- Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062077804
感想・レビュー・書評
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フランク・エルガー著、天野知香訳『ファン・ゴッホ(Hazan1000)』(講談社)
1995.10.20発行
2020.1.18読了
ゴッホの生涯と主要な作品が年代別に収録されている。プロテスタントの牧師の家に生まれたゴッホは、おじさんのギャラリーの手伝いをしている最中に失恋を経験し、深い挫折を味わう。その反動で、聖書を読み耽り、牧師の道を歩もうとするが、猛勉強の末に神学校入学を諦めるという更なる挫折を味わう。その後、伝道師として、貧しい人たちの為にベルギーの炭鉱地帯へ説教を行うが、常軌を逸した自罰的行動と禁欲主義に誰も付いてくる者はいなかった。1880年、画家になると決心したゴッホだったが、身重の娼婦と同棲して結局破綻を迎えるなど私生活は荒れていた。色の魔法使いとしてのゴッホが誕生するのは、1886年にパリに移ってからだった。印象派の光のアートと日本のクレポン版画を組み合わせて、彼独特の明るい色彩を手にしていった。しかし、南仏アルルに移ってから次第に精神を病んでいき、柔らかい光を放つ印象主義を捨て、厚塗りの力強い描線を描くようになる。精神病院で描かれた「星月夜」は幻想的であると共にどこか不穏を感じさせる。自殺に追い込まれるほど芸術に傾倒した姿は、どことなく芥川龍之介を想起させる。ゴッホは胸を拳銃で撃って二日間苦しんだ末に亡くなった。もっとも、他殺説もあるようだが……。
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000002455720詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゴッホの生涯の年譜とテオへの手紙を簡単に紹介。あとは作品集。