クレーの絵本

  • 講談社
4.00
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感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062078245

作品紹介・あらすじ

40点の絵と14編の詩が奏でる二重奏(デュエット)

クレーの色彩世界に谷川俊太郎の詩が重なる。
スイスが生んだ今世紀最高の画家クレー。音楽理論を融合させた詩情あふれる色彩世界に触発された詩人が紡ぎだすイメージ豊かな言葉が、新しい画集の形を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • クレーの色彩画と谷川俊太郎の詩のコラボという触れ込みなのだが、はっきり言って谷川俊太郎の詩なんてどうでもいい。ピンとこないしね。「言葉で彼の絵をなぞることは出来ない」と自分で言いながら詩を付けるなんてどういうことなんだろう。クレーの絵の色彩と形の精妙なる組み合わせが素晴らしすぎて、誰も敵わないよ。有名な「黄金の魚」「セネキオ(野菊)」「死と炎」はもちろん入っているが、ほかのどの絵だってこの世のものとは思えないくらい素敵だ。

  • やはり 表紙のこの絵が、好きだと思いました。

    黄金の魚

    詩  谷川俊太郎


    おおきなさかなはおおきなくちで
    ちゅうくらいのさかなをたべ
    ちゅうくらいのさかなは
    ちいさなさかなをたべ
    ちいさなさかなは
    もっとちいさな
    さかなをたべ
    いのちはいのちをいけにえとして
    ひかりかがやく
    しあわせはふしあわせをやしないとして
    はなひらく
    どんなよろこびのふかいうみにも
    ひとつぶのなみだが
    とけていないということはない


    ※ 、、、絵本に載っている絵で、多くの、私の好きな絵には、詩がつけられていませんでした。

    パウル・クレーの 好きな絵

    ☆ 猫と鳥
    ☆ アラブ・ソング
    ☆ 赤い気球
    ☆ R荘
    ☆ 建造中のL広場
    ☆ パルナッソスへ
    ☆ 庭園建築の設計図
    ☆ 美しき庭師(ビーターマイヤー時代の亡霊)
    ☆ セネキオ(野菊)
    ☆ インスラ・ドゥルカマラ
    ☆ 母と子


    絵本の終わりのページで 谷川俊太郎が
    魂の住む絵  という文章を載せている。
    その文章が、素敵だった。

    クレーは言葉よりもっと奥深くをみつめている。
    それらは言葉になる以前のイメージ、あるいは言葉によってではなく、イメージによって秩序を与えられた世界である。そのような世界に住むことが出来るのは肉体ではない、精神でもない、魂だ。
     クレーの絵は抽象ではない。抽象画には精神は住めても魂は住めない。言葉でなぞることは出来ないのに、クレーの絵は私たちから具体的な言葉を引き出す力をもっている。


    • まことさん
      りまのさん。

      ごめんなさい。
      こちらももう、レビューされていたのですね。
      「黄金の魚」もいいですね。
      確かにこの詩も読んだと思います。
      最...
      りまのさん。

      ごめんなさい。
      こちらももう、レビューされていたのですね。
      「黄金の魚」もいいですね。
      確かにこの詩も読んだと思います。
      最後の五行が、特に深いですね。
      私は、大雪の降る日に読んだので、「雪の降る前」がいいと思ったと思います。
      2021/09/08
    • りまのさん
      まことさん

      いえいえ、さっき まことさんにお便りしてから、レビューを書いたのです。「雪の降る前」の詩、好きでしたが、まことさんがレビューで...
      まことさん

      いえいえ、さっき まことさんにお便りしてから、レビューを書いたのです。「雪の降る前」の詩、好きでしたが、まことさんがレビューで 載せられていたので 「黄金の魚」にしたのです。最後の五行が、私も好きです。
      コメントありがとうございます!
      2021/09/08
  •  20年以上もの間、居間の書棚に「絵」としておかれていて、生活の中の当たり前の光景になってしまっていました。
     何の気なしに手にとると、その場に座りこんでページを繰りださせる力はクレーの絵の力だし、谷川俊太郎のことばの力なのでしょうね。
     いやはや、当たり前の光景の中に宝が転がっているのに気づかない生活はさみしいですね。
     感想をブログに書きました、よろしければ、そちらもどうぞ。
      https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202011040000/

  • 谷川俊太郎の詩は色々あって、一口では言えないのに。一番のイメージが研ぎ澄まされた感じ。
    それがクレーの絵を相まって緩和されたような、、、読み返してみなきゃ。

    『クレ-の絵本』(パウル・クレ-,谷川 俊太郎)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000177766

  • 谷川さんは、4000篇もの詩の中で、クリスマスについての詩は二つ。ぼく調べではだけど(2000篇くらいは確認してる)

    大きなクリスマスツリーが立った
    (夜のミッキーマウス)

    キラキラ光っていて
    この世じゃないみたいにきれいだけど
    これも人間がつくったものだよ




    (みんなやわらかい)

    あなたのふらせたまぶしいゆきを
    どろんこぐつでふんづけちゃった
    ねえかみさま
    わたしをきらいにならないで




    クレーの絵本にも貫かれている
    ぼくが谷川さんをすきなわけ
    ものごとの裏表

    見えるものだけでなく
    見えないものへも気を配る

    ぼくには、それが足りないな

    選ばれた場所

    黄金の魚

    特に黄金の魚がすき。

    これからの時代は大きく変わる。それも数年で。日本の大学は2040年には、すべて定員割れを起こす。いまの10才は、大きな転換期にいる。市場価値で言えば、日本の教育はまったくナンセンスなことばかりさせている。
    5年後の高校受験までに、このばかでかい組織の文化を変えていく。誰も思い付かないやり方で。みんなあきらめてるし、疲弊してる。

