座右版 菜根譚

著者 :
  • 講談社
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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062072328

作品紹介・あらすじ

菜根譚には仏教、ことに禅的な思想や行動に関するものが極めて多いが、これまでに刊行された注釈書には禅仏教的な解説をなしたものは、ほとんどないのでこの点を十分に解明することにした……「序言」より

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  • 中国、明朝の洪自誠(1573年生~1620年没)によって書かれた随筆、処世訓集。思想は儒教、道教、仏教の三教をベースにしている。
    三教つながりで対比すると、空海は若い頃の著作「三教指帰」で、三つの教えのどれも尊いけど自分は仏教を選ぶ、という決意表明をしているが、洪自誠は三教のどれかに肩入れすることなく、儒教の忠孝・誠実、道教の無為自然・自由、仏教の空の思想・中庸を上手くブレンドしている感がある。僧侶だけでなく、実業家や政治家にも愛読されたのもうなずける。
    特に気に入った三段を以下に引用。訳まで書くと訳者の著作権上よろしくないので、意味を知りたい方は読んでみてください。

    【前集一〇〇段】
    逆境の中に居れば、周身皆鍼砭(しんぺん)薬石にして、節を研ぎ行を礪(みが)きてしかも覚らず。
    順境の内に処れば、満前尽く兵刃戈矛(かほう)にして、膏(こう)を銷(けず)り、骨を靡(ただら)してしかも知らず。

    【前集一七〇段】
    我貴くして人これを奉ずるは、此の峨冠大帯を奉ずるなり。我賤しくして人これを侮るは、此の布衣草履を侮るなり。
    然らば則ち原(もと)我を奉ずるに非ず、我胡(なん)ぞ喜びを為さん。原我を侮るに非ず、我胡ぞ怒りを為さん。

    【後集三一段】
    寂を嗜む者は、白雲幽石を観て玄に通じ、栄に趨(はし)る者は、清歌妙舞を見て倦むを忘る。
    ただ自得の士は、喧寂無く栄枯無く、往くとして自適の天に非ざるは無し。

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