クレーの絵本

  • 講談社
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本棚登録 : 646
レビュー : 92
  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062078245

感想・レビュー・書評

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  • 国立近代美術館でパウル・クレー展が開催されています。早く行きたい。クレーの色に、囲まれたい。
    **********
    クレーは最も好きな画家で、谷川俊太郎は最も好きな詩人。この本も10年以上前に買ったのだけど、それは変わらないなぁ。
    『愛』は谷川さんの詩で一番好きな詩。クレーに捧げられた詩。

    ”いつまでも そんなにいつまでも むすばれているのだどこまでも そんなにどこまでもむすばれているのだ”

    ・・・・果てしない。 
    雄大な景色の中にいるような気持ちになる。

    細い糸が編まれていくように、遥か昔から途切れることなく、私たちはそんなにどこまでもむすばれていて、何にもよらず愛されている。
    いつまでも、そんなにいつまでも。

  • どんなよろこびのふかいうみにも
    ひとつぶのなみだが
    とけていないということはない
    黄金の魚

    かわりにしんでくれるひとがいないので
    わたしはじぶんでしなねばならない
    死と炎

    きっと死ぬときにこのことばががよぎるんだろうと思う

  • 谷川俊太郎の詩って意外と機会がないのであんま読んだことないんですけど、珍しくパウル・クレーの絵に添えて書いた詩集みたいの読んだらすげーな…実に多種多様なんだよ…感情が入り乱れている…それでいて突き刺さる…。

  • 現前が何らかの平面から投影されたものだとしたら、クレーの絵は、まるでその純粋形相からほんの少し派生したかのような、本源的な世界を思わせる。イデアなるものからの蠢動。永久の眠り。静止。一闔一闢の宇宙。

  • 谷川俊太郎はクレーの絵には「魂」が込められているという。肉体でも精神でもなく、魂だ。そしてクレーの絵に促され、二十代頃から詩を書いて来たという。絵と日本語の詩が一体感を成していて素晴らしい。この素晴らしい詩は外国語に翻訳されているのだろうか?と、気になった。

  • 絵の理解は、できないけど…

  • 「死と炎」が好きです
    この本の中のいくつかの詩を

    大学生のときに合唱サークルで歌いました
    合唱の本には絵は載っていなかったので
    後日購入しずっと家にあります

  • すごすぎる。
    私も絵を描く人間だけど、こんなに深いイメージは読み取れない。広がらない。
    読んでて自分が恥ずかしくなった。

  • 世界を名づけられぬものにかえすため

  • クレーの絵にはたしかにイメージを掻き立てる重層性があり、
    そこから谷川俊太郎が詩を読み取ったことで成立した本作には、
    多分に学ぶべき点がある。



    いつまでも
    そんなにいつまでも
    むすばれているのだどこまでも
    そんなにどこまでもむすばれているのだ
    弱いもののために
    愛し合いながらもたちきられているもの
    ひとりで生きているもののために
    いつまでも
    そんなにいつまでも終わらない歌が要るのだ
    天と地とをあらそわせぬために
    たちきられたものをもとのつながりに戻すため
    ひとりの心をひとびとの心に
    塹壕を古い村々に
    空を無知な島たちに
    お伽話を小さな子らに
    蜜を勤勉な蜂たちに
    世界をなづけられるものにかえすため
    どこまでも
    そんなにどこまでもむすばれている
    まるで自ら終わろうとしているように
    まるで自ら全いものになろうとするように
    神に設計図のようにどこまでも
    そんなにいつまでも完成しようとしている
    すべてをむすぶために
    たちきられているものはひとつもないように
    すべてがひとつの名のもとに生き続けられるように
    樹がきこりと
    少女が血と
    窓が窓と
    歌がもうひとつの歌と
    あらそうことのないように
    生きるのに不要なもののひとつもないように
    そんなに豊かに
    そんなにいつまでもひろがっていくイマージュがある
    世界に自らを真似させようと
    やさしい眼差しでなし招くイマージュがある




    どこへゆこうとして
    ことばはつまづき
    ことばをおいこそうとして
    たましいはあえぎ
    けれどそのたましいのさきに
    かすかなともしびのようなものがみえる
    そこへゆこうとして
    ゆめはばくはつし
    ゆめをつらぬこうとして
    くらやみはかがやき
    けれどそのくらやみのさきに
    まだおおきなあなのようなものがみえる



    クレーは言葉よりももっと奥深くをみつめている。それらは言葉になる以前のイメージ、あるいは言葉によってではなく、イメージによって秩序を与えられた世界である。そのような世界に住むことが出来るのは肉体ではない、精神でもない、魂だ。

    クレーの絵は抽象ではない、抽象画には精神は住めても魂は住めない。言葉でなぞることはできないのに、クレーの絵は私たちから具体的な言葉を引き出す力を持っている。

    詩は言葉のうちにあるよりももっと明瞭に、ある種の音楽、ある種の絵のうつにひそんでいる。

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著者プロフィール

20世紀を代表する画家の一人。1879年、ドイツ人音楽教師を父に、スイス人声楽家を母にベルン(スイス)近郊に生まれる。高等学校卒業と同時にミュンヒェンに出て画塾に通うが3年後ベルンに戻り、独学の道を選ぶ。1906年、ピアニストのリリー・シュトゥンプフとの結婚を機にふたたびミュンヒェンに赴く。長い無名時代を経て、1920年、総合造形学校バウハウスから招聘される。ヴァイマール、デッサウの同校で教鞭をとった後、1931年にはデュッセルドルフ美術学校に籍を移すが、2年後、ナチスの弾圧を受けてベルンに亡命。皮膚硬化症を患いながらも制作意欲を失うことなく、その後も数多くの作品を残した。1940年、南スイス・テッシン州の療養院で60年の生涯を閉じた。

「2018年 『クレーの日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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