ
    ・批判的に読む―著者の思考の過程をきちんと吟味しながら読む
    批判的読書のコツ 20のポイント
    1.読んだことのすべてをそのまま信じたりはしない。
    2.意味不明のところには疑問を感じる。意味が通じた場合でも疑問に感じるところを見つける。
    3.何か抜けているとか、欠けているなと思ったところに出会ったら、繰り返し読み直す。
    4.文章を解釈する場合には、文脈によく照らす。
    5.本についての評価を下す前に、それがどんな種類の本なのかをよく考える。
    6.著者が誰に向かって書いているのかを考える。
    7.著者がどうしてそんなことを書こうと思ったのか、その目的が何かを考える。
    8.著者がその目的を十分果たすことができたかどうかを知ろうとする。
    9.書かれている内容自体に自分が影響されたのか、それとも著者の書くスタイル(文体)に強く影響を受けているのかを見分ける。
    10.議論、論争の部分を分析する。
    11.論争が含まれる場合、反対意見が著者によって完全に否定されているのかどうかを知る。
    12.根拠が薄く支持されない意見や主張がないかを見極める。
    13.ありそうなこと(可能性)に基づいて論を進めているのか、必ず起きるという保証付きの論拠(必然)に基づいて論を進めているのかを区別する。
    14.矛盾した情報や一貫していないところがないかを見分ける。
    15.当てになりそうもない理屈にもとづく議論は割り引いて受け取る。
    16.意見や主張と事実の区別、主観的な記述と客観的な記述との区別をする。
    17.使われているデータをそのまま簡単に信じないようにする。
    18.メタファー(たとえ)や、熟語や術語、口語表現、流行語・俗語などの利用のしかたに目をむけ、理解につとめる。
    19.使われていることばの言外の意味について目を配り、著者が本当に言っていることと、言ってはいないが、ある印象を与えていることを区別する。
    20.書いていることがらのうちに暗黙のうちに入り込んでいる前提が何かを知ろうとする。

    第2章
    ・まず結論、理由が複数ある場合は明示しておく。
    ・判断の根拠がどこにあるかを示す
    ・推論か断言かをわかるようにしておく
    ・接続詞に注意する

    第3章
    ・なぜ?という問いかけを最低でも6回繰り返し、問いのブレイクダウンをする
    ・疑似相関(原因だとみなしているが、実際は要因としての影響力が少ないもの)を見破る
    ・新しい概念を見つける

  • 2017/04/14 読了
    印象に残り、かつ僕も実践していきたい事柄:
    ・テキストを完成物として見ずに、途上のものもして見る
    ・「なぜ」と「どうなっているのか」の問いを繰り返す
    ・主語を細分化する(大学生の就職難→男子大学生・女子大学生→家庭所得・学歴・地域など…)
    ・概念の動詞化(規則→規則化など)=概念それ自体から、プロセスへの着目へ
    ・問題がなぜ問題なのかを問う
    ・問題の解決で誰が損得するか問う

    今後、レポートを書くときはこれを参考にしていきたいと思った。

  •  自分の理解力がなく、なかなか頭に入らず、やめてしまおうと何回か思いましたが、読書の仕方と、最後の複眼的思考の付け方は目を通しました。以下自分なりにまとめました。
     
     複眼的思考方法→物事を多面から捉えて考える思考法。逆に一面から捉える思考法を単眼的思考法という。ステレオタイプ(あるがまま受け入れてしまう)とも言われている。
     読書について、作者も人間であり、本に書かれていることが絶対ではない。統計データの根拠や、作者の狙い、何が言いたいのか?を考え、流されず、批判的に捉えてみる練習をすること。
     書評を書くことも練習になる。

     女性就職率の減少→女性差別ととらわれがちだが、大学の進学率の増加に伴い、求職率が追いつかない現実が隠れていたりすることがあり、その問題が何で構成されているかを考える必要がある。
    関係論→紙幣やクレジットカードなどそのものに価値があるわけではなく、人との関係により価値が生まれる。

  • 問題解決のためになにをどのように考えるのか、論理的に考えるとはどういうことか分かりやすく描かれていた。我々は自分の頭で考えることができていないと思う。問題を探して解く、批判的読書、疑似相関、関係論的な見方、問題は何かを問う、メタ視点等日ごろの仕事でも考えるということを意識していきたい。

  • 全然頭に入ってこなかった。残念無念。

  • 【この本を読んで得られる事】
     ・常識的、直感的に情報を鵜呑みにしないように
      するための考え方
     ・因果関係や抽象性、物事の関係性に基づいた思考法
     ・問いに対するメタ視点
    【こんな方におすすめ】
     ・様々な角度、視点から物事を考えたい
     ・他人とは違う視点て物事を考えたい
     ・ロジカルな人間になりたい
    【感想】
     ・「主語と述語の逆転」というは新しい視点を得られました。なるほど、こうすると関係性がみえてくるのですね~。

  • 物事を鵜呑みにせず、一度立ち止まって、自分なりの考え方を展開すること、そのために、メタの視点に立って考えることの必要性について触れられていた。また、自分なりの考え方を展開することで、自分がどのような立場から物事を捉えているかを自覚する機会になるという内容だった。

  • 1680円購入2000-04-00

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著者プロフィール

東京大学大学院教育学研究科教授

「2010年 『大卒就職の社会学 データからみる変化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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