名探偵の掟

著者 :
  • 講談社
3.08
  • (20)
  • (41)
  • (141)
  • (37)
  • (12)
本棚登録 : 600
感想 : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062074001

作品紹介・あらすじ

密室トリック、首なし死体、消えた凶器…快刀乱麻の名探偵・天下一が挑む難事件。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ミステリー小説を風刺するミステリー小説。
    ミステリーあるあるを網羅。クスッと笑えるツッコミを混じえていて斬新で新鮮。

  • ■この本を、電車の中や病院の待ちあいで読まない方がいい。思わず笑い出してしまうから。

    ■髪がぼさぼさな名探偵とちょっとドジな警部。彼らは今日も事件に巻きこまれる。しかも密室、見立て、冬の山荘、時刻表トリック――本格コテコテの殺人事件に。探偵はこっぱずかしい決まり文句を繰り返すのにウンザリしている。警部も毎度毎度のバカなふりには嫌気がさしていて・・・。そう、彼らは探偵小説の中で役割を演じる演者であり、いくらバカバカしくっても守っていかなければならないのだ、この設定を。

    ■お約束の世界の住人たちは、自分の役割を忠実にこなさなければばならない。そのことは十分にわかっている、わかってはいるけど割り切れない何かを同時に抱えている。そこに可笑しみと一抹の悲哀が生まれる。
    ……『トイ・ストーリー』――お約束のおもちゃの世界では、人形たちは人前では決して動いてはいけない。子供の乱暴な扱いに耐えなければならない。飽きられたら捨てられるだけ。そこに、自分が本物の宇宙飛行士と信じて疑わない、勘違い野郎バズ・ライトイヤーが仲間入りしてきて・・・
    ……『シュガーラッシュ』――ラルフはゲームの世界でひたすら建物を破壊して主人公を困らせる悪役、それがお約束だ。でも本当は気の優しいナイスガイ。彼はたまにはヒーローの真似事もしたくなって・・・
    ……「月光猿軍団」(『ダウンタウンのごっつええ感じ』のコント)――舞台でコミカルな芸を披露してきたお猿さんたち。だがそれはあくまでお約束ごと。楽屋に着くやいなや、猿たちは猿回しの人間へ容赦のないダメ出し、説教を始める。
    ……われわれの人生――学校、就職、結婚、出産、勤労・・・やがて体の自由がきかなくなり、異性どころかあらゆる他人に興味を失い、重篤な病をわずらって初めて知ることになる。われわれはお約束の世界で役割を演じてきただけなのだと。ただし、死の宣告を待つ病院の待ちあいでそんなことは思い出さない方がいい。思わず笑い出してしまうから・・・。

  • 語り手は警部。いわゆる探偵小説のセオリーなるものを茶化したり探偵と一緒になって作者をディスったりするメタ・スタイルをとった連作短編集。
    さて、東野圭吾はこのアイディアが純粋に面白いと思ったから書いたのか、それとも真面目な作品にはとても使えないような駄トリックの数々をなんとか活かしたいなぁと考えて思いついたのがこれなのか。どっちだろう。

  • 小説の中の名探偵と名物警部が、役だから仕方ないけど本当はこんな見え透いたことしたくないんだ!って駄々をこねながらも与えられたとおりに演じているというお話し。
    原作よりテレビが面白かった。

  • 改めて通読するとイマイチだった
    2.2点

  • 何か気分で再読。
    勉強にはいいね。
    まあまあおもしろいしね!

  • 数年前に読んだが、第一作目の短編で読むのを止めてその後は読まなかった。流石にその時は、東野さんも『このなの書くんだ』と残念に思った…が、
    今、東野さんの作品の完全読破を目指し、未読の約十作品を読んでいる。
    改めて読んでみて、東野さんが書いた狙いを想像してみた。
    この作品は、真面目に真正面から考えたらいけないように感じた。ハスに構えて読むのが丁度いいと思う。

  • 読書録「名探偵の掟」4

    著者 東野圭吾
    出版 講談社

    p49より引用
    “人物紹介で、名探偵ってことはないだろう。
    探偵だけでいいじゃないか。書くなよ、恥ずか
    しい。何を考えているんだ、この作者は。”

    目次から抜粋引用
    “密室宣言
     最後の一言
     切断の理由
     殺すなら今
     凶器の話”

     事件を次々に解決する名探偵と、その周り
    でピエロ役を演じる刑事を主人公とした小説
    の、お約束事を皮肉りながら事件を解決する
    短編集。
     密室殺人からバラバラ死体まで、ミステリー
    でよくお目にする展開が描かれています。

     上記の引用は、小説の中でピエロ役を引き
    受けている刑事が、登場人物表を見ての感想。
    こういうパロディ作品ならば、名探偵と書いて
    あっても笑うところとしてなりたつのでしょうが、
    シリアスなミステリー小説の人物紹介でこの
    ように書いてあったら、雰囲気台無しかもしれ
    ませんね。しかし、シリアスな作品でこのような
    人物紹介がそのまま印刷されていたら、作者
    ではなく編集者がまずいのではないでしょうか。
     ミステリーが好きであれば、息抜きとして
    いい一冊なのではないでしょうか。

    ーーーーー

  • 近所の市民センターに足を運び、東野さんの本を探してみた。

    その前に如何ほどの著書があるのか検索してみたら、
    いやぁ~、あるわ、あるわっ☆(無知とは恐ろしいものです。)

    新聞みたら、番組タイトルに『東野圭吾ミステリースペシャル』なんてのも放映されている様だし、
    恐ろしい程たくさんの作品を、すでに世に送り出されていたスゴイ作家である事に今更ながら驚いた。

    (どの本が面白いのかな?)全くわからないので、とにかく足を運んでから直感で決めよう!と、思っていた次第でして。

    すると。
    あ、あれ~~?
    東野さんの本はこれっきりより他は無かった。
    選択の余地なし。

    しかし、もとより直感に頼ろうと思っていたくらいだったから、むしろ潔くて良いかも!

    と、言う事でそれなりにズシリ、とした重みと厚みのある本をわくわくしながら借りてきて、ページを開いたのが昨日。

    読了が今朝。

    ものすごく面白かったのか?!と、言えば、
    特にそうではない。

    しいていえば、軽いのだ。
    内容が軽い。

    一冊の本をこれ程のスピードで読み終えたのはこれが始めてかも知れない。

    簡単に言うと、ミステリーの可能性を示唆する本。
    そして、ミステリー初心者には、とりあえずうってつけの本だったと言えよう。

    なにしろ、読者を巻き込み、筆者までしゃしゃり出てきて、
    いろいろ釘を指したり、言い訳の様な前提をおきつつ、

    子供に噛み砕いた餌を親が与えるかのごとく、分かりやすく物語を進行させているのだ。

    結果的には、私にはうってつけの本であったが、
    ミステリーの真髄にはまだ触れられずにいる。

全68件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

「2022年 『希望の糸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東野圭吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×