    これから義務教育へ入る未来の子どもたち、枠を越えて、すきなことへ没入しろ。市場経済をもう学べ。学校は、まだほんとのことを教えようとしない。KSはいいぞ!ほんとのことを出し惜しみなく、伝えてくれる。LSHも、実はすごくいいし、中央につながってるぼくもいいけどね。まー、余計なお世話かな。

    5年後、コミットメントする。弾丸よりも、光よりもはやく、ぼくの願いが最速で叶えられる。そして、あらゆる方法で、その幸せを世の中に還元していく。宇宙の愛に感謝しています。

  • 大雪の降る日に読みました。
    クレーは好きな画家ですが、この絵本は、少し暗い印象の絵本だとかんじました。
    クレーの絵の中で、色彩が暗めのものが多いせいかと思います。
    「雪の降る前」という詩がいいと思いました。
    かみはしろ
    かみはゆき
    かみはふゆ
    えかきはたいよう
    ゆきをとかす

    えかきははる
    みどりをぬる
    えかきはなつ
    あおをぬる
    えかきはあき
    あかをぬる
    そしてまたいつのまにかー

    えかきはたってる
    あたらしいかみの
    ゆきのちへいに

    • りまのさん
      まことさん
      いま、この絵本を読んでいます。
      私も、雪の降る前 という詩が 好きだ と思いました。見開きページ、左側の、クレーの不思議な絵より...
      まことさん
      いま、この絵本を読んでいます。
      私も、雪の降る前 という詩が 好きだ と思いました。見開きページ、左側の、クレーの不思議な絵よりも 好きだと、思いました。

      2021.9.8     りまの
      2021/09/08
    • まことさん
      りまのさん。

      コメントありがとうございます。
      「雪の降る前」。
      いいですよね!
      私もいいと思いました。
      でも、実は図書館で借りた本なので、...
      りまのさん。

      コメントありがとうございます。
      「雪の降る前」。
      いいですよね!
      私もいいと思いました。
      でも、実は図書館で借りた本なので、レビューに書いたこと以外はすっかり忘れています。
      りまのさんが、レビューで思い出させてくれるのを楽しみにしています。
      りまのさんの、「クレーの天使」のレビューもよかったですよ。
      私もりまのさんみたく、たくさん引用すればよかったです。
      私も図書館で借りたのでレビュー以外、思い出せなくなっています。
      この絵本より、「クレーの天使」が私も欲しいです。
      2021/09/08
    • りまのさん
      まことさん
      お返事ありがとうございます。
      この絵本は、谷川俊太郎の詩よりも、クレーの絵のほうが、好きな作品が多かったです。
      表紙の絵が 素敵...
      まことさん
      お返事ありがとうございます。
      この絵本は、谷川俊太郎の詩よりも、クレーの絵のほうが、好きな作品が多かったです。
      表紙の絵が 素敵だと思いました。
      2021/09/08
  • 谷川俊太郎の『クレーの絵本』の表紙になっているクレーによる魚の絵。画集などの印象とは全く異なる実物の色味を見て驚いた。クレーの日記と美食家だった彼の魚の絵について想いを馳せる。

    ハンブルクを訪れた際にハンブルク市立美術館(Hamburger Kunsthalle)で、念願のクレーの「黄金の魚」を見ることができた。谷川俊太郎の「クレーの絵本」の表紙にもなっている画である。そして、実物を見て驚いた。全体にひどくくすんでいて、暗い色調なのだ。画集などの印象とは全く異なって、まるで深海魚のよう。しかし、暗い深海で金色にうすら輝く魚は荘厳さがひたひた伝わってくる。

    詳細はコチラから↓
    色彩と線の画家クレーによるアーティスト論評と谷川俊太郎も惚れこんだ魚の絵 / 『クレーの日記』と『クレーの絵本』を読む
    https://jtaniguchi.com/%e3%80%8e%e3%82%af%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%81%ae%e6%97%a5%e8%a8%98%e3%80%8f%e3%81%a8%e3%80%8e%e3%82%af%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%81%ae%e7%b5%b5%e6%9c%ac%e3%80%8f%e3%82%92%e8%aa%ad%e3%82%80/

  • 210430*読了
    こちらもお友達の喫茶店で出会えた本。
    クレーの絵はたぶん展覧会でも観たことがないはず。
    不思議な世界観と、谷川俊太郎さんの詩が絶妙でした。
    何度も観て読み返すことで、味わいを深めていけそう。
    自分では買わなかったであろう本なので、出会わせてくれた友人に感謝。

  • この本に触れるのは中3ぶり、パウル・クレーの天使を題材にした吹奏楽曲を演奏して以来。懐かしい記憶が蘇った。

  • 「死と炎」が好きです
    この本の中のいくつかの詩を

    大学生のときに合唱サークルで歌いました
    合唱の本には絵は載っていなかったので
    後日購入しずっと家にあります

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著者プロフィール

20世紀を代表する画家の一人。1879年、ドイツ人音楽教師を父に、スイス人声楽家を母にベルン(スイス)近郊に生まれる。高等学校卒業と同時にミュンヒェンに出て画塾に通うが3年後ベルンに戻り、独学の道を選ぶ。1906年、ピアニストのリリー・シュトゥンプフとの結婚を機にふたたびミュンヒェンに赴く。長い無名時代を経て、1920年、総合造形学校バウハウスから招聘される。ヴァイマール、デッサウの同校で教鞭をとった後、1931年にはデュッセルドルフ美術学校に籍を移すが、2年後、ナチスの弾圧を受けてベルンに亡命。皮膚硬化症を患いながらも制作意欲を失うことなく、その後も数多くの作品を残した。1940年、南スイス・テッシン州の療養院で60年の生涯を閉じた。

「2018年 『クレーの日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

パウル・クレーの作品

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