知的複眼思考法

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062072281

感想・レビュー・書評

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  • 要するに
    ひとつの情報を一面で受け取り、判断、観るのではなく、ひととのやりとりや情報を、わたしが〇〇さんだったら?はたまた犬だったら?あらゆる角度から自分の頭で捉え直せる力、だと述べられている。

    東大生に分数の割り算で、分子と分母をひっくり返す理由と分数の割り算がわかることの意味についてジブリ映画のとあるシーンを見てレポートを書くという課題を課したエピソードが、非常に意義のあるテーマ。

    そこに書かれたAからDの赤字の文字に落胆、喜ぶなど哀楽を見せる生徒。
    先生はただの記号で意味はない。

    と言いますが、ここに一つのステレオタイプに流されていたことがわかる。
    そもそもアルファベットを成績評価と捉える刷り込みはどこから生まれたか?
    日本の学校教育というステレオタイプが、一つの偏った見方を生んでしまうことがあるという。

    わかりやすい例だった。

    そもそも、こう考えたら突破口ないか?
    自分をいかして働くことについて、偏りがあったことに気づけた。
    鳥の目と虫の目。マクロな視界でミクロに極めていこう。
    勇気を貰えた。
    引き続き
    考えるということの意味についてじっくり読んでいきたい。

  • 【読書メモ】
    うのみにしない
    疑問を持つ
    メタ認知(客観的に見る)

    本を 完成品ではない と言う目線で読む
    (自分ならこのこの言葉を使う、ここは鋭い、不明瞭だ、同じような例を知ってる、難しすぎる等々)
    読んだものを全て信じない
    著者のねらいをつかむ
    数字に騙されない
    読んだ部分をもとに、次の展開を予想してみる


    1人ディベート
    立場を変えてどう考えるかを書く

  • 刈谷先生が、東大助教授だったときに書かれた「思考法」についての本。東大の授業で行ったことをベースに著している。クリティカルシンキングと重なる領域を扱っているが、独自のとらえ方も多い。

    いろいろと読者の常識をくつがえすための仕掛けが工夫されていて、思いがけない認識にいたるところがこの本の面白いところ。

    その一つが下記の「自分が決断したときを考える」という演習。
    自分の場合、留学や試験や就職や転職、といった場面が、決断したときであったが、書いているうちに、あとから振り返ると志してきた世界に向かう「見えない階段」を上ってきたことがわかり、根底にある欲求にしたがうという意味で、正しい選択だったということがわかった。

    それはさておき、複眼的思考力を鍛えるには、

    読むこと。思考力を鍛える基盤となる方法は、創造的読書である
    ・著者の立場と読者の立場を意識
    ・知識の受容から「知識の創造」へ移行するための批判的読書(触発的読書というのもありそう)

    書くこと。「考えるための作文技法」がある
    ・論理的に文章を書く。批判的読書から批判的議論へ
    ・煩労を書く。違う前提に立って批判する

    問の立て方と展開の仕方。考える筋道としての問い
    ・どうなっているの
    ・なぜ。因果関係、疑似相関
    概念・定義・ケース。問いの一般化と抽象化

    結局、複眼思考とは、
    ・関係論的見方
    ・逆説の発見
    ・問題を問うことを問う
    ということと理解した。

  • ある物事を、様々な視点に立ち分析する複眼思考の重要さを説く良書
    論文を書く前に読みたかったなー

    比較的冗長な文章で眠くなります。

    大学の先生らしい一冊

    良い本です

  • 2017/04/14 読了
    印象に残り、かつ僕も実践していきたい事柄:
    ・テキストを完成物として見ずに、途上のものもして見る
    ・「なぜ」と「どうなっているのか」の問いを繰り返す
    ・主語を細分化する(大学生の就職難→男子大学生・女子大学生→家庭所得・学歴・地域など…)
    ・概念の動詞化(規則→規則化など)=概念それ自体から、プロセスへの着目へ
    ・問題がなぜ問題なのかを問う
    ・問題の解決で誰が損得するか問う

    今後、レポートを書くときはこれを参考にしていきたいと思った。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/0000192092

    佐藤文香先生(社会学研究科)推薦

  • わかりやすい文章で読みやすかった

  •  私のようなひねくれものは、改めて読む必要はないと感じた。

     高校生~大学生くらいにレポートの書き方の参考図書として紹介していただければよかった。

  • どんな本?
    自分の頭で考えるとはどんなことなのか、著者と関わりながらする批判的読書とは何なのか?考えることについて知れる本。

    どんな人におすすめ?
    複数の視点から物事をみたい、書くことと考えることについて知りたい人におすすめ。

    https://self-methods.com/intellectual-compound-thinking-method/

  • 13年以上前に読んでいたが、中身を見返すとほとんど覚えていなかった。エッセンスは身体に残っているが。そして著者が留学中に読んだ大量の文献を見返しても記憶がないという記述に安心させられもした。
    文献の読み方、文章の書き方、問いの立て方と展開の仕方と、これ全て大学院生としての研究に直結する話なのだな。こういったトレーニングを実地に積んだことの証明だから修士号にも価値があるのだろう。以前転職しようと話を聞いた開発系の方が言っていたことが最近こういうことだったのかとよくわかる。

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著者プロフィール

オックスフォード大学教授

「2023年 『新・教育の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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